「今の会社に居続けてよいのか」「今の仕事を続けていてよいのか」──。こんな疑問を抱くビジネスパーソンは多いはず。そういう人は、自分のキャリア形成のために、「転職」することを真剣に考えるべきだ。新刊『転職思考で生き抜く』には、ヘッドハンターとして長く活躍する渡辺紀子氏が、「この人のキャリアは面白い。自分のキャリア形成を意識し始めた人にとって役に立つ」と考えて選んだ12人のビジネスパーソンの実像を、インタビュー形式で分かりやすく収めた。転職をてこにキャリア形成してきた彼ら彼女らは、どんなふうに仕事を手がけ、いつ転職を決断し、どんなポイントで転職先を選び、なぜ充実したキャリアを築けているのか──。“異能のキャリア”を築くための手がかりがここにある。

『転職思考で生き抜く 異能の挑戦者に学ぶ12のヒント』(日経BP)
『転職思考で生き抜く 異能の挑戦者に学ぶ12のヒント』(日経BP)

 かつては転職といえば、自分から転職先を探すのが当たり前だった。しかし、2022年の今は情勢が異なる。頻繁に流れる「リクルートダイレクトスカウト」や「ビズリーチ」のテレビコマーシャルに見られるように、転職支援会社に自分の経歴や希望を登録するだけで、企業からスカウトがやってくる時代になりつつある。ビジネスパーソンにとって、キャリア形成を考えるうえで、転職を検討しやすくなったといえる。

 新刊『転職思考で生き抜く 異能の挑戦者に学ぶ12のヒントでは、そんな転職を契機に自身のキャリアを高めてきた、ちょっと変わった”異能”のビジネスパーソン12人を取り上げる。そしてジャーナリストである著者、鈴木隆祐氏のインタビューを通して、その仕事の進め方や考え方に迫る。

 例えば、USEN-NEXT HOLDINGS取締役兼U-POWER社長の高橋信太郎氏。リクルートからスタートし、転職を重ねてステップアップしてきた。その際、仕事のやりがいや自分のやりたい仕事への希望、バレリーナを目指す娘を育てる父としての責任といったさまざまな要素のバランスを、人生の段階を踏むごとに見極めながら、キャリアを形成してきたことが分かる。それぞれのパート(章)からは、どうすれば輝かしいキャリアを築き、組織の成長に貢献し、自らの人生を豊かにしていけるのか、というヒントが得られるはずだ。

ロッテホールディングス社長の玉塚元一氏(左)と渡辺紀子氏(右)
ロッテホールディングス社長の玉塚元一氏(左)と渡辺紀子氏(右)

 加えて、ロッテホールディングス(東京・新宿)社長の玉塚元一氏、『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』など多くのビジネス書の訳出で著名な翻訳家の関美和氏と、ヘッドハンター渡辺紀子との対談も収めた。転職を重ねることでキャリアを形成しながら、今は経営者として採用する側に回っている玉塚氏と、同じく転職を重ねて翻訳家として成功しながら、さらに新たなことに挑戦する関氏のそれぞれのキャリア観は、自身のキャリア形成に悩むビジネスパーソンには大きなヒントになるだろう。

 併せて、ヘッドハンターとしての渡辺紀子氏の日ごろの仕事ぶりも、そのエッセンスを分かりやすくまとめてドラマ化して収めた。人材をスカウトする側である渡辺紀子氏の人物観察のポイントなども、これからキャリア形成を考えるビジネスパーソンにとって、大いに参考になるはずだ。

【書籍の予約はこちら】

書名:『転職思考で生き抜く 異能の挑戦者に学ぶ12のヒント』(日経BP)
著者:鈴木 隆祐
監修:渡辺 紀子
定価:1600円(税別)
発売日:2022年6月27日
Amazonで購入する

