エステーの名物宣伝部長として数々のヒットCMを生み出してきた鹿毛康司氏(現かげこうじ事務所の代表取締役)。鹿毛氏が、実務で実践してきた顧客の「心」、すなわちインサイトの発見法や、「心」に寄り添ったコミュニケーションを実現するためのノウハウを余すことなく公開した書籍『「心」が分かるとモノが売れる』(鹿毛康司 著)を発行します。既存のマーケティング手法と理論を超えた、マーケターのための実務書です。

 人間の嗜好や行動は5%の顕在意識と、95%の潜在意識によって成り立っているといわれます。潜在意識、つまり無意識化で人は消費行動を起こしています。ですから、商品を買った理由の大半を自分でも説明できません。

『「心」が分かるとモノが売れる』
●定価:本体1,870円(税込み) ●体裁:四六判・228ページ ●発行:日経BP

 消費者も自覚していない潜在意識を鹿毛氏は「心」と表現します。心は、マーケティングの世界では「インサイト」と呼ばれます。インサイトの発見は、売れる商品の開発や、効果の高いマーケティングコミュニケーションを実現するうえで欠かせません。ですが、自分でも説明できない顧客の心を、アンケートやインタビューで理解できるのでしょうか。

 鹿毛氏はこれに異を唱えます。既に確立された「4P理論」「STP分析」といったマーケティングのフレームワークでは、人の心にはたどり着けないと言い切ります。

 では、どうすればインサイトを発見できるのでしょうか。答えは「自分の心」を使うことです。鹿毛氏は長年の実務で得た経験から、「お客様は心を教えてくれない。だったら自分の心を使えばいい」という結論に至りました。まず自分の心に尋ね、それを手掛かりに顧客を動かす「心のツボ」を探るのです。

 そのためには、自分の心と対話できるスキルが必要になります。なぜ、自分はその商品を購入したのか。購入に至るまでの行動や考えを見つめなおし、言語化して、説明できるようになるスキルです。こうしたスキルを持つことで「一流の消費者」になることが、一流のマーケターになる第一歩です。

 本書では顧客の「心」が消費に与える影響の大きさ、「心」に訴えかけて成功したマーケティングの実例を通した「心」と「売れる」の解明、一流のマーケターになるための具体的な思考トレーニングの方法などを紹介しています。

 マーケターだけでなく、営業、販売など人に関わるビジネスパーソンにとって、仕事を成功に導くヒントが満載の一冊です。

【本書のポイント】

  • ★マーケター、広告、広報、商品開発担当が明日から実践できるインサイト発見法
  • ★筆者がこれまで手掛けてきたエステー、ベスト個別学院などの成功例を基に要因を解説
  • ★一流マーケター必須スキル、「一流の消費者」になるための3つのステップを初公開
  • ★今日から実践できる、インサイトを発見するための思考トレーニングを提案
  • ★筆者の心の師、糸井重里氏との対談を収録。糸井流インサイト発見法とは。

【Contents】

はじめに

第1章 マーケティングとは「心」である
 マーケティングを超える
 マーケティングの出発点「4P理論」「STP分析」
 心の奥深くにある「何か」―インサイトが人を動かす
 人は論理ではなく、「心」で動く
 理屈を重ねても、インサイトにはたどり着かない
 マーケティングとは「お客様に向き合い、喜びを提供すること」である

第2章 未曾有の危機を乗り切る「心」のマーケティング
 ビッグデータを超える
 コロナ禍の学習塾が前年比1.5倍の入塾者を獲得できた理由
 子供の「心のツボ」は、子供時代の自分が知っている
 二度目のV字回復を生んだメッセージは「一緒に計画たてよう」
 人の心は大昔から変わらない
 コロナ禍のCM作りで「除菌」を訴求しなかった理由
 有事のときほど、お客様の「心」は変化する

第3章 マーケティング調査のバイアスが本当の「心」を隠す
 マーケティング調査を超える
 回答者の思い込みがもたらす「バイアス」の罠
 質問が変われば、答えも変わる
 「状況」が思わぬバイアスを生むこともある
 デプスインタビューをすれば、相手が「インサイト」を答えてくれるという誤解

第4章 自分の「心」に潜り、一流の消費者を目指そう
 人の行動の95%は無意識に支配されている
 ステップ1 行動を見つめる「眼力」を鍛える
 ステップ2 自分の「感情」「意識」に潜む心を見つける
 ステップ3 心のフタを開ける力をつける
 心のパンツを脱ぐことでお客様の心が見えてくる

第5章 モノは「機能」だけではなく、「心」で買われる
 「自分視点」からの脱却が心を理解する第一歩
 消臭プラグが「小さいけど部屋一面消臭」でブレイクした理由
 なぜ人は「防虫剤」を買うのか
 同じ防虫剤でも「衣類」と「米」では意味が変わる
 「女子高生ってどんな人?」で分かる思考停止の実態
 お客様の「心」が分からないなら、あらゆる手段を使う

第6章 企業にも「心」がある
 前職の「事件」がマーケターとしての大きな転換点
 商品や企業は「主役」ではない
 一社員としての人格と、組織としての人格
 震災直後のCMが公共広告で占められた理由
 心に深く潜り、自分と対話を重ねる
 震災から5日後の決断
 ミゲルの消臭力CMは破天荒なアイデアではなく「覚悟」の産物だった
 企業理念は「思い」を共有するための大切な指針
 サンフレッチェ広島・仙田社長の手紙

第7章 「心」でお客様と会話するクリエイティブ
 クリエイティブの力は広告予算をはるかに超えた成果をもたらす
 クリエイティブとはマーケティング戦略を具現化するツール
 マーケターがクリエイターと仕事をするうえで知っておきたい「じくあし」
 クリエイティブでマーケターが果たすべき役割
 最終判断で陥りがちな罠
 お客様1人に対して広告を届ける費用はテレビの方が安上がり
 お客様の心に沿って炎上を防ぐ
 炎上は想像力の欠如によって引き起こされる

第8章 絆を紡ぐ「心」のコミュニケーション
 「縦の時代」の終焉
 お客様との絆を生み出すSNSとラジオの共通点
 SNS誕生前から始めた絆づくり
 ツイッター発で生まれた西川貴教さんとの絆
 “フォロワーさん”がエステー宣伝部員になった
 新たな絆づくりの特命宣伝部発足
 オンラインとオフラインの融合
 心の絆がSNSの拡散を生む
 お客様と普通に会話できる喜び

【巻末収録】糸井重里氏 特別対談
 糸井重里さんのこと
 ヒットを生む、心の中の「大衆」

おわりに

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