読者の中から募集した「クロトレ未来会議」のメンバーが気になった記事について、担当編集者が直接話して質問に答える新連載が始まりました。第1回は、めぐさんが挙げた「検証『Zoomマーケティング』の潜在力」について、副編集長のやまちゃん(山下)がお話しします。

気になる記事を挙げてくれた「クロトレ未来会議」のメンバーのめぐさん(写真右端の一番下)。答えるのは、該当記事を担当した副編集長の山下(やまちゃん、同下から2番目)。残りの2人は、上から順番に同連載を担当する松野(まっつー)と森岡(もりもり)
気になる記事を挙げてくれた「クロトレ未来会議」のメンバーのめぐさん(写真右端の一番下)。答えるのは、該当記事を担当した副編集長の山下(やまちゃん、同下から2番目)。残りの2人は、上から順番に同連載を担当する松野(まっつー)と森岡(もりもり)
めぐさんが気になった記事
特集「検証『Zoomマーケティング』の潜在力」第2回
Zoomは魔法じゃない マーケ活用には客同士の交流促進がカギ

めぐさん 顧客サポート関連の仕事をしています。他部署では、お客様とのコミュニケーションにZoomを活用する社員も増えているようです。また、社員同士でもZoomを使いこなせるようになってきました。変に会社に行くよりも、遠隔でコミュニケーションを取った方が、縦割りではなく、横串で話ができるケースもあると感じていて、新しいコミュニケーションに興味があります。そんなときに、働き方改革やモチベーションに関する勉強会などを開いている楽天大学学長の仲山進也さんが語っていたので気になりました。なぜ、仲山さんに話を聞こうと考えたのですか?

編集部山下(以下、やまちゃん) Zoom特集をやると決まった際、タイミングが難しいと感じました。通常、記事を作る際は、成功事例を探し、そこからヒントを得ようというアプローチが基本です。ただ、Zoomを企業が一気に使い始めた時期で、成功事例があまりありませんでした。「Zoomを使うといろんなことができますよ」という声ばかり。「本当にそうなの?」という問いも必要だと考えました。

 仲山さんは、楽天市場出店者向けの学び合いの場「楽天大学」の学長を務める人。ECの出店者がどう考えているのかということにも敏感であり、バラ色の話だけでない、現実的なことが聞けるのではと考えました。

めぐさん 正直、分かりやすい答えがパッと見える記事ではないと感じました。他のキャッチーな記事に比べて解釈しきれないところはあります。

やまちゃん 実は、内容で編集長とかなり議論をしました。「Zoomマーケティング」とぶち上げたのに、“魔法じゃない”という内容ですから。だいたい記事は公開前日の夕方くらいに完成させるのですが、その前日にぶつかりました。まさにその、「分かりやすい答えがない」という点で、です。

 個人的には、「問い」を提示することも重要なことだと考えています。答えを見せることで気づきもありますが、そのまま活用できるとは限りません。記事の中で仲山さんは「Zoomをうまく使えるのはどんな人かというと、すでにお客さんとの関係性ができている人」と言っています。つまり、「あなたはこれまでお客さんとどういう関係を築いてきましたか」と問うているわけです。

 特集の1回目で成功事例を紹介してZoom活用への期待感を高めつつ、2回目にこの記事を入れることで、ニュートラルにZoomを捉えていることを意思表示できると編集長を説得。晴れて公開につながりました。

オンライン化で点在していたナレッジの共有が簡単に

めぐさん Zoomを仕事で使ってみて、もう一つ面白かったのが、ナレッジが社内で共有しやすくなったこと。営業は本来、1対1。話し方や口説き方は人それぞれで、可視化されていませんでした。Zoomで記録しておくと、そのスキルの共有が可能になります。

やまちゃん 記者・編集者も、基本的に他の人がどうやって取材をしているのかをほとんど知りません。知りたければ一緒に取材に行くしかないのですが、他の記者がいると正直やりにくい(笑)。ですが、Zoomであれば後から共有することも可能です。

 仲山さんに聞いた話の中で私が面白いと思ったのが、この次の記事Zoomと組み合わせて使うべきツールは 楽天大学・仲山学長が語るで出てくる話です。コミュニケーションを「同期」「非同期」の組み合わせで考える方法です。Zoomは電話のように、同じ時間を共有しながらコミュニケーションをする「同期」。それに対し、メールなど、書いた時間と読まれる時間が異なっているのが「非同期」です。

 Zoomの場は、スポーツでいうとスタジアムで試合をするようなもの。いきなり選手として集まっても機能しません。Zoomで集まる前に、Facebook上にグループを作って交流しておいたり、メッセージのやり取りをしておいたりするとコミュニケーション量が増大する、仲山さんは言っています。加えて、表舞台のZoomに加え、同時に非同期のチャットツールなどを組み合わせると、盛り上がりやすいですね。

めぐさん 私もZoomを使う際に、チャットなどのテキストを使ったコミュニケーションを併用するようにしています。

やまちゃん Zoomって意外に大人数でコミュニケーションを取りにくいですよね。偉い人の独壇場になることも。最近、チャットの利便性の高さを再認識しています。以前は、対面もしくは電話かメールが標準だったときは、ビジネスチャットで連絡してもレスポンスが遅い人が少なくありませんでした。それが、強制的にテレワークになったことでメインのツールになり、一気に改善されました。

めぐさん コミュニケーションツールが増えても、ベースとなる心理的安全性が重要になると感じています。今後は、その深め方を知りたいと考えています。

やまちゃん 経営層や管理職の人がどれだけ社員を信頼するかといった視点が大事ですよね。手前味噌ですが、「会社の幸せは自分の幸せ? 富永朋信氏×早大・入山章栄教授」などでも、この視点を取り入れています。アフターコロナの社会ではこの信用・信頼がより重要になるのではと考え、今後も取材を進めていこうと思います。