人口減、働き方改革の浸透などの影響で、小売業や飲食業は、顧客だけでなく人手不足にも陥っている。こうした事態の打破に欠かせないのは、経営指標に直結したデジタルマーケティングツールの導入だ。効果が分かりやすく継続しやすいYext(イエクスト)はその最有力候補と言える。

協力:Yext

プロモーションは顧客の導線上で行うべき

 これから、小売業や飲食業はますます厳しくなっていく――。元セブン&アイ・ホールディングス CIOで、現在はYextの顧問、デジタルシフトウェーブの代表取締役社長を務める、小売業界の動向に精通する鈴木康弘氏の見立てはこうだ。

 「昨年11月ごろから苦しくなってきたと感じています。今年10月には消費税率が10%に引き上げられると同時に軽減税率が導入される予定で、ますます環境は厳しくなるでしょう。人口減に伴う客数の減少も深刻化していきます」

 こうした現状を受けて、小売業や飲食業の多くは新規顧客開拓に余念がない。

 「商品開発やサービス向上など、各社努力をしていますが、そうした努力がお客さまになかなか伝わっていないのが現状です。企業の多くは情報の重要性を認識しており、だからこそ、情報発信に余念がなく自社サイトの更新などに熱心です。しかし一方で、それが伝わらないだけでなく、伝えたい情報が埋もれてしまうというジレンマを抱えています」

 鈴木氏いわく、情報は打ち上げ花火のように派手だけれど、一度で消える形ではなく、継続的に発信し続けることが重要だというが、そこにも課題がある。

 「例えば、ユーザーの多いグルメサイトに情報を提供し続けようとした場合、コストがかかるため、継続が難しいと考える企業が多くあります。私自身も、そうした相談を受けることが増えてきました」

 そうした情報提供を、社内の人材でカバーしようとすると別の問題にぶつかる。人口減による人手不足と、それと同時に進行する働き方改革だ。

 「ですから、なるべく自動化したいという声もよく聞きます。しかし、すべてを省力化すればいいわけではありません。省力化には、お客さまのストレスをなくす方向で取り組むべきです」

 その一例に、鈴木氏は“検索広告”を挙げる。

 「つまり、お客さまの検索という導線の中でのプロモーションです。特に2010年以降はスマートフォン(スマホ)が普及して、情報をスマホで入手するようになりました。今はあらゆることをスマホで検索していますから、そこにプロモーションが入っていくのが自然でしょう」

 しかし、この顧客にとっての“自然”を実現するのはそう容易なことではない。鈴木氏が実感を込めてそう語るのは、自身がその“自然”を実現しようとして、苦労した経験があるからだ。

鈴木康弘(すずき・やすひろ)。株式会社Yext (イエクスト)顧問、株式会社デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長。 富士通、ソフトバンクを経てイー・ショッピング・ブックス(現・セブンネットショッピング)を創業。のちにセブン&アイ・ホールディングス執行役員CIO、同取締役執行役員CIO。2016年退社、2017年にデジタルシフトウェーブを起業。Yextの顧問として、導入検討企業の支援を行う
鈴木康弘(すずき・やすひろ)。株式会社Yext (イエクスト)顧問、株式会社デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長。 富士通、ソフトバンクを経てイー・ショッピング・ブックス(現・セブンネットショッピング)を創業。のちにセブン&アイ・ホールディングス執行役員CIO、同取締役執行役員CIO。2016年退社、2017年にデジタルシフトウェーブを起業。Yextの顧問として、導入検討企業の支援を行う

Yextは“面倒くさくない”

 鈴木氏は、セブン&アイ・ホールディングスのオムニチャネル戦略を実現に導いた立役者である。

 「この頃、お客さまの導線上でのプロモーションを実現しようと、SEO、それからMEO(Map Engineの最適化)対策、つまり、位置情報と連動したマップ上での検索への対策も考えていました。ところが、自分たちではそれがなかなか継続できません。なぜなら、Googleをはじめとしたプラットフォームは日々変化するので、それについていくのが事実上不可能だからです」

スマホの普及により、ユーザーの検索スタイル、そして、その結果として期待されるものは劇的に変化した。外出先で検索されやすい小売業・飲食業はこうした変化を確実に先取りする必要がある
スマホの普及により、ユーザーの検索スタイル、そして、その結果として期待されるものは劇的に変化した。外出先で検索されやすい小売業・飲食業はこうした変化を確実に先取りする必要がある

 「Yextは面倒くさくないですから。しっかりとした仕組みになっているから継続できるとも思いましたし、自社や他のベンダーでこうした対策をするよりは、Yextを利用した方がいいだろうとも感じました。このようなサービスを提供できるのは、米・YextとGoogleなどの間に、しっかりとした信頼関係があるからです。後発の日本企業がここに入り込むのは無理だろうとも直感しました」

