導入後は新規来店者が毎日4000人増えている計算に

 Yextの導入後、Googleで「ヤマト運輸」と検索すると、ヤマト運輸が全国に持つ直営店の約4000店舗の中から、最寄りの店舗が確実に表示されるようになった。「明らかに見た目が変わりました。表示されない店舗がなくなり、Googleでも、コーポレートサイトにあるものと同じ店舗情報が表示されます。Google以外のサイト、アプリやマップでも同じ精度で同期されました」と柴田氏。

 その効果は、店舗情報が変更になったときにも感じるという。

 「直営店が約4000店舗あると、毎月どこかで開店や閉店、営業時間の変更があります。社内で管理しているそれらの情報も、ほぼリアルタイムに検索結果に反映できるようになりました。これも導入の大きな成果だと思っています」

「ヤマト運輸」とGoogle検索した時の導入前と後の違い。導入前は本社の所在地や名称と異なる写真が提示されていたが、導入後は現在地近くの店舗をきちんと提示でき、表示したい写真が上位に出るようになった
「ヤマト運輸」とGoogle検索した時の導入前と後の違い。導入前は本社の所在地や名称と異なる写真が提示されていたが、導入後は現在地近くの店舗をきちんと提示でき、表示したい写真が上位に出るようになった

 こうした変化は、文字による検索はもちろん、今後ますますの普及が見込まれるスマートスピーカー(AIスピーカー)での音声検索にも有効だと柴田氏は考えている。

 「文字での検索の場合は、いくつか選択肢が提示され、お客さまがその中から選ぶというのが一般的です。最も見ていただきたい選択肢を最上位に表示させたいと考えてYextを導入しましたが、音声検索となると、選択肢を提示するというよりは、一問一答となるので、お客さまは2番目以降の選択肢を認識しません。そういった将来を見越しても、正しい情報を一番初めに提示できるのは、とても重要なことだと考えています」

 こうして検索の精度が上がったことの効果は数字にも表れている。「まず、Google マップでの検索数が、月間600万から900万へと、1.5倍に増えました。地図でヤマト運輸を検索する方は、何かしら接点を持ちたい方なので、その方へ正しい情報を提供できていると考えています。

 それから、平均すると1店舗当たり1日1件ほどですが、経路検索をする方がいます。これは確実に来店、それも初めて来店される方だと考えられます。1日当たり4000人、これが1年間の365日となると146万ですから、その方々へ正しい情報を提示できているということは、かなりの効果です」

 さらにブランドイメージについても統一が図れたと話す柴田氏。「検索サイトで表示される営業所の名称は場所によってまちまちだったのですが、導入後は、私たちが普段呼んでいる“ヤマト運輸○○センター”という表記に統一されました。写真も、一般の方が撮ったものではなく私たちが提供したものが上位に表示されるようになったので、その点でもブランドイメージの統一が図れました」

 柴田氏はさらに、こう付け加える。「社内だけの努力で同じ結果を出そうとしたなら、相当な時間と労力がかかったはずですが、Yextは導入もスムーズでしたし、結果的に省力化が実感できました。また、Googleなどのプラットフォームはどんどん変化していくので、企業が自社だけで対応していくのは難しいでしょう。その点を考えても、Yextの導入は、効果的だと思います」

最初の体験が良ければ続けて使ってもらえる

 Yextの導入により、効率良く顧客のマイナス体験を減らせたという実感を得た柴田氏は次の展開にも期待を寄せている。「私たちは、宅急便以外にも、例えば地域限定ですが、インバウンドのお客さま向けに、手ぶら観光支援サービスも提供しています。全国統一のサービスだけでなく、こうした地域ごと、シーンごとで求められるサービスについても、より広く知っていただき、使っていただくための情報発信をしていきたいと考えています」

 提供する情報が増えれば、それに伴い、ユーザーからのフィードバックが増えることも予想される。「そうした口コミやレビューをしてくれるお客さまに対しても、適切なコミュニケーションをとっていきたいと考えています」

 こうした一つひとつの施策は、顧客体験の向上に大きく寄与する。

 「私たちに限らず、多くの企業はより良いサービスや商品を提供していこうと考えていると思いますが、既にあるサービスや商品であっても、それを初めて使うときの体験がより良いものであれば、お客さまは引き続き、そのサービスを使ってくださるはずです。その最初の接点として、検索という行為は今後もなくなりませんし、むしろ増えるでしょう。私たちは、せっかく探して使っていただくなら、より快適に探し、使っていただきたいので、今後もこうした取り組みを継続していきます」

 宅急便に代表されるヤマト運輸のサービスは、テクノロジーの進化と人々のライフスタイルの変化に合わせて、ますます便利になっていく。

協力:株式会社Yext