家事を依頼したい人と経験豊富なハウスキーパーをマッチングする「タスカジ」。創業者である和田幸子氏は“富士通時代にSE(システムエンジニア)として身につけたプログラミング的思考が、起業への道を切り拓いた”という。その経験を踏まえ、「10歳の息子にも、なるべく早くプログラミングを学ばせたい」と語る。
協力/インテル
依頼者とハウスキーパーのマッチングサービスで、家事代行をもっと身近に

「わたし自身、家事と仕事の両立にとても悩んでいました。同じ悩みを抱える働くお母さん達の課題解決になるのでは? と思ったのが起業のきっかけです」と和田幸子氏。
大学卒業後、14年間勤めた富士通を退職して起業したのが2013年11月のこと。翌2014年7月、家事を依頼したい人と経験豊富なハウスキーパーをマッチングするシェアリングエコノミーシステム「タスカジ」をオープンした。
「タスカジ」の利用方法はいたってシンプル。スマートフォンやパソコンのブラウザ上で自分の最寄り駅を入力すると、掃除や洗濯、料理など、さまざまな得意分野を持ったハウスキーパー(タスカジさん)が検索できる。頼める家事や動いてもらえる日時、料金などを見て、ふさわしいと思うタスカジさんにユーザーが直接仕事を依頼する仕組みである。
タスカジさんも登録制で、随時募集を行っている。現在、ユーザー登録数は約4万人、タスカジさんの登録数は約1,200人とのこと。
「日本には『家事代行なんてお金持ちが頼むもの』とか、『どんなに仕事が忙しくても、家事は自分達でやらなければ』という意識を持つ人が多いせいか、オープン当初はなかなかユーザー登録が増えませんでした。家事代行という働き方があることについての社会的な認知も低く、タスカジさんを集めるのにも苦労しました」と和田氏は振り返る。
しかし、「タスカジ」の存在が徐々に知られるようになると、そうしたイメージは少しずつ変わっていった。
お金持ち向けと思われがちな理由のひとつは、料金が高いこと。一般的な家事代行サービスは、紹介会社が間に立ってハウスキーパーを教育、手配、マネージメントをし、手数料を上乗せする。その点、「タスカジ」は依頼者とタスカジさんをマッチングするだけ。仲介は行わずシステム利用料だけなので料金は1時間1,500円から(最低3時間から)と割安である。
また「タスカジ」には、料理の得意な栄養士、掃除の上手な専業主婦など、さまざまな得意分野を持ったタスカジさんが登録している。和田氏は、そうしたプロ達の家事の技をテレビなどで頻繁に紹介。タスカジさんの家事テクニックをまとめた本も9冊発行した。これによって家事代行という仕事の魅力ややりがいが少しずつ認知されるようになり、タスカジさんの登録数も増加した。
「ただ家事を任せるだけでなく、栄養たっぷりで健康的な料理が楽しめ、自分でやると中途半端になりがちな掃除をきちんとしてもらえるといったメリットが少しずつ認知され、ユーザー数も着実に増えていきました。頼みたい家事や求めるサービスのレベルはユーザーごとに千差万別です。ユーザーレビューを見て、ニーズにかなったタスカジさんを選べる仕組みも高く評価されています」
これは子供たちが将来どのような職業に就くとしても時代を越えて普遍的に求められる力である。この力を育むため、小学校においては、児童がプログラミングを体験しながら、コンピューターに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動を計画的に実施することとしている。
プログラミングの発想を学んだことが、起業の支えに
和田氏には現在10歳の息子さんがいる。富士通で働いていた時に生まれ、仕事をしながら、子育てと家事を同時にこなさければならなくなった。
「子育てはしっかりやりたいので、どうしても家事にしわ寄せがいってしまいます。夫は積極的に協力してくれましたが、家の中がだんだん汚くなって、帰ることにストレスに感じるようになりました」。一方で、「今晩のおかず、どうしようか?」とつねに家事のことが頭から離れず、仕事に専念できなくなっている自分にも不満を覚えるようになったという。
「世の中の働くお母さん達の多くは同じ悩みを抱えている。女性が活躍するには家事の問題を何とか解決して仕事と生活の両立をできる環境を作らねばならない」という思いが「タスカジ」を生んだのである。
「もともと起業をしたいという思いが強かった」という和田氏。富士通では、システムの開発やWebプロモーション、新規事業の立ち上げなどを任され、起業に必要な知識や経験も積み上げていた。「なかでもSEとして身につけたプログラミング的思考は、起業にとても役立ったと思います」と和田氏は語る。
大学で経営学を学んだ和田氏にとって、富士通に入社するまでプログラミングは全く未経験の領域であった。難しさを感じる半面、日々のシステム開発の業務の中でプログラミング的思考を理解するにつれ、その思考方法がビジネス推進や日々の生活に応用できることに気がついたという。
「物事を思いどおりに動かすには何をどうすればいいのかを論理的に考え、動かすための仕組みを作り上げていくことが非常にいい訓練になりました」と和田氏は振り返る。
「タスカジ」のビジネスモデルづくりやシステムの設計にも、プログラミング的思考が生かされているという。「多数のユーザーとタスカジさんがWeb上で直接取引する「タスカジ」の仕組みは、大量の取引が瞬時に処理されるように設計しなければならない。そのためにはどのようなプロセスが効率的か、想定外の事態にはどう対処するのか、といったことを論理的に考えながら、仕組みを作り上げていったという。
「SEの仕事を通して、事象を一度抽象化し、分解・整理したうえで、再度具体的な実行可能な形にしていくというプログラミング的思考を身につけました。コンピューターだけでなく、ビジネスや世の中を動かしている仕組みも、プログラミング的思考があれば、複雑な事象もシンプルに整理して理解しやすくなり、効率よく進めていくことができます。これを子どもの頃に身につけておけば、自分の可能性はもっと広がっていたのかもしれないと思うと、ちょっと残念に感じることもあります」

