米グーグルによるWebブラウザー「Chrome」のサード・パーティー・クッキーのサポート終了の発表は、脱クッキー時代幕開けに向けて業界を大きく動かしています。広告主の企業はどう備えるべきか。アタラ(横浜市)のマネージャー/コンサルタントの高瀬優氏と、チーターデジタル(東京・港)副社長兼CMO(最高マーケティング責任者)の加藤希尊氏が、その対策を解説します。
米グーグルは、2022年初頭と予定していたWebブラウザー「Chrome」のサード・パーティー・クッキー廃止を、23年後半までに延期すると発表した。これまでのデジタルマーケティングのあり方を一変させる急激な変化に反発するデジタル広告業界の声を受けて、猶予が生まれたことになる。それでも、利用者のプライバシー強化に向けた世界の流れはもはや止まらない。Web上のマーケティングに関わるあらゆる企業が、「脱クッキー」時代に備えて準備を進めていく必要がある。
顧客に自社サイトでIDを登録してもらうことで集約するファースト・パーティー・データの活用が進み、グーグルや米フェイスブックなどITの巨人を巻き込み、膨大なユーザー数を基盤とするプラットフォーマーの、脱クッキー後のネット広告市場を狙う競争が加速するだろう。一方で、ニューズレター配信やアンケート結果などの対価と引き換えに消費者が積極的に提供するゼロ・パーティー・データの活用も進む。
こうした広告業界の動きをいかに読み取り、新たな広告配信技術とどのように付き合っていくべきか。本誌連載「脱クッキー時代 広告主ができる傾向と対策」を執筆するアタラの高瀬 優氏が今知っておくべき業界と技術の動向を分かりやすく解説。チーターデジタルの加藤希尊氏は、今後のデジタルマーケティングに必須となる自社データ活用の基礎知識を説明する。
【プログラム】
15:00~15:45
【講演1】
プライバシーの強化に向けたサード・パーティー・クッキー廃止が進めば、従来のデジタルマーケティングの常識はもはや通用しなくなる。「FLoC(フェデレーテッド・ラーニング・オブ・コホート)」「Unified ID2.0」といった広告配信の代替技術のほか、ファースト・パーティー・データを活用した効果計測の新たな手法も広がっていく。連載の内容をさらに一歩進め、来るべき脱クッキー時代に正しく備えるための処方箋をお伝えする。
アタラ マネージャー/コンサルタント

国際基督教大学卒業後、総合電機メーカーで自社製品の法人営業ならびに販売推進業務に従事。アタラ合同会社に参画後は、BtoB(企業向け)、BtoC(消費者向け)を問わず、国内、グローバルに事業を展開する広告主の運用型広告全般のコンサルティング・オペレーションを手掛ける。また、定期的に海外カンファレンスへ参加し、業界動向に関する記事執筆やイベント登壇をしている。登壇イベントにMarkeZine Day 2018 Spring、著書に『海外カンファレンスの歩き方』(MarkeZine Digital First)がある。
15:50~16:35
【講演2】
ゼロ・パーティー・データ活用法~脱クッキー時代におけるデータの入り口と出口戦略
3分の2の消費者がクッキーを活用した追跡広告を好ましくないと答える一方で、サービスの向上と引き換えに、自身のデータ提供に抵抗がない消費者は50%に上る(注)。事実をひもとくと、ブランドにはクッキー広告の代替ではなく、真に消費者の体験をより良いものにするコミュニケーションが求められている。本セッションでは、顧客体験の入り口となるデータ取得 (ゼロ・パーティー・データ) を正しく理解し、その出口となる顧客ロイヤル化につながるコミュニケーションのあり方を国内外の事例を通じて考察していく。
チーターデジタル副社長兼CMO(最高マーケティング責任者)

広告代理店と広告主、B2CとB2B両方の経験を持つプロフェッショナルマーケター。外資系広告代理店(WPPグループ)に12年勤務し、2012年よりセールスフォース・ドットコムに参画。マーケティングオートメーションをはじめとした10以上のSaaSマーケティング製品の日本上陸を手がけ、AIやクラウドを活用したカスタマージャーニーの実現を啓蒙する。また、国内100社のブランドが参加するマーケティング責任者のネットワーク「CMO X」を創設し運営。著書にその成果をまとめた『はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ』(翔泳社)と、『The Customer Journey「選ばれるブランド」になるマーケティングの新技法を大解説』(宣伝会議)がある。
16:40~17:00
【Q&A】
高瀬氏と加藤氏に加え、編集部を交えて質疑応答
【開催概要】
名称:日経クロストレンド・カレッジ【オンラインセミナー】
日時:2021年11月17日(水)15:00~17:00
価格:5000円(税込み)

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