消費者のニーズやライフスタイルが多様化・複雑化し、マーケティング施策において思うような投資対効果の創出が難しくなっている。多くの企業が抱える課題を解決するため、電通デジタルと電通は革新的なマーケティング手法を開発した。それが「People Driven Marketing(ピープル ドリブン マーケティング)」である。“人”を基点にしたオン/オフ統合マーケティングを実現する。答えが1つではない多様な社会環境の中で、いかにして“勝ちパターン”を生み出し続けていくか。People Driven Marketingの強みとその実践ケースを紹介する。

協力/電通デジタル

【PR】「ピープル ドリブン マーケティング」は顧客の拡大に答えを出せるか?(画像)

顕在層を生み出し続けるフレームワーク

 「リターゲティングやリスティングの刈り取り効率が悪化している。契約数や売り上げが伸び悩んでいる原因が分からない。こうした課題を抱える企業が増えています」。こう語るのは、電通デジタルの菅琢磨氏だ。

 大きな要因の1つが、刈り取りによる“焼き畑現象”だという。いくら効率よくCV(コンバージョン)に誘導しても、次の打ち手を考えなければ、顕在化需要層はいずれ枯渇してしまう。

 「目を向けるべきは“肥沃な”潜在市場。コンバージョンしたデータを分析した上で、マス広告や動画広告など様々な手法を駆使して、ファネルを拡大し、良質なリターゲティングの元種を創り出すことが大切です」と菅氏は訴える。それが潜在層を準潜在層へ変え、有望顧客となり得る顕在層を生み出していく。

 この実現を支援するため、同社と電通は、グループの持つあらゆる先端マーケティング手法を統合した新たなフレームワーク「People Driven Marketing(ピープル ドリブン マーケティング)」を開発した。「従来のマスマーケティングとOne to Oneマーケティングを融合させた“人”を基点としたマーケティング手法です。どんな人を、いつ、どこで、どうやって動かすか。主体的にお客様をデータとして把握して顧客マネジメントを行い、洞察と検証を続けながら“勝ちパターン”を導出していきます」と菅氏は説明する。潜在層に幅広くアプローチすることで顕在層を掘り起こし、“焼き畑現象”による停滞を越え、持続的な事業成長を支援していく。

 このフレームワークを推進する上で重要な役割を担うのが、電通グループが独自に開発したデータ基盤「People Driven DMP」(以下、People-DMP)である。これまでのマーケティング支援実績で培ったデータに加え、パートナーとの連携により、最新の市場データも取り込んでいく。Webログデータ、TV視聴ログデータ、属性・意識・メディア接触データ、購買データ、ソーシャルデータ、ロケーションデータ、エンタメコンテンツデータなどを統合した、データ総量8億件超と日本最大級の行動/意識データエンジンである。

 このPeople-DMPを活用しPeople Driven Marketingのフレームワークを回していくことで「本当に必要な人に、必要な場所で、必要なタイミングで、求められるコンテンツを提供する」ことが可能になる(図参照)。「デジタル世界の行動データだけでなく、リアル世界の意識データなども活用し、テレビCMを含めたマスプランニングまでトータルにサポートできるのが強みです。より大きな視座からの施策統合が可能です」と菅氏は語る。

People Driven Marketingの運用サイクルイメージ
People Driven Marketingの運用サイクルイメージ
膨大なオーディエンスデータを蓄積したPeople-DMPを活用し、マス広告やコンテンツターゲティングにより潜在層を準潜在層に、そして顕在層に育成し、リスティングやリターゲティングでコンバージョンを促進する。施策実施後もオーディエンス拡張と検証を繰り返し、有望な潜在顧客層を生み出し続けていく
[画像のクリックで拡大表示]

仮説を元に消費者ニーズを探索

 People-DMPを用いた有望顧客探索には、大きく2つの手法がある。「仮説探索型アプローチ」と「CV拡張型アプローチ」である。

 仮説探索型アプローチは、Web閲覧履歴や検索キーワードなど実行動データとPeople-DMPのデータを掛け合わせ、あるテーマに対する仮説を開発。そこから消費者が何を求めているかを探索していく。

 ある化粧品会社の取り組みを例に、この手法の詳細を説明しよう。まずサイト来訪者とPeople-DMPデータを紐づけ、属性やサイト閲覧キーワードを「サイト来訪率×CV率」という2軸で分析し有望顧客を探索。その結果「来訪率は高くないが、購入率は高い」ゾーンが浮き彫りになった。

