2005年にstudio-Lを設立。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、市民参加型のパークマネジメントなどに関するプロジェクトが多い。著書に『コミュニティデザインの源流(太田出版)』、『縮充する日本(PHP新書)』、『地域ごはん日記(パイインターナショナル)』などがある
これまで一番達成感を得た仕事は?
自分の仕事は自分の作品や商品ではないので、出世作や商品はありません。ただし、住民の参加によってまちの将来計画をつくったり、公共施設の設計を考えたり、まちづくりの活動を生み出したりするコミュニティデザインという手法(サービス)は間違ったものではなかったという自負はあります。プロジェクトから離れて数年経ったときに、ワークショップに参加していた住民が新たなまちづくり活動を展開することなどがあって、自分が関わっていた時期を超えて参加の効果が広がっていくことなどを学びました。
商品・サービス、事業開発で重要だと思うことを3つ挙げてください
利用者参加型、住民参加型の事業開発が重要だと思っています。いかに人々の主体性を引き出し、関与を高め、継続的に事業へと関わってもらうか。よりよい地域社会を構築する上で、これらは避けて通れないことだと思います。
これから仕掛けたいことは?
福祉と教育の分野におけるコミュニティデザインの展開。地域共生社会の実現に関してコミュニティデザインができること、人工知能時代の教育に関してコミュニティデザインができること、などがあるような気がしています。
最近気になっている言葉や現象、技術は?
人工知能と自動運転車。人工知能ができることを考えると、これからの教育はどうあるべきかを考え直さねばならないだろうと思っています。また、自動運転車が一般化する時代のまちづくりはどうあるべきかについても考え直さねばならないだろうと思っています。
尊敬するマーケター、経営者、研究者…と、その理由は?
ジェイン・ジェイコブズ
都市開発の時代にあって、都市住民にとって本当に必要なことは何なのかを見抜いていたし、それを堂々と語ったし、行動したという勇気と行動力を尊敬しています。
最近、読んだ本で仕事の参考になったものは?
『仕事消滅』(鈴木貴博著)
人工知能時代にどんなことが起きるのかをわかりやすく解説してくれた本だったので、その反作用としてのコミュニティの問題について考えることができた。