なぜ2019年一番搾り缶は、過去8年で最高売上(※)を叩き出せたのか

 ビール不況をものともせず、2019年一番搾り缶は、過去8年で最高売上(※)を達成した。今年30周年を迎える、いわずと知れたロングセラー商品ですが、ここにきて驚くほどの好調ぶりを見せています。

 この強さは、どこから来るのか。

 これまで「一番搾り」を様々な視点から分析してきて感じるのは、キリンビールが貫く「お客様第一主義」の姿勢がより徹底されたということ。それが2017年の「一番搾り」リニューアルにも色濃く反映され、2019年のリニューアルではさらに「お客様の求めるおいしさ」につながった。その反響は、過去3年の売上カーブを見れば一目瞭然です。

業界のダウントレンドに打ち勝つ好調ぶりを見せる「一番搾り」。2017年、2019年の2回のリニューアルが功を奏し、2019年一番搾り缶は過去8年で最高売上(※)を達成した
業界のダウントレンドに打ち勝つ好調ぶりを見せる「一番搾り」。2017年、2019年の2回のリニューアルが功を奏し、2019年一番搾り缶は過去8年で最高売上(※)を達成した

 企業の都合ではない、消費者が本当においしいと感じるビールを届けるにはどうしたらいいか。この課題に組織全体で取り組み、「お客様を判断基準にする」という指標のもと実直にビールづくりに邁進した結果、「一番搾り」は真に多くの人に愛されるブランドへと成長したのだと思います。

 また、つくり方だけでなく、見せ方や売り方もうまい。ここ10年の消費トレンドを見ればわかるのですが、スペックの高さやプレミアム感をアピールすればそこそこヒットした時代は終わり、今はハイスペックであることは当たり前で、かつそれを気取らないスタイルこそが求められています。

 その点、「一番搾り」は、他の醸造家が聞いたら驚くほどの贅沢なつくり方をしているにもかかわらず、スタンダードビールと同じ価格で、ただおいしさだけをストレートに訴えている。だから消費者にも素直に伝わるし、飲んでみると本当においしくて、また飲みたくなる。

 おいしさへの揺るぎない自信をベースに、時代の空気感や消費者の気分に寄り添ったコミュニケーションを展開したことも、今の「一番搾り」をヒットに導いた一因といえるでしょう。


(※)2012年~19年一番搾り<缶>出荷実績において