1992年東京芸術大学デザイン科大学院修了、同年、資生堂入社。96年から2000年、SHISEIDO COSMETICS AMERICA勤務。18年1月よりクリエイティブ本部 ECD。多摩美術大学生産デザイン学科 非常勤講師、東京アートディレクターズクラブ会員、日本パッケージデザイン協会 理事、日本グラフィックデザイナー協会会員、日本空間デザイン協会会員。プロダクト、スペース、CI、VIなど、SHISEIDOのコーポレートやブランドに関する様々なデザイン領域を手掛けている。クリエーティブディレクターを勤めた資生堂銀座ビルが13年10月に落成。同ビルはクリエーティブ活動の拠点として最新の企業文化を発信している

これまで一番達成感を得た仕事は?

 手掛けた商品デザインが評判になり、かつ、5年以上ロングセラーを続けると大きな達成感を感じる。SHISEIDO MEN は「知性」をテーマにデザインしたスキンケアライン。10年以上たった今も、ベーシックな佇まいは変えずに進化させている。

商品・サービス、事業開発で重要だと思うことを3つ挙げてください

 開発に携わるチームの信頼関係。一方的で強引な計画や、気持ちや立場を無視した開発は必ず長続きしないので。信頼を築くには、メンバー同士が共通の体験を共有し、同じ価値観を持つ事が有効。また、他人に任せず、チーム全員が自分の事として課題に向き合っていること、以上3つです。

これから仕掛けたいことは?

 デザイナーが発案した商品やサービスのアイデアをプロトタイプにし、世の中に発信したいと考えています。また、会社のデザインアーカイブを知的財産として、積極的に価値創造に活用することに取り組んでおり、自社以外にもアーカイブ活動を広めたいと考えています。

最近気になっている言葉や現象、技術は?

 改めて、ユニバーサルデザインという考えの可能性に興味を持っています。誰にでも優しいという発想から、テクノロジーやアートで人の未知の感覚を積極的に刺激する能動的なアプローチです。

尊敬するマーケター、経営者、研究者…と、その理由は?

資生堂の初代社長 福原信三氏
 まだデザインが一般的に広がる前から、技術と意匠の両面に重きを置き、本物の価値を追求した先駆者として尊敬している。

最近、読んだ本で仕事の参考になったものは?

ロラン・バルト著「表徴の帝国」
 何度も読んでいるが、久し振りに読む機会があり改めて感銘を受けた。海外のクリエーターと日本の文化について勉強する機会に参考にした。