商品の認知度を高めるメディアとして依然、テレビCMが有力視される一方で、消費者の行動に効果を及ぼすメディアとして写真・動画共有SNS「Instagram」が存在感を増している。消費者ニーズが多様化、個別化するなかで、テレビでは限界があるターゲットへの訴求効果の検証が、Instagramでは数値化され可視化することができる。Instagramを利用した広告展開で大きな成果を上げた、清涼飲料水の製造・販売を手掛けるキリンビバレッジでマーケティングを担当する平野真太郎氏に、Instagramによる広告展開の具体的な効果について聞いた。

協力:フェイスブック ジャパン

平野 真太郎氏 キリンビバレッジ株式会社 マーケティング本部 マーケティング部 商品担当 担当部長
平野 真太郎氏 キリンビバレッジ株式会社 マーケティング本部 マーケティング部 商品担当 担当部長

テレビCMでの課題がInstagram広告でクリアに

 キリンビバレッジの商材キャンペーンでは従来、テレビCMを活用したブランド認知度の向上に重点を置いてきた。缶コーヒー「FIRE」、「午後の紅茶」、「キリンレモン」、「メッツコーラ」をはじめとするブランドを担当している平野氏は「実際、今の消費者が触れているメディアはテレビだけではありません。消費者動向に合った広告戦略を立てる必要があり、デジタルシフトを進めなければという危機感が社内にありました」と語る。

 消費者が情報源としてスマホに接する機会が多くなっており、何よりテレビCMでは話題性が取れてもそれぞれの商材のターゲット層に訴求できていないという問題があった。消費者ニーズの個別化により、ターゲット層を絞って訴求する戦略に転換し、2017年、FacebookやYouTubeなどインターネットメディアで、缶コーヒーを飲む男性に向けてFIREの広告展開をスタート。2018年はインターネットメディアに軸足を置き、メッツコーラのキャンペーンをInstagramで展開した。

キリンビバレッジはインスタグラムに縦型の動画広告を展開した
キリンビバレッジはインスタグラムに縦型の動画広告を展開した

 平野氏は「Facebookと同様、Instagramは、ターゲットのユーザーに合わせて動画広告を自動的に表示します。ユーザーの属性や行動のデータに基づいているため、ターゲティング精度が非常に高い点が特徴です」と言う。1つの広告を制作したら変更があまり加えられないテレビCMの素材と対照的に、同社はインターネットメディアの広告展開では、より個別化されたメッセージ訴求のために1つのブランドで10種類以上の動画を制作している。Instagramでは、機械学習により自動的に訴求効果の高いと想定されるユーザーへ広告を表示するため、広告素材の本数が多くても、メディアプランナーの少ない労力で柔軟な広告運用が可能だ。

広告効果の「見える化」で経営層の反応も変化

 Instagramを利用する前は若い女性ユーザーが多い印象があり、メッツコーラのターゲット層との相性に疑問を持っていたという。しかし、月間アクティブアカウント数が2900万に達する急成長と、全体の43%が男性利用者ということから出稿した結果、ターゲットにおける広告認知率、キャンペーン認知率、購買意向、購入実績で成果が表れた。最初はホーム画面のフィード配信のみだったが、ストーリーズにも配信したところさらに効果を実感。平野氏は「ストーリーズの登場で日常を投稿するメディアに変化しつつあり、男性ユーザーにとっても利用するハードルが低くなってきていると考えます。FIRE、メッツコーラは40代男性がボリュームゾーンとなり、Instagramは男性にも刺さるメディアだと分かりました」と語った。ストーリーズの特徴は、縦型の全画面表示が可能で、動画とも相性が良い点だ。企業広告でも没入感のある形式で見せられるため、ターゲット層に見てもらえるメッセージを届ける有効なツールだという。

Instagramは年々コミュニティを拡大。全体の利用者のうち、43%は男性だ(Instagram内部データ 2018年9月)
Instagramは年々コミュニティを拡大。全体の利用者のうち、43%は男性だ(Instagram内部データ 2018年9月)

 Instagram/Facebookを利用した広告展開の成功により、同社はFIREのインターネットメディア予算の内、Instagram/Facebook の比率を約1.3倍に引き上げた。認知率など数字が「見える化」したことで経営層の反応も変化し、インターネットメディアでのキャンペーンに関心度が高まっている。平野氏によると、同社は広告予算の内、インターネットメディア広告の比率を40%にすることを目指しているという。

 また、Instagram/Facebookでよりマーケティングの成果を出すために、マーケティング部担当者だけでなく、役員レベルも巻き込んでデジタル勉強会を実施し、同じ理解を持つようにして進めやすい環境を整えた。「経営層とも理解を共有したことがきっかけで、ブランド単位でなく、グループ会社にもInstagram活用が広がっていきました。Instagramの縦型画面向けに制作した広告がない商材も多いので、今後は事前にInstagramを意識したクリエイティブを制作したいと考えています」と話す。

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 Instagram/Facebookの広告展開の魅力を平野氏は次のように語る。テレビCMで一気に認知をつくった後、安定的にターゲットへ動画広告を運用し訴求していく展開でInstagramは非常に有効なメディアであり、今後も存在感が高まっていくことは間違いありません。

協力:フェイスブック ジャパン