「もはやインターネットやパソコンのなかった時代には戻れない。子どもたちには、それらを一生使うことを前提とした付き合い方を学ばせることが大切です」と語るのは、テクニカルライターでコラムニストの小寺信良氏。パソコンが、子どもたちの可能性を引き出すことにどのように関係してくるのか、話を聞いた。
協力/インテル
中学・高校生向けのネットリテラシー教育を支援
最新のITトレンドやメディア論などに関する記事を執筆するテクニカルライターでコラムニストの小寺信良氏。インターネットやデジタル機器などの技術発展や、利用者の利便性に関わる分野における意見の表明・知識の普及などの活動を行う一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)の代表理事を務め、「子どもとIT」や、「子どもとインターネット」の関係についてもさまざまな提言を行っている。

「MIAUが子どもとインターネットの関係について提言するようになったのは2008年のことです。当時、インターネットが急速に普及する中で、有害なサイトにアクセスしないように子どものインターネット利用を制限しようとする動きがあり、法案作りも進みました。しかし、そもそも使い方をちゃんと教育していないのに利用を制限するというのはおかしいと考え、法案の修正を提言したのです」(同協会 代表理事 小寺信良氏、以下同じ)
その後MIAUは、学校でのインターネット教育を支援することに取り組み始めた。インターネットによる子どもたちのコミュニケーションが誹謗中傷やいじめに発展しないように、ネットリテラシーを学んでもらうための教材を作り、学校の要請に応じて授業を提供するようになった。現在も中学・高校を中心に、年間約30校で授業を行っている。
「授業で子どもたちに教えているのは、“自由”と“制限される自由”の関係性です。心の中で考えることは完全に自由。でも、それを行動に移すときには『やってはいけないこと』『やらなければいけないこと』という制限がある。そうした社会の中で自然に発生するルールを意識しながらコミュニケーションを取ることの大切さを教えています」と小寺氏は語る。
MIAUがこうしたインターネット教育を行うことの根底にあるのは、「インターネットを正しく使いこなし、自分たちの未来を自分たちで切り開けるようになってほしい」との思いだという。
「もはやインターネットのなかった時代に戻ることはできません。大学に進学し、就職してからも一生使うことを前提として、子どものうちからネットとの正しい付き合い方を学んでほしいと願っています」
ITを道具として使わせるには家庭教育が大切
学校におけるインターネット教育やIT教育は、この10年で大きく変わったと小寺氏は感じているという。「学習指導要領が見直され、各教科でネットリテラシーに関する教育が行われるようになったことや、小学校でプログラミング教育が必修化されることは特に大きな変化だと思います」。
プログラミング教育については、「プログラマーを育てるためではなく、プログラミング的思考を身につけてもらうためのものなので、いろいろな授業に織り込めるはず。特に音楽の授業は、プログラミング教育と親和性が高いと思います」と小寺氏は指摘する。

楽譜には、リピート(繰り返し)やダル・セーニョ(セーニョへジャンプする)といった反復記号がある。これは規定回数まで動作を反復させたり、条件が整えば特定の位置へジャンプするプログラミングと全く同じだ。音楽の構造や楽譜の読み方を学ぶ過程で、プログラミング的思考は身につくはずである。
ただし、「ITの専門知識がない音楽の先生に、プログラミング教育を踏まえた授業を期待するのは難しいと思います。理想的なのは、ITの知識を持った保護者が授業をサポートすることでしょう。米国では、さまざまな知識や経験を持った保護者が週に1~2回、学校で実践的な授業を行うのが一般的です。日本でも同じようなことができるといいのですが」と小寺氏は語る。
「ITやインターネットに関する教育には、学校でできることと、できないことがあります。道具としての使い方は教えられても、スキルを教えるのは、学校教育だけでは限界があるように感じます。この部分については、家庭における教育が大切だと思いますね」
子ども用のパソコンを与え、自由に使わせてみる
「ITの使いこなし方を学ばせる道具としては、パソコンが適していると思います。絵を描くだけならタブレット端末でも十分ですが、文字を速く打ったり、プログラミングをしたり、2つ以上のアプリを組み合わせて画像や音楽に複雑な加工を施したりと、いろいろな使い方ができますから」
さまざまなことができれば、子どもの興味の幅は無限に広がる。小寺氏は「パソコンを使って、小さい頃からアートなどの創造体験をさせてみてはどうでしょうか」と提案する。
「いまのパソコンは性能がとてもいいので、ひと昔前だったら数百万円もするマシンでなければできなかった高度な画像や音楽の表現が10万円台のパソコンでもできます。非常に低コストでいろいろな習い事がさせられる夢のマシンなのです。絵を描いたり、音楽を作曲したりするのもいいし、自分で図面を描いて3Dプリンターで出力するのも貴重な体験になるでしょう。小さいうちから“ものづくり”の楽しさを実感するようになるかもしれません」
そうした体験を思う存分楽しませるには、保護者用と子ども用のパソコンを分けたほうがいいと小寺氏はアドバイスする。
「保護者のお下がりでも構わないので、自分用のパソコンを与えてあげることです。そして好きなように使わせてみる。いろいろ試すうちに操作の仕方をどんどん覚え、得意なことや興味のあることも見つけるはずです」
操作に慣れるまではお下がりでも構わないが、性能や使い勝手に満足できなくなったら、よりハイスペックなパソコンを与えることも考えたい。「子どもが何に興味を示しているのか、どんな才能を見せ始めているのかをにらみつつ、それをさらに伸ばせるようなマシンを与えてあげるのが望ましい」と小寺氏は言う。
子どもの成長や興味の方向に合わせて、それにふさわしい道具を与えるというのは家庭教育だからこそできることだ。
小寺氏は、「いろいろなことを試させてあげてほしいと思いますが、同時に、家庭でもベーシックなモラル教育をしたほうがいいと思います。子どもたちは絵や音楽などを自由に表現するけれど、外に出せる内容かどうかということをきちんと教えてあげることが大切です。それをストレートに言えるのも親だけですからね」

薄くて軽いボディのため子どもでも持ち運びしやすく、さらに2in1モデルであれば、プログラミングをするときなどはノートパソコンとして、親子でゲームや動画を見るときはタブレットとして使うことができるのだ。また、バッテリー駆動時間も長く、長時間使用できるうえに、インテル Core プロセッサー搭載、SSD搭載のため処理速度も速い。他にも、直に操作できるタッチスクリーンやペンの機能もあるため、イラストを描くなどいろいろな使い方ができるのも魅力の1つ。子どもも親も使えるインテル一押しのパソコンをぜひチェックしてみては?
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