長引くコロナ禍や環境の変化により高まる、消費者の“リフレッシュニーズ”に応えるために、キリンビールは「キリン グリーンズフリー」を4月19日に新発売※1した。3種のホップをブレンドし、日本初の製法で、ビールに近い爽やかなおいしさを実現。ノンアルの可能性を模索するキリンビールが、「大人がリフレッシュしたい時に飲みたくなるもの」としてノンアルを進化させるために必要と考えた、従来のノンアルコール・ビールテイスト飲料のイメージを覆す※2おいしさの秘訣や、ノンアル市場拡大への意気込みを、同社マーケティング部のビール類カテゴリーマネージャー 鈴木郁真氏に聞いた。

協力:キリンビール

※ 麦やホップの香りの良さを引き出した、ノンアルコール・ビールテイスト飲料の製法として日本で初めて採用(特許6786699号)
※1 リニューアル新発売
※2 自社内比較

キリンから大人に新提案。せっかく飲むなら、本当に※3おいしいものを。

 ビール類の市場が縮小する中、12年連続で拡大し続けているのがノンアルコール市場だ。とくに2021年は前年比110%の大幅伸長を記録※4。伸長分の約6割をノンアルコール・ビールテイスト飲料が占めているという※5。その背景には、コロナ禍で高まる消費者の“リフレッシュニーズ”があると、キリンビール マーケティング部の鈴木郁真氏は説く。

 「在宅時間の増加や健康意識の向上により、日常の気分転換にお酒やビールだけでなく、ノンアルを選択するシーンが増えています。一方で、ノンアルコール・ビールテイスト飲料の飲用者は、ビール類飲用者と比較して小さくとどまっており、チャンスが大きい市場ともいえます。この好機を捉え、お客様の潜在的なニーズに応えていくことで、さらにカテゴリーを魅力化することができるのではないか。そう考えて開発したのが、まったく新しいノンアル、『キリン グリーンズフリー』です」

キリンビール株式会社 マーケティング本部 マーケティング部 ビール類カテゴリー戦略担当 カテゴリーマネージャー 鈴木 郁真 氏
キリンビール株式会社 マーケティング本部 マーケティング部 ビール類カテゴリー戦略担当 カテゴリーマネージャー 鈴木 郁真 氏

 開発にあたって、キリンビールは今の消費者の“本音”や“日常に求めるもの”を徹底調査。その結果、ビール類ユーザー700人の回答者のうち72.2%が「コロナ禍で日常生活でのちょっとしたストレスを発散する機会が少なくなった」、74.2%が「日常生活でのちょっとした我慢が増えている」と感じていることがわかった。

  「なかなか、以前のように外食や旅行で一気にリフレッシュする機会が少なくなっている今のお客様に、我々酒類メーカーができることはただ一つ。なんでもない日でも、飲むとちょっといい日だなと思えるような、おいしく、気持ちまで明るくなる飲み物をご提案していくことに他なりません。せっかく何か飲むなら、本当に※3おいしいものを楽しんでほしいですから」

 実際、調査では83.3%が「リフレッシュできる飲み物を日常に取り入れることは、ストレス解消になると思う」と回答する中、「日常の飲み物をよりリフレッシュできるものに変えたい」(83.7%)、「ノンアルコール・ビールテイスト飲料で気持ちがリフレッシュできたら嬉しい」(81.5%)という声も多かったという。

  「これらの結果を踏まえ、ノンアルを進化させ、日常の飲み物の選択肢の一つとして選んでいただけるような、新たなノンアルコール市場を開拓していくことが当社の使命であると考えました」

※3 当社商品にて
※4 アルコール0.00%商品のみ
※5 インテージSRI+ ノンアルビールテイスト+RTD+ワインの推計販売規模より

日本初の製法と3種のホップで、おいしさと品質の良さを実現

 ノンアルコール・ビールテイスト飲料は、もともとキリンビールが2009年に「キリン フリー」を発売し、初めて開拓したカテゴリーだ。当時は「飲酒運転を撲滅したい」という想いから商品を開発したこともあり、今もノンアルには、「(車の運転などで)お酒が飲めない時に飲む」というイメージを持つ人が多い。

 だが、今回キリンビールが狙うのは、これまでの“ビールの代替”としてではなく、誰もがもっと日常的に楽しめるノンアルコール・ビールテイスト飲料の「積極飲用市場」開拓であるという。

 「積極的に飲みたいと思ってもらうためには、本当に満足いただけるノンアルコール・ビールテイスト飲料が不可欠です。それには、何が足りないのか。その答えは、大人がビールに求める『おいしさ』と『品質の良さ』にあると確信し、ノンアルコール・ビールテイスト飲料のつくり方を一から見直しました」

