新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、これまでの社会とのかかわり方が激変、日本でも急速にテレワークが定着した。在宅勤務などリモートによる仕事を経験したことで、業務効率を高めるワークスタイル、オンラインコミュニケーションに欠かせないデバイスとして、改めてPC需要が高まっている。リモートワークのためのモバイル環境を支えているのが、手軽にネットワーク接続でき、業務に十分な性能を発揮するノートPC。実際、在宅勤務の急増でノートPCの販売台数は増加しているという。「PCをモバイル環境で活用する」、この働き方を提唱し、支えてきたのがインテル。ここでは、インテルと同社製品を採用するPCメーカーなどの取り組みを紹介する。

協力:インテル

新型コロナで再認識された“インテル入ってる”の安心感

 世界トップの半導体メーカーとして長きにわたり業界をリードし、画期的な製品群を次々に生み出してきたインテル。世界初のCPU「4004」をリリースしたのが、今から49年前の1971年のこと。PC普及期の1990年代には「インテル入ってる」のキャッチコピーで、消費者にも“CPUと言えばインテル”のイメージを強く植え付けた。

 2003年には爆発的なインターネットの浸透に伴い、CPUとチップセット、無線LANモジュールを組み合わせたノートPC向けプラットフォーム「Centrino」(セントリーノ)を発表した。2011年には高性能モバイルノートの標準仕様として「Ultrabook」(ウルトラブック)を提唱し、そこで示した薄型軽量・長時間バッテリーの流れは以降も脈々と受け継がれている。

 2019年に発表した「Project Athena」(プロジェクト・アテネ)はその系譜を拡張した、次世代のノートPCを定義する最新プラットフォームである。Project Athenaの規格に則ったノートPCはハードウエアの要件に加え、瞬時の起動、優れた応答性、9時間以上のWebブラウジングといった体験指標を重視。2019年から第 10 世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリーを搭載して販売されており、“サクサクの体感”が味わえる。テレワークの必要性に迫られ数年ぶりにノートPCを購入し、その進化に驚いた人もいるに違いない。

 今後の有望市場としては教育向けPCとゲーミングPCが挙げられる。1つめの教育分野に関しては、政府が全国の小中学生に1人1台の教育用端末を支給する「GIGAスクール構想」が当初予定より前倒しとなり、2020年度内に端末整備を完了する方針となった。インテルではGIGAスクール構想に加え、高校でのBYOD(Bring Your Own Device)推進として、個人所有PCの教育利用もサポート。オンライン教育推進や教員のスキルアップ研修開発、データを活用した次世代教育ソリューションも展開する。

 GIGAスクール構想を加速させた要因は今回のコロナ禍である。児童・生徒・学生がしっかりした事前準備なしにオンライン学習を余儀なくされたためだ。家庭にある端末はスマホ、タブレット、あるいはサポートの切れた Windows 7 PCもあり多種多様で、「どれを使ったら正解なのか分からない」という環境にストレスを感じた子どもたちも多かったことだろう。

 いつも以上に集中力を要する自宅学習時に、快適に動作しないデバイスを使うのでは、さらに負担が増す。ウィズ・コロナ、ポスト・コロナがオンライン学習を前提にして進むとすれば、学びを快適に実現できるデジタル環境が大前提となる。その最初に整えるべき環境は、やはりノートPCだ。適切な画面サイズを備え、複数のアプリを使いながら、動画を見たりオンライン通話もできるからだ。インテルのパートナーは続々とGIGAスクール構想対応PCを発表しており、各学校は用途に応じて豊富なデバイスから選ぶことができる。

 2つめのゲーミングPCはeスポーツの人気を背景に、ここ数年で飛躍的に市場が拡大した。高速な処理性能が必須なことからハイスペックなCPUが要求されるため、ここでもインテルは大きな存在感がある。第 10 世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリーではCPU内蔵のグラフィック機能が大幅に性能向上しており、ゲームユーザーにも歓迎された。

