2020年の訪日外国人の目標は4000万人とされており、この訪日外国人の平均消費額は、控えめに見て20万円としても8兆円になる。その莫大な消費を自社のビジネスにすることは重要な戦略になるが、外国人へ効果的に情報発信するには、ホームページの多言語対応だけではほとんど効果がない。その国民が利用している検索エンジンやSNSにその国の言語で情報を配信しなくてはならない。Yext(イエクスト)は、この変化への対応を効率的に支援するサービスである。

協力:Yext

 多くの人が、モバイル機器でさまざまな検索をしている現在。そこでは、GPS(位置情報)とマップで現在地に近い店舗が表示されたり、あるいは、ECサイトの物品や物件、目的地に誘導されているはずだ。ホームページに行かなくても、大抵のことは足りている時代だといえる。

 「最近の統計では、全検索量のうち、ホームページへのアクセスは27%で、Googleの検索エンジンやマップ、SNS、ポータルサイトへのアクセスが73%となっています。ホームページへアクセスする人の多くは、そこから何かを買おうとするためよりも、その会社に提案しよう、売り込もうとするために利用する場合が多いのです。

 Googleの検索エンジンやマップ、SNS、ポータルサイトで、位置情報と連動して検索される場合は、むしろ具体的なものを今すぐ必要としている場合が多いのです。これは明らかに需要に対応するものです。そこに効果的に情報を配信することで、明確に業績につながります」と説明するのは、Yext日本法人の代表取締役会長でCEOの宇陀栄次氏だ。

外国人が使う場に情報提供しなければ届かない

 また、今の日本を取り巻く環境の変化として挙がるのが、訪日外国人観光者の増加である。2020年にはその数が4000万人に達すると見られており、宇陀氏によると、そのうちの約50%は、中国人(香港、台湾を含む)だという。

 その人たちは、日本の情報を、Googleを使って日本語検索はせず、中国の検索エンジン「百度(Baidu)」などの自国の検索サイトやマップを利用する。その理由には、中国の情報統制があるからだ。旅前・旅中・旅後において、きちんと情報が提供されるためには、MEO(Map Engineの最適化)対策、つまり、位置情報と連動したマップ上での検索への対策が求められている。

 「外出先で、行きたいところはスマートフォン(スマホ)で調べる時代です。また、お店を探す場合、店名や企業名ではなく、例えば『コンビニ』など一般名詞で検索し、スマホの持つ位置情報をもとに、最寄りの店舗を見つけようとするはずです。今後は営業時間帯の表示も重要になってきます。実際に、『近くの』という言葉を使った検索は、2011年から34倍にもなっていますし、そのうちの88%はスマホユーザーです。なので、検索結果に経路や電話番号、営業時間を添え、ユーザーをスムーズに来店にまで導ければ、売り上げにつなげることができるともいえます」

 しかし、実際には適切な結果が表示されないケースが散見される。宇陀氏は、わざわざ最寄り駅から遠い店舗に足を運ぶユーザーの事例を耳にしたことがあるそうだ。

 「あるユーザー企業のYext導入理由ですが、来店された方の自宅近くにも店舗はあるのに、なぜ遠い店舗に来られたのかを尋ねてみたところ、検索しても最寄りの店舗が表示されず、この店舗が表示されたそうです。ここからは2つのことが考えられました。一つは、『お客さま向けの情報提供がSNSやマップ上で不正確であることはお客さまに失礼であること』。もう一つは『機会損失をしている可能性があること』です。今回のようなお客さまは、遠くの店舗にもわざわざ来てくれましたが、普通は、遠くにしかないのであれば、近くの他社の店に足を運ぶでしょう」

検索プラットフォームの多様化

 また、検索のスタイルが変化しただけでなく、“検索のプラットフォームも多様化”してきていると宇陀氏は話す。

 「ユーザーの使う検索エンジンはGoogleだけではありません。検索エンジンを含むソーシャルメディアは、今や世界で160を超えています。そして、FacebookやInstagram、Weibo、WeChatから情報を探す人も増えています。企業側は、ホームページさえきちんとしていれば、検索サイトが正確に表示してくれるものと誤解しています。実際には、ソーシャルメディアやマップ上に正しい情報を提供する必要があるのです。70%以上の検索がそこに向かっているからです。

 どんなにホームページを充実させても、そこにしかない情報は、わずか27%のユーザーにしか届かないし、そのうちのさらに半数近くは、その企業に売り込みたい人たちへの情報提供です」