 「おいしさ」と「品質の良さ」。この2つをノンアルで実現するために、キリンビールは持てるビール技術を結集させた、日本初の製法を採用した。その賜物である「キリン グリーンズフリー」は、そもそも成り立ちからして、従来のノンアルコール・ビールテイスト飲料とは一線を画す存在といえよう。

 「『キリン グリーンズフリー』の特長は、ノンアルコールでありながら、ビールの原料である麦やホップの魅力を最大限に引き出した点にあります。その技術革新は、麦汁をろ過する際の温度を低温にすることで雑味や渋みをなくす、『一番搾り』の製法からヒントを得ました。また、香りが揮発しにくい絶妙なタイミングでホップを投入する『ホップアロマ製法』は、『淡麗グリーンラベル』で培われたもの。こうした技術を総動員し、ビールに近い爽やかな味わいと、すっきりと清々しいおいしさにたどり着きました。さらに、甘味料は不使用です」

 キリンのビールづくりの技術を活かした日本初の製法が、麦とホップの素材の良さを生かしたビールに近い豊かな味わいを実現している。

 製法だけでなく、素材にもこだわった。「キリン グリーンズフリー」のみずみずしくフルーティーな香りを印象づけるホップには、ニュージーランド産の希少ホップ「ネルソンソーヴィン」を一部使用。これに、華やかな香りの「カスケードホップ」、苦みにきく「ビターホップ」を加えた3種のホップを絶妙にブレンドすることで、香り豊かで爽やかな味わいを実現している。

 「当社のノンアルコール商品で、希少ホップを含む3種のホップを使うのは、『キリン グリーンズフリー』が初めて。それだけおいしさにこだわり抜いたというわけです。構想開始から開発に3年半をかけ、試験醸造回数は300回、試作品の数は約1000品にも上りますが、その甲斐あって本当に満足できるノンアルコール・ビールテイスト飲料ができたと自負しています」

 「キリン グリーンズフリー」の実力は、お客様調査の評価にも表れている。とくに多かったのは、「おいしい。(ホップの)香りが強く感じられた」という意見だ。他にも、「これだったらアルコールいらないかなという感じで、満足感もあって良い感じ」「ホップが感じられて、今まで飲んだノンアルコール・ビールテイスト飲料の中でもビールに近い味がする。」「このおいしさと香りで、気持ちまで豊かになった」など、好意的なコメントがたくさん寄せられているという。

※ 麦やホップの香りの良さを引き出した、ノンアルコール・ビールテイスト飲料の製法として日本で初めて採用(特許6786699号)

飲む人を明るい気持ちにする味わいとパッケージ

 “大人のリフレッシュシーン”に提案するべく新発売※1された、「キリン グリーンズフリー」。その提案性は、鮮やかなエメラルドグリーンをキーカラーにした品質感のあるパッケージデザインからも伝わってくる。

 「爽やかさと品質の良さを表現しつつ、店頭で見かけた時にちょっと明るい気持ちになれるようなカラーリングにこだわりました。色だけでなく、堂々と聖獣ロゴやブランド名を配することで、おいしさへの自信と、キリンがこれで市場を牽引していくんだ、という意気込みを表明しています」

 渾身のデザインに、“ジャケ買い”を決める人も多そうだ。何気なく手に取った1本が、ビールともこれまでのノンアルとも違う、新しいおいしさとの出会いにつながる。それが積極飲用市場を広げる第一歩となっていくのだろう。

 「『キリン グリーンズフリー』の持ち味は、大人が“ビール気分を味わいたい”という最も大事なニーズにしっかりと応える『おいしさ』と『品質の良さ』。この商品には、ノンアルコール・ビールテイスト飲料をビールの代替とする消極的な飲用から、リフレッシュしたい時に好んで選ぶという積極的な飲み物に変えていく力があると信じています。かくいう私も、仕事がひと段落したあとは『キリン グリーンズフリー』を開けることが多く、毎日のちょっとした楽しみになっています。これもノンアルだからこそ味わえる、大人のリフレッシュ方法の一つ。みなさまも毎日の暮らしの中でちょっと特別な気持ちでリフレッシュしたい時は、ぜひ『キリン グリーンズフリー』をお試しください」

 人の気持ちを明るくし、生活を豊かにする役割は、本来ビールやお酒が担っていたものだ。それをノンアルコールでも実現しようとするところに、キリンビールの挑戦がある。「キリン グリーンズフリー」が拓く、ノンアルの新市場に期待したい。

※1 リニューアル新発売
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