個人顧客向けの自社サイトを刷新し、業務効率の改善を実現するとともに、最寄り店舗などをより検索されやすいものへと変えたJTB。その意思決定までに要した期間はわずか3カ月間、しかも予想以上の効果が出たという。その背景にはYext(イエクスト)の存在があった。

協力:Yext

情報量が豊富なだけでは顧客の手元に届かない

 国内最大手の旅行会社・JTBは、自社サイト内の店舗ページで個人の顧客を対象とした情報発信に力を入れてきた。全国のリテール約500店舗と法人支店、総合提携店がそれぞれ、キャンペーンなどのニュースやおすすめの旅行先などを発信し、ブログも持って運用を続けてきた。

 「ただし、同じような情報を各店舗が個別に入力するため、業務効率がいいとは言えません。また、日中はお客さま対応がメインになるため、営業時間外に情報発信をしている店舗があることも課題でした。さらには、そうした情報がお客さまに届きにくくなってきていることが、数値で明らかになりました」とJTB 個人事業本部 事業統括部で個人顧客に向けてWeb事業戦略を担当する岩渕英雄氏は当時の課題を説明する。

岩渕英雄(いわぶち・ひでお)。株式会社JTB 個人事業本部 事業統括部 推進担当マネージャー
岩渕英雄(いわぶち・ひでお)。株式会社JTB 個人事業本部 事業統括部 推進担当マネージャー

 店舗やコールセンターなど、営業全般を担当する長谷川浩子氏も、「店舗はお客さまに多くの情報を伝えるために一生懸命取り組んでいましたが、店舗ごとに言葉遣いや書式が異なり、統一感がないという課題もありました」と声をそろえる。

長谷川浩子(はせがわ・ひろこ)。株式会社JTB 個人事業本部 事業統括部 推進担当部長
長谷川浩子(はせがわ・ひろこ)。株式会社JTB 個人事業本部 事業統括部 推進担当部長

 そうした中、1つの出来事が起こる。外国人観光客が、Googleなどの地図アプリ(マップ)を頼りに店舗までやってきたのだ。マップに最新の店舗情報が正しく反映されていなかったため、その外国人観光客は、他に最寄り店舗があったにもかかわらず、大きな荷物を抱えてわざわざ遠い店舗まで足を運んだのだという。この出来事をきっかけに、検索エンジンやマップでの正しい情報発信、そして業務負荷を改善するため、店舗ページの見直しを進めることを決断した。

 パートナーにはYextを選んだ。

 「私たちが認識していた課題に対して、解決する手段やベストプラクティスを既に持っていたことがYextを選んだ一番の決め手です。さらに、店舗ページで最適な情報を提供できたとしても、Googleなど検索エンジンやマップでの検索結果は管理できないという私たち自身が気付いていなかった課題も、Yextのサービスを使えば解決できると聞いて、『いいな』と思いましたし、米国での導入実績が既にたくさんあることも心強く感じました」(岩渕氏)

 かつては、最寄り店舗を知りたい顧客は検索して、まず自社サイトを訪れると考えていた。しかし実際には、「スマートフォンで検索エンジンやマップを使用して最寄り店舗を把握するケースが大半で、店舗ページにたくさん労力をかけている割に効果が少なかった」と長谷川氏も話す。

 こうした現状を踏まえ、社内に対してはYext導入によって得られるメリットを試算して各部門に共有し、検討からわずか約3カ月で導入を決定した。

あらゆる検索で見つけやすく、求める情報を届ける

 JTBは、検索エンジンが読み取りやすい店舗ページに刷新し、お客さまが探している情報を見つけやすくした。

 店舗ページ内の情報量は豊富なのに、顧客が検索しても、その情報が表示されないという問題は、検索エンジンにそれらの情報をきちんと伝えられていないことで発生する。これを解決するには、検索エンジンに店舗ページ内にある正しい情報を理解してもらえるよう、検索エンジン用に構造化したデータを実装する必要がある。

 ただし、Yextを使えば、Yextのプラットフォーム上で店舗情報を一元管理しながら、構造化データに対応した店舗ページを自動生成できる。

Yextのプラットフォーム上の情報を更新すれば、その情報が店舗ページほか、自動的に検索エンジン、SNS、音声アシスタントなどとも連動する。特別な対策を取る必要はない
Yextのプラットフォーム上の情報を更新すれば、その情報が店舗ページほか、自動的に検索エンジン、SNS、音声アシスタントなどとも連動する。特別な対策を取る必要はない

 Yextで一元管理された店舗情報は、構造化された店舗ページと連携しながら、Googleマイビジネス、GoogleやAppleなどのマップ、SNS、音声アシスタントなどの検索プラットフォームにも自動連携が可能。これにより店舗ページの情報と食い違うような事態が回避でき、お客さまがどこで検索しても正しい情報を適切に届けることが可能。ワンプラットフォームで、すべてのチャネルで一貫した顧客体験の提供を実現できる。

 情報を更新する場合も、Yext上の情報を書き換えるだけで、店舗ページはもちろん、連携する検索プラットフォームも、リアルタイムかつワンストップで完了する。

 また、多くの顧客が検索に活用する検索エンジン「Google」は、日々検索アルゴリズムが変化しており、検索結果の仕様も変わってくるが、そこへの対応もYext側が一手に引き受ける。

 こうした変更の結果、JTBの店舗ページのインプレッション数(表示回数)は約40%向上した。岩渕氏は「ここが最もインパクトのあったところですね」と評価する。

Yext導入前と導入後の店舗ページと検索の構造化データ テストツールを使用した比較。 どれだけ情報を掲載しても、構造化データになっておらず検索エンジンが理解できなければ、情報がないのと同じ扱いになってしまう
Yext導入前と導入後の店舗ページと検索の構造化データ テストツールを使用した比較。 どれだけ情報を掲載しても、構造化データになっておらず検索エンジンが理解できなければ、情報がないのと同じ扱いになってしまう