売ることを主目的とせず、AI(人工知能)カメラで取得した定量データや、販売員が得た定性データを出展企業に還元する「売らない店」。小売業各社がこの新しいモデルに熱い視線を注ぐ理由とは? b8taと高島屋のキーパーソンが「売らない店」の勝ち筋やマーケ活用、小売りの未来について議論します。(※本講演は、日経クロストレンドFORUM2022との特別連動企画です)

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 2022年7月20日(水)と21日(木)に開催予定の「日経クロストレンドFORUM 2022」では、ニューノーマルな時代を独自の戦略で生き抜く企業の「勝利の方程式」に迫る。今回は、「日経クロストレンドFORUM 2022」の開催に先駆けて、注目企業の戦略を紹介。取り上げるのは、「売らない店」のパイオニアであるb8taと、22年4月に「Meetz STORE(ミーツストア)」1号店をオープンし注目を集める高島屋だ。

参入相次ぐ「売らない店」

 日経クロストレンドは、22年4月、「売らない店舗」は売れるのか? という特集を掲載した。国内で展開する主要な「売らない店」を比較し、どの店舗であれば成果が出るか? という内容だ。

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 20年8月、米国発のb8taが日本に上陸し、ベータ・ジャパン(東京・千代田)が東京・新宿、有楽町に2店舗同時オープンすると、b8taが提唱する「売ることを主目的としない」という新しいビジネスモデルに注目が集まった。従来の小売店は「商品を売ること」で成り立つ商売だったが、その概念を大きく覆したからだ。

 代わりに、AI(人工知能)カメラで取得した定量データや、販売員が来店客との対話から得た定性データを出展企業に還元し、これをサブスクリプションモデルで展開する。「商品を売ること」以外の価値を出展企業に販売するというb8taのビジネスモデルは日本中の小売業に衝撃を与えるとともに、その後、このモデルに活路を見出した小売業各社の参入が相次いだ。

 しかし、「売らない店」のビジネスモデルを取り入れるだけでは、成功が約束されるわけではない。実際b8taは22年に入り、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による来店者の激減などを理由に、米国で展開していた全店舗を閉鎖した。ベータ・ジャパンは、日本国内向け事業における商標権およびソフトウエアのライセンスを取得し、独立している。

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 一方で国内事業は、22年4月、東京以外では初となる4店舗目を埼玉県越谷市の商業施設「イオンレイクタウンkaze」にオープンするなど、堅調に事業を拡大している。米国と国内での違いはどこにあるのか? そこには日本上陸時からベータ・ジャパンに参画し、代表を務める北川卓司氏が力を入れてきた、展示商品の構成や出展料金モデルなど、日本独自の展開がある。

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高島屋が手がける「売らない店」とは?

 百貨店も続々と「売らない店」に参入しているのは、興味深い動きと言えるだろう。大丸松坂屋百貨店は21年10月、大手百貨店で初となる売らない店「明日見世(あすみせ)」を開始した。また22年4月には、高島屋が売らない店「Meetz STORE(ミーツストア)」1号店を新宿高島屋(東京・渋谷)にオープン。

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 ソーシャルギフトに対応し住所を知らない相手にも商品を送れるようにする、店頭に在庫を置かず購入やラッピングの手配はECサイト経由で行うなど、ギフトに強みを持つ店舗としてさまざまなチャレンジを行っている。

 また、遠方在住の客などに向けたオンライン接客も開始した。当面は新宿高島屋から日本語での接客対応を行うが、将来的には海外にもオンライン接客拠点を持ち現地スタッフに商品を送るなどして、海外での英語や中国語による接客のリモート対応も検討するという。

 売らない店のパイオニアであるb8taと、今後国内外あわせて10店舗の出店計画を進める高島屋。両社は、競争激しい「売らない店」市場で、どのように生き残りを賭けて事業を拡大していくのか。キーパーソン2人が激論を交わす。

 ※本講演は、有料会員以外でも無料でご参加いただけます。日経クロストレンドへの会員登録(無料)が必要です。受付人数に限りがございますので、ぜひお早めにお申し込みください!(今回のクロストレンド・カレッジは、日経クロストレンドFORUM2022との連動企画のため、講演後の「勉強会」は開催いたしません。ご了承ください)

【講演】
「売らない店」は定着するか? b8ta、高島屋が激論

【概要】
 売ることを主目的とせず、AIカメラで取得した定量データや、販売員が得た定性データを出展企業に還元する「売らない店」。小売業各社はなぜこの新しいモデルに熱い視線を注ぐのでしょうか? b8taと高島屋のキーパーソンが「売らない店」の勝ち筋やマーケ活用、小売りの未来について議論します。(※講演配信時にご質問を受け付ける予定です。本講演は事前収録となるため、回答は後日、イベントリポート内にてお届けいたします)

北川 卓司氏
ベータ・ジャパン 代表取締役社長
2005年に独立系PR会社に入社、その後外資系IRコンサルティング会社、ウィーンに本社を構えるロモグラフィー日本支社CEO(最高経営責任者)を経て、フランスEMLYON経営大学院でMBA(経営学修士)を取得。2015年、ダイソン世界初の旗艦店「Dyson Demo表参道」のオープンに携わる。その後、ダイソンの東京統括部長を歴任。2019年末よりb8ta Japanに参画。

川口 貴明氏
タカシマヤトランスコスモスインターナショナルコマース
マネージングダイレクター兼CEO(最高経営責任者)

1969年生まれ。1992年髙島屋入社、京都髙島屋の婦人服売り場に配属後、イタリア・ミラノ駐在員として現地ブランドとの商品開発や買い付け、契約などに約10年間従事。帰国後は婦人服やラグジュアリーブランドのバイヤー、百貨店店舗のマネジメントに携わったのち、2015年タカシマヤトランスコスモスインターナショナルコマース(TTIC、シンガポール)に出向。2021年8月マネージングダイレクター兼CEOに就任。

【受講する場合の注意事項】
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(3)セミナーの録画、キャプチャーは禁止です。SNSなどで発見した場合は削除を要求する場合があります。
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(5)視聴に関わる技術サポートは提供しておりません。
(6)異常と思われる接続を見つけた場合、予告なく切断することがあります。

【開催概要】

名称:日経クロストレンド・カレッジ【オンラインセミナー】
日時:2022年7月20日(水)14:30~15:10
会場:オンライン開催
価格:無料で受講いただけます

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