 残念ながら延期となったが、本来ならば2020年の東京オリンピックにあわせ、「Intel World Open」と題したeスポーツ大会をカプコンなどと協力して開催する予定だった。今後もゲームソフトメーカーとは協力体制を敷き、eスポーツの発展に寄与する予定だ。動画制作やデザイン作業に使うクリエイターPCも、ゲーミングPCと同様、高いスペックが必要となり、こちらも第 10 世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー搭載PCの活躍が期待できる。

 インテルが貢献してきたのは消費者マーケットにとどまらない。高性能・高耐久性を備えたインテル® Xeon® プロセッサーを供給し、今ではサーバー/データセンター向けの主力CPUとして全世界で利用されている。クラウドが当たり前になった世の中では、データセンターが止まれば社会生活が深刻なダメージを受ける。これだけプレッシャーのかかる状況でも安定稼働を担保し続けられるのは、長年のCPU製造で培った知見があるからだ。

根底にある“ものづくり精神”がパートナーとの関係を強固に

 CPUに限らずコンピューターに関する部品の多くを手掛けてきた実績が物語るように、インテルの根底には“ものづくり”の精神が宿る。創業時はメモリーメーカーとしてスタート。かつてはデスクトップPC用のマザーボード(電子回路基板)を提供し、自作PCユーザーからも高い評価を得た。そのほか、オーディオやビジュアル機能を統合したチップセット、フラッシュストレージのSSD、高速なWi-Fi 6対応モジュール、広帯域データ伝送規格のThunderbolt™ 3など幅広い分野の製品を開発、製造している。データセンター向けでは、独自に開発したインテル® Optane™ メモリーにより、メモリーとストレージの通信遅延ギャップを埋めることに成功した。

 こうしてインテルはCPUだけではなく、コンピューターそのものの進化を推進してきた。Project Athenaで具現化されているように、その進化はユーザーの実体験として感じられるものだ。すなわち、技術の進化=ユーザー体験の進化を提供するのがインテル製品の本質と言える。

 ユーザー体験の進化の追求は、パートナーシップの拡大へとつながった。歴史を重ねる中でインテルは数々のエコシステムを築き、パートナーとの結びつきを強化してきた。大手PCメーカーはもちろんのこと、周辺機器・サプライメーカー、ネットワーク機器メーカー、自作・カスタムPCメーカー、法人向けディストリビューター、OS・ソフトウエアメーカーほか、その輪は非常に広い。その強固なパートナーシップから生み出された成果が“PC+ソフトウエア+ソリューション”の形となってさらなる良質な実体験をもたらす。それはどのようなベンチマークデータよりも説得力を持っている。

 ユーザー体験の進化はこの先も続く。例えば先日発表したインテル® ハイブリッド・テクノロジーを搭載したインテル® Core™ プロセッサー。Lakefieldのコードネームで知られるこの新製品は、バックグラウンド処理を担うTremontコアと負荷の高い処理を担うSunny Coveコアを組み合わせ、「3D Foveros」と呼ばれる積層構造を採用した新型SoC(System on a Chip)で、高性能と超低消費電力を両立する。Lakefield採用モデルではさっそく超薄型ノートのサムスン製「Galaxy Book S」、折りたたみ有機EL採用ノートのレノボ製「ThinkPad X1 Fold」など、PCを再定義したかのような“尖った”デバイスが出てきた。

Lakefield搭載のロジックボード
Lakefield搭載のロジックボード

 一方で、インテルを取り巻く状況は厳しさを増している。ライバルの半導体メーカーとの競争が激しくなっているのは確かだが、歩みを止めることなくインテルは前を向いている。

 2020年6月にはAcerが次期インテル® Core™ プロセッサー(コードネームはTiger Lake)を搭載した14型のノートPC「Swift 5」をこの10月から発売することを発表した。Tiger Lakeは次世代GPU(Graphics Processing Unit)のXeアーキテクチャを内蔵し、さらにパワフルなビジュアル体験が楽しめる。このように、エコシステムの中でアイデアを共有しつつゼロから1を生み出す流れは止まらない。こうした連帯感があったからこそ、インテルはそれぞれの時代、それぞれの市場で技術革新を実現し、長い時間をかけてパートナーと一緒に“信頼と安心”を構築することができた。この関係性は、そう簡単に揺るぎそうもない。

協力:インテル

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