広報・PR関係者必読の書籍が発売。新刊『マスコミ対策の舞台裏 役員の電話で起こされた朝』は、日経クロストレンドの名物連載「風雲! 広報の日常と非日常」で3年半にわたって掲載された150本を超えるコラムの中から、えりすぐりのエピソードを1冊に凝縮。記者との関係づくりや記事として採用されるためのノウハウ、プレス発表会の真実など、現役広報である2人の著者が「メディアとの攻防のリアル」を明かします。

新刊『マスコミ対策の舞台裏 役員の電話で起こされた朝』(日経BP)
新刊『マスコミ対策の舞台裏 役員の電話で起こされた朝』(日経BP)

 「メディアはなぜ、ウチの製品を記事で取り上げてくれないのか」「ライバル企業の社長ばかりインタビューに登場する」――。広報・PR、そしてマーケティング関係者なら、一度は思ったことがあるでしょう。その疑問を解き明かしてくれるのが本書『マスコミ対策の舞台裏 役員の電話で起こされた朝』です。

 個人でも簡単に情報発信できる今日、「いまさらマスコミなんて……」と思っていたら大間違い。SNSで拡散されバズった投稿が、元を遡ればマスコミが発信した記事だったということが少なくありません。むしろ今こそメディア対策を強化し、正しい情報が世に広まるよう戦略を練る時と言えるでしょう。

 本書の著者は元アップル、そして現在はアドビ執行役員広報本部長の鈴木正義氏と、元ソニー(現ソニーグループ)で現在は広報コンサルタントの遠藤眞代氏。二人とも20年以上のキャリアを誇る、現役バリバリの広報パーソン。マスコミ対策の表も裏も知り尽くしています。そんな彼らが、これまでほとんど語られることのなかった「メディアとの攻防」について、企業の側からその実態を赤裸々に明かしています。

 記者や編集者との生々しい駆け引き、社内でのあつれき、成功談・失敗談から導き出された「記事や番組に採用されるためのテクニック」「メディアとの関係構築法」に加え、「企業の危機管理」に対する考え方も学べます。352ページの大ボリュームで、当時の現場の様子について本音を交えながらリアルに描くことに全力を注いでいるため、多くのビジネスパーソンにとって興味をそそられる中身の濃い1冊に仕上がっています。

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書名:『マスコミ対策の舞台裏 役員の電話で起こされた朝』(日経BP)
著者:鈴木正義、遠藤眞代
定価:1800円(税別)
発売日:2022年12月19日
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【主な掲載エピソード】

第1章 広報しか知らないマスコミの素顔
 ●「原稿確認させて」と編集部に言うと何が起きるのか
 ●メディア側から原稿確認の依頼、広報はどう対応する?
 ●「書かないで」と言っても記事が止められない状況とは
 ●マスコミは意地悪なのか 都合の悪い記事に抱く勘違い
 ●おまえに利用価値はない! スタートアップ広報の高い壁
 ●新人広報はトラウマに? マスコミ対応の「魔の時間帯」
 ●広報とメディアの間にある「筋」と「貸し借り」

第2章 取材対応こそ危機管理の要
 ●「何だこの記事は!」と、取材対象者に怒られないコツ
 ●会社の危機対応、これだけは絶対にやめて!
 ●テレビ取材、カメラは急に止まらない
 ●「アップルは携帯電話を再定義する」に学ぶ大切なこと
 ●今こそ大切な現場写真とスティーブ・ジョブズの「罪」
 ●会社をピンチに陥れる「声の大きい人」にご用心
 ●ソニー「音の神」はメディア対応も神だった
 ●広報がおしゃべりだと、ろくなことはない(らしい)
 ●「メモ」をめぐる記者と広報の静かな駆け引き

