今後も高度化される情報化社会で、子どもにはいつからパソコンやスマートフォンを使わせるべきか、親はプログラミングを教えられるかなど、悩みの種は尽きない。元小学校教員でITジャーナリストの高橋暁子氏に、パソコンと子どもの関係性、いつ与えるべきかなどを聞いた。
協力/インテル
親のデバイスなどの関心の有無が子どもの将来につながる

2020年、小学校でプログラミング教育が必修化される。「ついにこういう時代が来たんだな、と感じました」と言うのは、ITジャーナリストの高橋暁子氏だ。SNSの黎明期に今の仕事を始めた高橋氏は、もともとは小学校の教員だった。当時の教え子たちと、今の子どもたちの置かれた環境の違いには隔世の感があるという。
「当時も今も、子どもたちはパソコンをはじめとしたIT機器が大好きで、学校でもパソコンの設置された部屋は大人気です。ただ、生まれたときからパソコンもスマートフォンも当たり前の、デジタルネイティブの今の子どもたちは、タブレットなどの使い方を教えなくても使えるようになっているので、そこが教師をしていた頃とは違いますね。私の息子は今、小学校3年生ですが、やはり0歳の頃からタブレットを使っていました。親やお兄さん、お姉さんが使っているのをまねて、音声検索で好きな動画を見つけて楽しむ子どもは増えています」(ITジャーナリスト 高橋暁子氏、以下同じ)
そうした子どもたちで、地域のプログラミング教室などもにぎわっているという。
「必修化を受けて、おうちの方が連れてきていることも多いのですが、大人顔負けのプログラミングをしている子も見かけます。親御さんが熱心なパソコン教育に対して家庭と無関心な家庭の差は、かなり大きいと感じていますね」
ネット利用のリスクコントロールは親の役割
「プログラミングなど、子どもは興味のあるものにはのめり込みますが、興味の無いことには関心を示しません」と高橋氏は話す。高橋氏自身も、専門学校で講演したときにそれを痛感したという。
「ちょうど、SNSに写真を投稿して“炎上”し、それがニュースで話題になっていた時期だったのですが、生徒たちはそういった騒動が起きていることを知りませんでした。ですから、こうした危険性などについては、親がしっかりと教える必要があります」
不適切なサイトや有害アプリなどへの誘導やSNSでの炎上の可能性の他、フィッシングサイト(詐欺を行う偽のサイト)の存在なども、繰り返し伝えるのが親の役割だ。しかし一方で、高橋氏は「リスクを過度に恐れるのは、あまりご自身がパソコンを使わず、スマートフォンでSNSを使う程度の方が多いです」とも言う。フィルタリングサービスを使い、有害サイトへのアクセスのブロックや、課金はしないなどのルールを設け、時には検索履歴などをチェックすることも高橋さんは勧める。
「また、いくらプログラミングとはいえパソコンばかりに熱中していると、体や目が疲れやすくなるので、最初の段階で話し合って、平日は1日1時間、休日は2時間というような約束をしておくといいでしょう」
リスクがあるからといってパソコンを子どもから遠ざけてしまうのは、別の大きなリスクを生じさせることになる。子どもの可能性を奪ってしまいかねないのだ。
「スマートフォンでメッセンジャー機能を使って家族や友達とやりとりしたことはあっても、パソコンでメールを使ったことがなく、インターンの申し込みのためにメールのマナーを守らないメールをスマートフォンで書いて、非礼だと判断され、断られてしまうというケースが実際にありました。スマートフォンしか使えずに育つと、社会人になってから『フォルダーって何ですか?』となってしまうこともあります。この部分も、パソコンに触れてきた子とそうでない子の大きな違いになっています」

スマートフォンは消費、パソコンは創造のツール
では、我が子にはいつIT機器に触れさせるのがいいのだろうか? 高橋氏は「パソコンなら、どれだけ早くても問題はないと思います」と話す。スマートフォンやタブレットと比較すると、子どもの利用状況を親が把握しやすいというメリットもパソコンにはある。
「パソコンは居間に置いておけば、大人の目の届く範囲で使わせることができます。スマートフォンやタブレットの場合は、それを持って自室にこもりがちになるケースもあります」
それに何より、パソコンと、スマートフォンやタブレットでは使い方が異なる。
「スマートフォンやタブレットの場合は、課金が必要なゲームや動画の視聴など、できることが消費に偏ることが多いですが、パソコンの場合はプログラミングなど、創作・創造に使えることが多いですよね」
創造的な使い方と言えばプログラミングはその代表的存在だが、自分にそれが教えられるかと不安に思う親も少なくない。しかし、高橋氏は「全く心配ありません」と断言する。
「子どもたちは、プログラミングを難しいとは感じていなくて、面白がります。その部分はお子さんに任せて、大人が教えてもらうつもりで大丈夫です。私自身もプログラミングを本格的に習ったことはありませんが、大人なら小学生にできることは分かるので、一緒に楽しめています」
子ども用のプログラミングツールはいくつかあるが、高橋氏のお勧めは以下の2つ。
「例えば、オンラインで利用できるビジュアルプログラミング言語の『Viscuit』は、未就学児も夢中になって遊べます。また小学生なら、うちの息子も夢中になっている、日本語でプログラムが書ける『Scratch』もお勧めですね。どちらもどんなパソコンでも同じように使えますが、学校のパソコンルームにはWindowsマシンが置かれているので、家庭でもWindowsマシンで慣れるといいのではないでしょうか」
※詳しくはhttp://www.viscuit.com/をご参照ください。
現在は小学校3年生でローマ字を習うので、キーボードのローマ字入力もこのくらいの年齢から抵抗なく覚えられるはずだ。
「もちろん、動画編集ソフトやタイピング練習ソフトなどを使うのもいいですね。このときも、遊び感覚で楽しめるものを選ぶのがいいと思います」
プログラミングや動画編集ソフト、タイピング練習など、画面だけを見ていると、ゲーム画面とあまり変わらず、ただ遊んでいるようにも見えることもある。しかし、プログラミングの場合は、そこで論理的思考力が培われるのだ。高橋氏の息子さんも、自動車の自動運転のニュースを耳にした際、自分だったらどうやって自動運転をプログラミングするかを自発的に考え始めたという。
「そうやって論理的に考える力をつけることが、プログラミング教育で得られる最大の素養であると思っています。国には将来のIT人材を育成するという狙いもありますが、今後はありとあらゆる職業がテクノロジーと結びつくので、どんな職業に就くにしても、子どものうちからそうしたものに触れ、テクノロジーへの抵抗感を植え付けないことも重要です」
リスクコントロールは親が引き受けたうえで、可能性に富んだプログラミングを親子で楽しんでみてはどうだろうか。

薄くて軽いボディのため子どもでも持ち運びしやすく、さらに2in1モデルであれば、プログラミングをするときなどはノートパソコンとして、親子でゲームや動画を見るときはタブレットとして使うことができるのだ。また、バッテリー駆動時間も長く、長時間使用できるうえに、インテル Core プロセッサー搭載、SSD搭載のため処理速度も速い。他にも、直に操作できるタッチスクリーンやペンの機能もあるため、イラストを描くなどいろいろな使い方ができるのも魅力の1つ。子どもも親も使えるインテル一押しのパソコンをぜひチェックしてみては?
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協力/インテル