新市場を創造した人や画期的なビジネスモデルを構築した人、注目に値するモノやサービス、取り組みは多くある。日経クロストレンドは「マーケター・オブ・ザ・イヤー 2018」賞を設けて優れた人々を表彰した。一方アドバイザリーボードのメンバーが思う「私はこれを推したい」という取り組みにはどういうものがあるのか、コメントを頂いた。第2弾はソニー・ミュージックレーベルズ EPICレコードジャパンの梶 望部長。

楽曲を中心にソーシャル展開して作品を語らせた(写真はイメージ)(c)shutterstock
楽曲を中心にソーシャル展開して作品を語らせた(写真はイメージ)(c)shutterstock
作品へ視点を集中 宇多田ヒカルへの飢餓状態が奏功(画像)

ソニー・ミュージックレーベルズ EPICレコードジャパン 部長
梶 望 氏

 2016年にリリースした宇多田ヒカルのアルバム『Fantôme』は、通常盤のみでデジタルとフィジカルCDとを合わせ、ミリオンヒットを記録しました。宇多田が不在だった約6年間で、音楽マーケットは大きく変わりました。まず考えたのは「人は今、何に価値を認めてお金を使っているのか」です。

 例えばソーシャルゲームにはお金を払っているし、音楽業界でいえば、ライブやフェスに足を運ぶ。これらは現在、好況です。CDも握手会などを目当てに買う。この3つの共通項は何かと考えたときに、出てきたキーワードが「時間」を買っているということ。さらにいえば、そこには「承認欲求」もある。そこで立てた仮説が、「音楽(原盤)に使ってもらう時間を、価値あるものとしてきちんと認識してもらう」ことでした。