 また、プラットフォームは常に変化している。

 「マップに限っても、Google への地図情報提供のゼンリンが最近、提携を解消しました。そして、Mapboxと提携しました。AppleのマップやGoogle マップの他にも、中国では百度マップやCKマップがあります。文字での検索の場合は、いつも特定の地図アプリを使っているが、音声検索の場合は、自動的に別の地図アプリに誘導されるという経験をお持ちの方もいるでしょう。また、新しい技術を活用した、より便利な地図が出てくれば、ユーザーはそちらを使うようになります。こうしたすべての変化に自社だけで対応し続けようとすると、大変な労力とコストが必要になります」

 多様化し、変化し続けるプラットフォーム。それらへの正しい情報提供と管理を一元化するのがYextのサービスである。

宇陀栄次(うだ・えいじ)。株式会社Yext(イエクスト) 代表取締役 会長 兼 CEO。日本アイ・ビー・エム株式会社理事、ソフトバンク・コマース代表取締役社長、株式会社セールスフォース・ドットコム代表取締役社長、米セールスフォース・ドットコム社 Executive Vice Presidentなどを歴任し、2017年より現職
宇陀栄次(うだ・えいじ)。株式会社Yext(イエクスト) 代表取締役 会長 兼 CEO。日本アイ・ビー・エム株式会社理事、ソフトバンク・コマース代表取締役社長、株式会社セールスフォース・ドットコム代表取締役社長、米セールスフォース・ドットコム社 Executive Vice Presidentなどを歴任し、2017年より現職

次世代MEO対策に不可欠なYext

 Yext(イエクスト)は2006年にアメリカで設立された次世代MEOのリーディングカンパニーで、米・フォーチュン誌が毎年発表する「フォーチュン500」企業の3分の1以上が、Yextを利用してMEO対策をとっている。日本でもすでに、飲食業や小売業、旅行業、運送業などの大手企業が導入済みだ。

 では、どういった企業にMEO対策が必要なのか。宇陀氏は2つのパターンを挙げる。

 「まず、誰もが知っているような企業は、そのブランドを毀損されるような情報が出ることを好まないはずです。また、みんなが知っているということは、新しいメニューやサービスを浸透させるのに逆に難しい面もあります。当社のお客さまのケースでは、レザー製品で有名な高級ブランドのショップを検索すると、全く関係のない焼き鳥の写真が出てしまっていたことがありました。悪意ある人に改ざんされているケースもあり、これは明らかに好ましくありません」

 飲食店でも、見てほしいメニューの写真ではなく、一般の方が撮った食べかけや食べ残しなどの写真がトップに掲載されるケースがある。

 「しかし、正しく対策をすれば、そうしたことを防げるだけでなく、最寄りの店舗を案内し、さらには、その時間帯だけに有効なクーポンを提示することもできるようになるでしょう。また、金融サービス業などの場合は、わざわざ来店してもらわなくても、オンラインで処理できる手続きがあるなら、それを優先的に案内すれば、ユーザーにとっても便利ですし、企業側としてもコストを削減できます。コスト削減のために、支店の数を減らすという方向性が出ていますが、当然、支店が閉鎖されることに不満も出るでしょう。その時に、ソーシャルメディアで的確な情報提供ができる体制が必要になってきます。バーチャル店舗のような機能です」

 一方で、集客に苦戦する小規模な企業にもYextは有効だという。

 「例えば、交通の便が良いわけではない住宅街の一角にある人気店と、その近所にある、なかなか集客できない店の違いは、料理やサービスの内容に差がないのなら、存在の周知の問題です。ですから、小規模店舗でも、Yextでコストをかけずに、正しい情報を多くの人に伝える施策を提案しています」

 企業は、情報の発信スタイルを見直すタイミングを迎えていると話す宇陀氏。その変化をサポートするのが、まさにYextである。Yextのプラットフォーム上で正しい情報を登録・更新すると、それらがGoogleをはじめとした世界中のあらゆる検索プラットフォームに配信され、ユーザーの手元に届くようになる。

Yextなら、多様化し変化する検索プラットフォームやSNSなどに対し、企業など情報提供者が伝えたい正確な情報を一元的に発信し、管理できる。これによりユーザーの利便性も格段に向上
Yextなら、多様化し変化する検索プラットフォームやSNSなどに対し、企業など情報提供者が伝えたい正確な情報を一元的に発信し、管理できる。これによりユーザーの利便性も格段に向上