 機能を知れば知るほど、その可能性は魅力的に感じられた。

 「今後は音声検索の拡大が見込まれますが、そこへの対応も可能だと分かりましたし、インバウンド向けに多言語対応もできる。これは“使える”と感じました」

 ただし、その一方で危惧もあったと鈴木氏は話す。

 「この良さをクライアントにどう伝えるのかは課題だと思ったのです。“検索したらそこに結果が出るだけでしょう”と言われてしまうかもしれないと」

 しかし、SEOおよびMEO対策に苦労した経験のある鈴木氏には確信があった。

 「前職では、新たなキーワードを登録しても、それがいつ検索結果に反映されるかを把握できずにいました。定番商品はわずか3割で、約7割が1年で入れ替わり、また、頻繁にキャンペーンを行うコンビニエンスストア(コンビニ)などには、悩みの種です。しかし、Yextを使うとその変更はリアルタイムに反映されます。例えば、展開中のキャンペーンに起用したタレントの名前で検索すると、キャンペーンを展開中の最寄りの店舗を表示することもできるわけです。そうなれば、ロスは最低限に抑えられますし、新しいキャンペーンの可能性も生まれます。そうした説明をすると、クライアントも途端に関心を示してくれます」

“経路検索”で売り上げに貢献する効果を実感

 実際にトライアルをしてみると、その成果が数字に表れる点も、経営者から評価が高いという。

 「一番分かりやすいのは、経路検索がどれくらい増えたかです。経路検索は来店、そして売り上げに密接に関わりますから、まずは複数店舗で試してみて、YextによるMEO対策で経路検索をする人が増加すると分かると、効果を実感していただけるケースが多いです」

 現在、鈴木氏のもとには経営者から、これまで導入したマーケティングツールの棚卸しをしたいという相談が相次いでいると言う。

 「リーマンショック後に効果を期待して、マーケティング部門主導でマーケティングツールを導入したものの、その効果が実感できていないケースが多いようです。今後はマーケティングツールも経営視点で導入していくべきですが、その点、経路検索数などは、売り上げに貢献する新たなKPIになり得ます」

 導入を多店舗に広げるに当たっては、例えば新店舗なら店構えを打ち出す、別の店舗なら流行のメニューを打ち出すという切り分けも可能。このきめ細かさは、全国に店舗を展開し、地域ごとに異なるサービスを提供している企業にとって大きな魅力だ。

 「例えばコンビニも、地域によって商品が違います。おでんのだしも何パターンもあるのです。自社でそうした情報を分けて提供しようとすると、大変な手間です。しかしそこも、Yextを使えば、検索した人のいるエリアの情報を選んで届けることができます」

音声検索時代には取り組みの早さが生死を分ける

 この10年間で急速にスマホが普及し、ユーザーの検索スタイルが変化したように、今後も大きな、そして急激な変化が予測される。

 「注目しているのはまず、音声検索です。日本ではまだこれからですが、海外ではスマホに話し掛けるのは当たり前で、IoTも進んでいますから、運転中の車に声で指示を出すことも増えています。日本でも10年先には、車に話し掛けない人は皆無になるのではないでしょうか」

検索エンジンやSNSの増加とともに、顧客の多様化、細分化も進んでいく。すべてのチャネルに適切な情報を提供し続けるのは、小売や飲食に関わる企業の努力だけでは事実上不可能だ
検索エンジンやSNSの増加とともに、顧客の多様化、細分化も進んでいく。すべてのチャネルに適切な情報を提供し続けるのは、小売や飲食に関わる企業の努力だけでは事実上不可能だ

 そうした時代の到来を前に、情報提供をする企業に重要になるのは“早さ”だと鈴木氏は言う。

 「音声の場合は特に、検索結果の2番目、3番目ではなく1番目に、伝えたい情報が出てこなくてはなりません。この時に大切になるのが早さです。複数の企業が同じキーワードを指定した場合、上位に来るのは、早く取り組み、そして継続している企業です。後から上げることもできなくはありませんが、これには相当な労力、そしてコストが必要になります。その点でも、Yextは試しやすい、そして継続しやすい価格設定になっていると感じます」

 こうした現状から目を背け、MEO対策を放棄したらどうなるか。鈴木氏は一刀両断する。

 「企業の情報発信は、自己満足で終わってしまうでしょうね。ここ10~20年で、私たちの情報の入手方法は激変しました。今の若い人は、さまざまなメディアに触れ、興味のあるもの、自分に必要なものだけを情報として取り入れます。企業は、そうした一人ひとりに、適切なコンテンツを出し分けていかなくてはなりません。それはアナログではできませんが、デジタルでならできます。その仕組みをデザインするツールがYextです」

 課題山積の小売業、飲食業界だが、Yextが健全な成長の一助となりそうだ。

協力:株式会社Yext