ほとんどの子どもがスマートデバイスを使っているが、それはあくまで情報を受け取ることが中心となっている。今後必要となってくる子どもの情報活用能力を高めるには、小さい頃からパソコンに慣れ親しませるのが望ましいと常葉大学 教育学部 専任講師の佐藤和紀さんは話す。子どもの能力を無限に広げる高性能パソコンの有用性と、低価格で高性能なマウスコンピューターのパソコン『m-Book X400HS』の魅力について聞いていく。
協力:インテル株式会社
鉛筆をパソコンに置き換えると、創造力が飛躍的に伸びる
「今の子どもは、小さい頃からスマートフォンやタブレット端末を使いこなしているので、動画を見たり、ゲームで遊んだりすることは普通にできます。ところが、そうしたスマートデバイスでは、興味を持ったテーマに関する内容を集めて、情報の編集やプログラミングによって、創造したり、表現したりすることは難しい。だからこそ、小さいうちからパソコンに慣れ親しませることが大切なのです」
小学校教員として子どもたちにパソコンを自由に使わせる授業を行い、その経験をもとに、現在は大学教員として小学校のICT活用の授業などを研究・指導する佐藤和紀さんはそう話す。
創造や表現は、“考える”ことから生まれる。動画やゲームを受け身で楽しむのではなく、「どうすれば楽しんでもらえるのか?」と作り手の立場であれこれ考えさせることが、さまざまな能力を高めるのだという。その力は、ビジネスや学問、芸術など、あらゆる分野で生きていき、子どもの将来の可能性は無限に広がっていくはずだ。
佐藤さんが小学校教員時代に行った授業では、「子どもたちに1人1~2台ずつパソコンを与えて、理科の授業で振り子の実験をシミュレーションで再現するだけでなく、図書館やインターネットで収集した情報をワープロソフトや表計算ソフトでまとめてプレゼンテーションをしたり、夏休みに撮ってきた動画を編集しビデオ絵日記を発表させたりするなど、いろいろな使い方を教えた」と言う。
「これらの授業では、今まで子どもたちが使ってきた道具を紙と鉛筆からパソコンに置き換えたにすぎません。しかしパソコンなら、プログラミングのように『できること』の範囲が大きく広がりますし、スマートフォンやタブレット端末よりも簡単に、大量の情報を集めることができるので、創造力や表現力が飛躍的に伸びるはずです」
しかし、佐藤さんが行ったICTを活用した授業は、残念ながら現在の小学校ではまだ少ない。そもそも授業用としてパソコンを導入している学校が少なく、せっかく導入しても、授業に積極活用しているケースは少ないという。
「経済協力開発機構(OECD)が2018年に行った『国際教員指導環境調査(※2)』によると、生徒にICTを活用させている中学校教員の割合は、参加している48カ国の平均51.3%に対し、日本は17.9%と明らかに低いのです。結果的に日本の子どもたちの情報活用能力は伸び悩んでおり、文部科学省が14年度に発表した『情報活用能力調査(※3)』によると、日本の小学生は1分間で平均5.9文字、中学生でも17.4文字しかキーボード入力ができません。鉛筆のように使いこなせるレベルまで高めるのが望ましいのですが、とても及ばない状況です」
子どもの情報活用能力の低さは、国際競争力の低下に結び付きかねない。当然、行政も新学習指導要領の実施を見据えて、「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(18~22年度)」を策定した。
「この計画に基づいて、文部科学省は22年度までに毎年1805億円の予算を投入する予定です。これによって、日本の学校におけるICT環境もかなり整備されるでしょう。しかも、これまではタブレット端末などを導入する学校が多かったのですが、新学習指導要領で小学校でのプログラミング教育が必修化されることによって、パソコンの導入が進むのではないかと期待しています」と佐藤さんは言う。
(※2)出典:「OECD国際教員指導環境調査(TALIS)2018報告書」(文部科学省:http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/data/Others/1349189.htm)より抜粋
(※3)出典:「情報活用能力調査結果(第4章 図表 4-5-2b)」(文部科学省:http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/
2015/03/24/1356189_04_1.pdf)より抜粋
