東京ミッドタウンの開業以来毎年続く「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH」。10月18日から開催される今年の見どころを紹介します。
協力:東京ミッドタウンマネジメント
Tokyo Midtown DESIGN TOUCHの企画・プロデュースを担当している東京ミッドタウンマネジメント株式会社 タウンマネジメント部の酒井恭佑氏と藤谷菜未氏。お二人にDESIGN TOUCH開催の背景や思いを伺った。
CREATIVITYというムーブメントを起こしていきたい
Tokyo Midtown DESIGN TOUCHは東京ミッドタウンの開業以来毎年ずっと続けているイベントです。「デザインを五感で楽しむ」というのが一貫して変わらないコンセプトで、来場者にデザインを通じて新しい発見をしていただきたい、今までなかった新しい価値を感じていただきたい、という思いを込めています。テーマに関しては、社会的背景やデザインが置かれている状況を鑑みながら、毎年私たちが設定しています。
デザインの領域やデザインという言葉が意味するもの自体が、13年前に東京ミッドタウンが開業した頃とは変わってきています。当時はプロダクトデザインや建築などからスタートしましたが、そこからグラフィックに変わり、デザインの概念がサービスなどに広がっている流れがあり、2016年は「ひろがるデザイン」、2017年は「ふれる」をテーマにしました。
今年は「FUSION(融合)」をテーマに掲げています。今、社会が激変している中で、何か一つの領域だけをフィーチャーしていても、なかなか新しい価値は生まれません。人やモノを掛け合わせていく事で新しい価値が生まれるのではないか。そういった期待を込めて「FUSION(融合)」というテーマを設定しました。
ミッドタウン・ガーデン
主催=東京ミッドタウン クリエイター=SPREAD
ミッドタウン・ガーデン
主催=東京ミッドタウン 協力=株式会社ジャクエツ
ミッドタウン・ガーデン
主催=六本木未来会議 講師=三澤遥・中川周士
ミッドタウン・ガーデン
主催=東京ミッドタウン クリエイター=脇田玲 製作協力=博展
JAPAN VALUEを世界に発信し続ける街
東京ミッドタウンのコンセプトは、「JAPAN VALUEを世界に発信し続ける街」というものです。JAPAN VALUEは、「DIVERSITY」「HOSPITALITY」「ON THE GREEN」「CREATIVITY」の4つの要素で定義されています。その1つである「CREATIVITY」を喚起していく事で、街自体を創造的なものにしたいという思いのもと、このイベントを企画しています。
今年のメインコンテンツは「デザインの森」で、これは先ほどの「ON THE GREEN」に関係しています。東京ミッドタウンは緑をとても大切にしていて、ランドスケープデザインにも力を入れていますが、ここにある自然や庭園をデザインの力で一気にスイッチを切り替えるみたいに変換できるクリエイターは誰だろうと考えたときに、SPREADさんにたどり着きました。ミッドタウン・ガーデンのランドスケープ自体が緑を主体としたものなので、そういうところに色を加えると世の中や世界の見え方がどう変わっていくのかといった事を提案できればと考えています。
デザインイベントにおいて、単にクリエイターが作ったものだけを来場者がご覧になっても、普段の生活に密着しているわけではないので、自分自身から遠いものに感じられてしまうこともありえます。そこで、企業展示で普段接している製品が登場することで、概念的なデザインと日常を繋げてくれるハブのようなものになると考えています。マツダさんはもう8年展示していただいていますが、美しさとは何かということを車のデザインを通して考えるきっかけになります。ドコモさんも今年で3年目になりますが、お店で見かける携帯端末をただ展示するのではなく、ドコモのものづくりの精神を普段とは違う形でご紹介いただける場になっています。
芝生広場
主催=Audemars Piguet
アトリウム
主催=NTTドコモ
キャノピー・スクエア
主催=マツダ
このようなイベント以外にも、施設としては21_21 DESIGN SIGHTやサントリー美術館、デザインハブといった組織があるので、これらの力を総合的に合わせていって、「CREATIVITY」という大きなムーブメントを東京ミッドタウンから起こしていきたい、といった願いが根底にあります。
人の感覚のスイッチを押すきっかけになれば
今までメイン会場は芝生広場でしたが、今回はミッドタウン・ガーデンでインスタレーションを行うことになりました。ここは21_21 DESIGN SIGHTにつながる道でもあり、何か目的地に向かって通る方が多いので、「道」としての機能が強い場所です。今回お話をいただいてから、現地で観察してみると、たくさんの方がそこでゆったりと時間を過ごされていることが分かりました。お子さんを連れてのお散歩もそうですし、ペットを連れている方、ランチに行く方、ベンチに座ってお昼を食べている方も意外と多く、とても愛されている場所だという事が見えてきました。また、東京ミッドタウンのみなさんに話を聞いていると、ミッドタウン・ガーデンの「練られたランドスケープデザイン」といった側面も刺激になりました。
ここを通るいろいろな人たちにはそれぞれの生活があり、それぞれの感情や記憶など、もっと深い何かがあると感じました。ゆるやかな坂になっているミッドタウン・ガーデンには絶えず動き続けているイメージがあって、流動の積み重ねになっている場所なのだろう、と。それと同時に、場所の性質が今までの記憶を持ちつつもガラリと変わる何かを、と思い、渓谷というアイデアが浮かびました。私たちが普段取り組んでいる他のプロジェクトでも言えるのですが、目指していることは私たちの作品を通じて人の感覚を開くためのトリガーを引く事です。今回はインスタレーションにメッシュ素材を使うことになりました。風で動いた時に、メッシュとメッシュの間に隙間が見えてくるはずで、そうすると下の植物が見えて、影も見えてくるはずです。人によっては「下にこんな植物がある」と気付いたり、DESIGN TOUCHの終了後に「この場所をもう一度見たい」と記憶を辿ってもらえると、とても良いなと思います。
東京ミッドタウン・カンファレンス Room9 他
主催=東京ミッドタウン・デザイン部
10/18[金] ※公式サイトおよび展示会場にて発表
■授賞式
10/18[金] 16:30~17:30(予定)
プラザB1「意心帰」前 特設会場 ※一般の方の見学可能・ライブ配信あり
■作品展示
10/18[金]~11/10[日]
プラザB1
ガレリアB1「DEAN & DELUCA」前
主催=Salone in Roppongi 実行委員会
お問い合わせ:東京ミッドタウン・コールセンター TEL : 03-3475-3100
東京ミッドタウンホームページ
協力:東京ミッドタウンマネジメント