 これを潜在有望顧客層と位置付け、属性をさらに細かく分析。自分の時間を楽しむ「アクティブ趣味層」、育児と自分の充実を求める「子育てエンジョイ層」、オシャレや流行感度の高い「ライフスタイリスト層」という3タイプの有望ターゲットに分類し、各タイプの意識・価値観や購買傾向、コンテンツ嗜好性など顧客の特徴を描き出した。

 これにPeople-DMPが保有する約170万台のテレビから収集した視聴ログを掛け合わせ、テレビCMとデジタル広告/動画の最適な組み合わせ、テレビCMがデジタル上のKPIに対して及ぼす効果などを検証。最も高いCV率が見込めるテレビ番組を抽出した。

 「Webプロモーションに加え、この番組枠へのマス広告を組み合わせたり、描いたターゲット毎に合わせた雑誌やBS/CS番組などのオン/オフ統合プランニングにより、ROIの向上を実現しました。この取り組みは効果検証を重ね、現在も配信先を順次拡大して続行中。より大きな効果創出を目指しています」と菅氏は述べる。

“人”を基点にしたオン/オフ統合マーケティングを実現する「People Driven Marketing」について説明する電通デジタルの菅琢磨氏
“人”を基点にしたオン/オフ統合マーケティングを実現する「People Driven Marketing」について説明する電通デジタルの菅琢磨氏

ターゲットの行動を促しCV拡張を

 一方のCV拡張型アプローチは、有意な戦略ターゲット像を導出し、その行動を促すことでCVの拡張を図る。

 ある金融会社はこの手法で大きな成功を収めた。まずPeople-DMPのサイト閲覧データとクライアントサイト来訪データを組み合わせ、どのような外部サイトを見ている人が来訪率やCV率が高いのか、大きな視座で分析を実施。導出した「来訪率が高く、資料請求率も高い層」を、より詳しく属性分析し、しっかり者タイプの「コスパ重視層」、メジャーな国産信奉タイプの「知名度重視層」など、5つのクラスターに分類した。

 そこから各クラスター特性を整理し、最も狙い目と思われる層として「知名度重視層」を選定した。「サイト来訪者内の構成割合、サイト来訪率が最も高く、CV率も2桁以上ある。すでに獲得できているターゲットであり、今後も重要なクラスターになると判断したのがその理由です」(菅氏)。

 次に取り組んだのがターゲット層への働きかけだ。生き方や価値観、金銭意識、家計支出特性などを精査した結果、大手の安心感を求める一方、若い世代や世の中の変化を柔軟に受け入れ、人生を楽しむための投資にも積極的であることが分かった。

 これを元に「大手以外でも安心であること」「家族の勧めも参考になること」「浮いたお金で旅行に行けること」を訴え掛ける3パターンの動画広告を制作。さらにPeople-DMPのTV視聴ログから、知名度重視層を最も含有する放送局・時間帯を算出し、最適なプランニングを計画。テレビCMの露出先を絞り込む一方、People-DMPによる広告配信やWebでのリターゲティングを拡充した。「これにより、総額の投下広告予算は変えずに、トータルの契約数は約1.4倍に拡大します。リターゲティングのCPAは若干上がるが、それを補って余りある成約が見込めます」と菅氏はメリットを述べる。同じ予算でも最適な展開プランで、より大きな成果を上げることを目指すわけだ。

 同社ではPeople-DMPを軸にしたPeople Driven Marketingの機能強化にも継続的に取り組んでいる。Googleが提供する広告ソリューション「DoubleClick」、データ分析とマーケティング分析機能を備えるサービス「Google アナリティクス 360 スイート」、クラウドサービスを使って様々な技術活用やデータ解析を行う「Google Cloud Platform」などを電通デジタルでワンストップにて提供できるという。またクライアントの持つデータやマーケティングシステム、プライベートDMPとの連携などでPeople-DMPの構築・活用にも対応する。

 持続的な事業成長を図るためには、多様なメディアをフル活用し、顕在層を継続的に生み出し続けることが欠かせない。今後も同社は電通グループおよびパートナー連携によるPeople Driven Marketingの基盤強化に努め、“人”基点によるオン/オフ統合マーケティングで顧客企業の目標達成を強力に支援していく。

協力/電通デジタル