第3章 経営者が知っておくべきマスコミ対応の落とし穴
 ●スクープを知らせる役員の電話で目覚めた朝は
 ●マスコミから引っ張りだこの経営者は何を話しているのか
 ●お偉いさんから「広報はタダだから……」と言われて
 ●iPhone誕生で、ジョブズが期待をあおらなかった理由
 ●究極の危機管理バイブルは『刃牙』シリーズだった
 ●名物社長が退任、広報に対して言った最後の「ワガママ」
 ●社長がロボットに? マスコミ対応の訓練の落とし穴
 ●やってはいけないトップダウンの記事依頼
 ●危機対応で社長がまさかの一言 真に守るべきものとは

第4章 掲載を勝ち取るマスコミへのアプローチ
 ●初のプレスリリースで「壮大なドラマ」を書いて大失敗
 ●広報同士の知恵が激突する「レッドオーシャン問題」
 ●赤字で悲惨な姿のリリース案 怒りと悲しみの克服法
 ●SNSでバズった! さて、広報が取るべき行動とは
 ●読まれるのは10通 プレスリリース受難の時代
 ●広報やPR会社の「丸ごと提案」企画がなぜ駄目なのか
 ●厄介な無理筋ネタの売り込み 空気読まないのもスキル
 ●プレスリリースの「日本初」 何がいけない?
 ●記者からの第一印象を甘く見るな

第5章 天国と地獄が交錯するプレス発表会
 ●ウォークマン対iPod 発表日が重なった日、広報は?
 ●アップル広報はウォークマン発表をこう見ていた
 ●記者との真剣勝負、質疑応答こそ広報の腕の見せどころ
 ●発表会に誰を呼ぶか 「記者リスト」更新の裏で何が?
 ●派手な記者会見はマスコミからどう見えているのか
 ●タレントを呼んだ発表会の舞台裏で何が起きているか
 ●「日本人が殺到してくるぞ!」 海外発表会での常識
 ●華々しい企業同士の共同発表、その裏で泣く広報
 ●記者発表会での振る舞い やってはいけないワースト3

第6章 今だから言える企業広報の裏話
 ●「広報は華がある」は幻想 現実は泥くさく、気まずい
 ●外資系広報の実態 担当者を待ち受ける3つの地獄
 ●辛辣な言葉で傷だらけ 広報は多少厚かましい人がいい
 ●もう一回広報してよ 安易にてこ入れを頼む方たちへ
 ●安請け合いしたKPIが未達 海外で追い込まれた話
 ●マイケル・ジャクソンに泣かされた「新型iPhone」
 ●「厚さ1.5ミリ」のPCで大騒ぎ 訂正リリースの悲哀
 ●外資系ならではの悲哀 「KPI未達」となる日本の記事

(ほか、全83エピソード)

【著者について】

鈴木 正義(すずき まさよし)氏
アドビ株式会社 執行役員 広報本部長
ホンダランド(現ホンダモビリティランド)、古舘プロジェクト、メンター・グラフィックス(現シーメンスEDA)などを経て、2004年よりアップルにて本格的に広報専門職のキャリアをスタート。Final Cut ProやiPhoneの広報を担当。11年からはNECパーソナルコンピュータとレノボ・ジャパン広報。22年9月からアドビ執行役員 広報本部長。社会人ラグビーチームクリーンファイターズ山梨でも広報を担当。日経クロストレンドで「風雲! 広報の日常と非日常」を連載中。著書に『もし幕末に広報がいたら「大政奉還」のプレスリリース書いてみた』(日経BP)がある

遠藤 眞代(えんどう まさよ)氏
Doen株式会社 代表取締役
1993年ソニー(現ソニーグループ)入社、商品企画・渉外を経験した後、一貫して広報業務に従事。2013年フリーランスの広報パーソンとして独立。18年Doen株式会社設立、広報業務の受託や広報コンサルティング、広報研修等を、大企業からスタートアップ企業まで幅広く対応中。日本外国人特派員協会会員。日経クロストレンドで「風雲! 広報の日常と非日常」を連載中
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