親子で一緒にパソコンに触れ、表現する喜びを感じさせたい
2020年度から実施される新しい学習指導要領には、小学校段階におけるプログラミング教育の必修化が盛り込まれている。和田氏は、「小学生のうちからプログラミング的思考を学べるのは、とても素晴らしいことだと思います。コンピューターや機械はどうやって動くのかという仕組みを学ぶだけでなく、人間の考え方やビジネスの流れをシンプルに読み解くことができ、それが、新しい何かを創造し、世を動かしてくための方法を身につけることになるからです」と語る。
和田氏がコンピューターに初めて触れたのは高校生の時。当時のパソコンはまだ一部のマニアのもので、使い方を教えてくれる人も身の回りにはいなかった。
「遠くに住んでいた叔父から中古のパソコンを譲ってもらい、手紙のやり取りで使い方を習ったのですが、難しすぎてすぐに挫折してしまいました。当時のパソコンはいまのようにユーザーフレンドリーな道具ではなかったので、手に負えなかったのです。おかげで社会人になるまで、プログラミングどころか、パソコンに触ることすらなくなってしまいました」
小学校での必修化に先駆け、子ども向けにプログラミングを教える教室も増えているが、「興味を持ってくれるなら、ぜひうちの子どもにも通わせたい」と和田氏は言う。
和田氏は、「子どもにプログラミングを学ばせるのなら、タブレット端末よりもパソコンのほうが適していると思います。タブレット端末は情報を消費するのに向いていますが、情報をつくるにはキーボード入力など複数の入力方法のあるパソコンのほうが操作性は高く、使いやすいので」とアドバイスする。
タブレット端末に比べて汎用性が高く、いろいろなことができるのもパソコンのメリットだと和田氏は言う。
「『エクセル』を使ってお小遣いの計算をしたり、自分の考えたことを『パワーポイント』にまとめて発表したりと、工夫や創造力を発揮できるのがパソコンのいいところです。思う存分使いこなせる環境を整えて、何かをつくる楽しさや表現する喜びを感じられるようなことを親子で一緒にやってみたいですね。そこからコンピューターやプログラミングに興味を持って、プログラミング的思考を身につけてくれたらいいな、と思っています」
働くお母さん達の中には、「エクセル」などのパソコン用ソフトを仕事で使いこなしている人も多い。
「家庭のパソコンを使って基本操作を教えてあげれば、子ども達はどんどん使いこなせるようになるはずです。親子で一緒にパソコンに触れるのも、いい学びの機会となるのではないでしょうか」

薄くて軽いボディのため子どもでも持ち運びしやすく、さらに2in1モデルであれば、プログラミングをする時などはノートパソコンとして、親子でゲームや動画を見る時はタブレットとして使うことができるのだ。また、バッテリー駆動時間も長く、長時間使用できるうえに、インテル Core プロセッサー搭載、SSD搭載のため処理速度も速い。他にも、直に操作できるタッチスクリーンやペンの機能もあるため、イラストを描くなどいろいろな使い方ができるのも魅力の1つ。子どもも親も使えるインテル一押しのパソコンをぜひチェックしてみては?
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協力/インテル