せっかく与えるなら高性能のパソコンを
とはいえ、教育のICT化の動きに全く懸念がないわけではない。「学校のパソコン導入が進むことは望ましいのですが、子どもたちの能力の成長を妨げない高性能なパソコンを学校が選ぶかどうかが肝心です」と佐藤さんは心配する。
「実際に小学校教育でパソコンを使った経験から言うと、性能の低いパソコンは起動や動作が遅く、子どもたちの興味や集中力を削いでしまいます。特に、複雑なプログラミングや動画編集などの作業はパソコンに大きな負担をかけるので、より高度な創造や表現をしようとすればするほど、高性能なパソコンが求められるのです」
今後、学校に導入されるパソコンは、同じ地域の学校間や、他のICT機器との予算配分などから、性能が低めのものが採用される可能性もある。
「子どもの情報活用能力を高めるためには、学校教育だけに頼らず、家庭でもパソコンに慣れ親しませることが大切ではないでしょうか」と佐藤さんは話す。
とはいえ、一般に高性能なパソコンは価格も高額。そこで注目したいのが、マウスコンピューターの『m-Book X400HS』だ。
『m-Book X400HS』は、処理能力の速さの要となるCPUに最高レベルのインテル® Core™ i7プロセッサーを採用。このCPUを搭載しているパソコンは価格が高いものが多いが、『m-Book X400HS』は11万9800円(税別)とかなり手頃な価格になっている。
それでも“子ども用のパソコンとしては高すぎる”と感じる人もいるかもしれないが、「高性能なパソコンは処理能力が高いので、将来使うであろう創造性の高いソフトウエアにも対応できる可能性が高いと思います。子どもたちの能力を伸ばそうとすると、画像や動画の処理をはじめとするソフトウエアを使うことも多いので、処理能力の低いパソコンでは快適な操作は期待できません。また、子どもの能力の成長は驚くほど早いので、性能の低いパソコンを与えてしまうと、子どもが求める動作にパソコンが追い付かなくなって、結果的に成長を妨げてしまう恐れもあります。すでに自宅で使っているパソコンを子どもに与えるよりも、最新の高性能なパソコンを与えたほうが良いと思うのは、そういった理由があるからです」と佐藤さんは語る。
「軽い、薄い、頑丈」で学校にも持ち運びやすい
「他にも家庭で子どもに与えるパソコンは、キーボードや画面の大きさも考慮したほうがいいですね」と佐藤さんはアドバイスする。
「小さなキーボードを打つと猫背になりやすく、画面が小さいと、つい前かがみになるのでますます姿勢が悪くなります。画面に顔を近づけるので、目にも良くありません」
その点『m-Book X400HS』は、コンパクトボディながら大きめの14型ディスプレイを採用。文字や画像が大きく表示されるため、自然に画面との距離を保つことができる。キーボードもゆったりしており、日本語入力を前提としたキーボード設計になっているので子どもはもちろん、大人にも使いやすくなっている。
また『m-Book X400HS』は、薄さが約17.5mm、軽さが約1.13kgと、子どもでも持ち運びしやすい薄さ、軽さも実現。しかも、ボディの素材にはマグネシウム合金を採用しており、薄くても頑丈なパソコンに仕上がっているのだ。
「BYOD(Bring Your Own Device:私物端末の持ち込み)を認める学校が増えていますが、ただでさえ重く、教科書などがぎっしり詰まったランドセルやバッグにパソコンを入れて持ち運ぶのは大変です。軽くて、薄く、頑丈であれば願ってもないですね。また、狭い学校の机でパソコンを使う際、うっかり落としてしまうこともありますが、ボディが頑丈なら落としても壊れる心配は少ないと思います」
さらに「学校で使う場合、バッテリー駆動時間は長いほうが望ましい」と佐藤さんは語る。バッテリーが切れて何度も充電するとなると、その都度作業が途切れて効率が悪くなるだけでなく、子どもたちの集中力も削がれてしまう。
「学校で1日充電せずに使うとすれば、10時間以上はバッテリーが持つパソコンが理想ですね。その点、『m-Book X400HS』は約14.5時間駆動で、十分だと思います」
最後に佐藤さんは「子どもにパソコンを慣れ親しませるには、家庭内の環境を整えてあげることが大切です。性能の高いパソコンを買い与えるのは有効だと思いますし、せっかく買ったのなら親子で一緒に使ってみてはどうでしょうか? 親が導いてあげることで子どもの興味は格段に増すので、どんどん使いこなせるようになるはずです」とアドバイスした。

協力:インテル株式会社