マクロはミクロの積み重ね。試行錯誤が大きな成果に結実

 「一番搾り」の時流を読むセンスは、CMや缶のビジュアルにも表れています。

 CMでは、様々な性別や年代の好感度タレントが、思い思いの自由な時間でおいしそうに「一番搾り」を飲むシーンが印象的です。その姿は喜びや楽しさに満ちていて、「ビールのある風景って幸せなんだ」ということを端的に表現している。と同時に、どんな料理と合わせても飲みやすく飲み飽きないおいしさを訴求することにも成功しています。

複数の人気俳優を起用したCMも毎回好評だ。「一番搾り」のおいしさを、幸せ感たっぷりのシチュエーションと笑顔で表現

 これは「一番搾り」のパッケージにもいえることで、ゴールドの色味で高級感を、KIRINのロゴや聖獣麒麟のマークで王道感を訴求しつつも、裏には手描き風の文字を添えてぐっと親しみを感じさせてくるあたりは、本当に心憎い。このバランス感も絶妙ながら、それをリニューアルごとに少しずつ変化させて鮮度を保ち続けているところにも、ロングセラーの貫禄を感じます。

 そうして進化し続ける一方で、変わらないものもあります。その最たるものが、堂々と描かれた聖獣麒麟。私が会社に入ったばかりの頃、上司が飲んでいたビールにもそのマークは刻まれ、憧れのボスの象徴でもありました。気づけば聖獣とのつきあいも数十年となり、その歴史の重みを実感する一方で、ふと新鮮な感動を覚えることもあります。

 古いのに、新しい。伝統的でありながらも革新性を感じさせるこのマークは、今の「一番搾り」にこそふさわしく、パッケージに躍動するその存在感にはあらためて圧倒されます。これは一朝一夕に得ることのできない、キリンビールの歴史と文化の賜物。この価値あるシンボルが、おいしさへの信頼感につながっていることは間違いありません。

大きく配置された聖獣麒麟と、一番搾り麦汁のおいしさをアイコン化したしずくマークが印象的な「一番搾り」缶パッケージ。本物感と親しみやすさを両立させた好デザインだ
大きく配置された聖獣麒麟と、一番搾り麦汁のおいしさをアイコン化したしずくマークが印象的な「一番搾り」缶パッケージ。本物感と親しみやすさを両立させた好デザインだ

 直近2回のリニューアルでおいしさを徹底的に追求し、“飲みやすく飲み飽きない”味を実現したこと、消費者の「おいしい」に寄り添うCMや缶パッケージの展開。こうしたひとつひとつの要素や試行錯誤の積み重ねが、「一番搾り」の人気をより盤石なものとしています。これは、いつの時代も消費者が求めるおいしさを真摯に求め続けてきた、キリンビールの企業努力の成果といえるでしょう。

 日常に幸せな瞬間をもたらすそのおいしさで、「一番搾り」はこれからも愛され、選ばれるビールになると確信しています。

協力:キリンビール