【目次】

●はじめに

●プロローグ なぜ今、転職思考が求められるのか

●1章
中国とのビジネスの可能性に挑み続ける、東大卒元商社マンが構築する「新たな日中関係」
北京国能環科環保科技公司 元海外主管 佐野史明氏

●2章
ソフトバンクで、RIZAPで、経営者を支え続ける“軍師”
RIZAPグループ 取締役 鎌谷賢之氏

●3章
娘の誕生を契機に外資系証券からスタートアップへ転じた仕事の虫
ユニファ取締役CFO(最高財務責任者) 星 直人氏

●4章
介護や教育…発想がクロスオーバーするパラレルキャリアの推進者
東京電力ベンチャーズ チーフイノベーションオフィサー 伊能美和子氏

●対談
カリスマの下で働くということ
ロッテホールディングス社長 玉塚元一氏
×ハイドリック&ストラグルズ ジャパン パートナー 渡辺紀子氏

●5章
やりがいと父の責任を力にキャリアアップを重ねた洒脱な経営者
USEN-NEXT HOLDINGS取締役兼U-POWER代表取締役社長 高橋信太郎氏

●6章
ローソンバイトから経営者に 現場で頭を使って問いと答えを探す
Nice Eze社長 松浦 学氏

●7章
学歴コンプレックスをバネにHP、BOSE、「ルンバ」日本法人社長へ
アイロボットジャパン代表執行役員社長 アイロボット・コーポレーション副社長アジア太平洋地域統括 挽野元氏

●8章
人材を健全な環境下で幸せに働かせるプロ経営者への道をまい進
ヤンマーホールディングス取締役CSO(最高戦略責任者) 長田志織氏

●対談
たまたま得られた“幸運”を大切にしてきた
翻訳家・「MPower Partners Fund(エムパワー・パートナーズ・ファンド)」ゼネラル・パートナー 関 美和氏×ハイドリック&ストラグルズ ジャパン パートナー 渡辺紀子氏

●9章
DeNA China社長からスマニューCSOに「国境を薄くする」37歳
スマートニュース取締役CSO(最高戦略責任者) 任 宜氏

●10章
仕事の幅を広げたくてADKへ言葉をデータ化するプランナー
ADKマーケティング・ソリューションズ バーティカル・プランニング・ディレクター 平井孝昌氏

●11章
無名の成長企業を選び、M&Aや経営管理に辣腕を振るう経営者
電材グループ グループCFO(最高財務責任者) 矢﨑達人氏

●12章
アップリカ、カジタク、UCCと渡り歩いた“愛され”リーダー
UCCホールディングス(HD)執行役員CSO、UCC上島珈琲取締役副社長 里見 陵氏

●13章
ビジネスパーソンの転職を支え、キャリア形成を助けるエグゼクティブ・サーチとは?

●あとがき

【著者・監修者について】

鈴木 隆祐(すずき りゅうすけ)氏
ジャーナリスト・エディター
鈴木隆祐氏

1966年長野県に生まれ、東京で育つ。法政大学文学部在学中より、出版社で雑誌編集に従事した後、フリーに転ずる。教育やビジネス分野に造詣が深く、著名な起業家との共著も多い。また、食べ歩きを密(ひそ)かなライフワークとする。『名門高校人脈』(光文社新書)、『全国創業者列伝』(双葉新書)、『東京B級グルメ放浪記』(光文社知恵の森文庫)、『リーダーになる勇気』(共著・日本実業出版社)、『コピーライターほぼ全史』(日本経済新聞出版)、『カヅラカタ歌劇団の奇跡』(駒草出版)など著書多数

渡辺 紀子(わたなべ のりこ)氏
ハイドリック&ストラグルズ ジャパン 合同会社 パートナー
渡辺紀子氏

東京大学中国文学科を卒業後、豊田通商にてキャリアをスタート。食品業界を中心にセールス&マーケティング業務を行う。女性初の駐在員として中国・北京に5年間派遣され、中国企業との合弁会社2社の立ち上げ、経営に関与。その後縄文アソシエイツ(東京・港)入社。日系企業をクライアントとして、さまざまな業界のヘッドハンティングに従事。現在、ハイドリック&ストラグルズの東京オフィスにて、パートナーとして日系企業を担当。大手企業から成長企業、中堅オーナー企業、ベンチャーまでを幅広くカバー。またジャパンデスクとして、あらゆる産業界の案件をこなす。

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