1990年大阪大学経済学部卒業後、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)マーケティング本部に入社。ブランドマネージャー、マーケティングディレクターとして、「パンパース」「パンテーン」「プリングルズ」「ヴィダルサスーン」などのブランド担当。2006年ロート製薬に入社。執行役員マーケティング本部長として「肌ラボ」「Obagi」「デオウ」「ロート目薬」などの60以上のブランドを統括。2015年ロクシタンジャポン代表取締役、メルヴィータジャポンにて代表取締役社長。 アジア人初のグローバル エグゼクティブ コミッティメンバーを経て、ロクシタン外部取締役戦略顧問。スマートニュース執行役員マーケティング担当(日本・米国)を経て、M-Forceを創業。Strategy Partners代表取締役社長。グロースX 社外取締役

著書:『顧客起点マーケティング』(翔泳社)、『アフターコロナのマーケティング戦略 最重要ポイント40』(ダイヤモンド社)、『マンガでわかる新しいマーケティング 一人の顧客分析からアイデアをつくる方法』(池田書店)他

これまで一番達成感を得た仕事は?

 ロート製薬では、20億円から160億円超えまで育成し、アジア進出も出来たスキンケアの「肌ラボ」、ブランド戦略を変更して伸長した女性向けスキンケアの「Obagi」。自分向けのニーズベースで関わった男性向けボディウォッシュの「デ・オウ」や、アレルギー用目薬の「アルガード」。また、戦略変更を主導し、グローバル戦略も変えて伸長したロクシタン、今関わっているスマートニュースの新戦略での伸長などに大きな達成感があります。

 差別性ではなく独自性にこだわること、前例がなく多数が反対することにこそチャンスがある事が大きな学びです。

商品・サービス、事業開発で重要だと思うことを3つ挙げてください

① 際だつ独自性を創り上げること
② それを明確なユーザー便益に変換すること
③ たとえ失敗しても学びは必ずあると信じること

これから仕掛けたいことは?

 「シンギュラリティ」に向かうなかで、AIではなく、人間だけができる創造的な仕事や経営を見極め、提案していきたい。

最近気になっている言葉や現象、技術は?

 ここ10年以上、「シンギュラリティ」は常に頭の真ん中にあります。

尊敬するマーケター、経営者、研究者…と、その理由は?

 0-1で事業を起された方々、ビジネスモデルやマーケティングを改革されて実績を出された多くの方々を尊敬しています。

最近、読んだ本で仕事の参考になったものは?

 レイ・カーツワイルさんの「The Singularity Is Near」、大前研一さんの「The Invisible Continent」、SmartNews創業者鈴木健さんの「なめらかな社会とその敵」
 読んだのは最近ではないですが、デジタル技術の進化で世の中がどう変わるのかが、深く理解できました。自分自身のキャリア感にも大きな影響がありました。

AIDMAなどのマーケティング理論や法則で実践、重視しているものは?

 具体的な実在する一人(N1起点)で、全ての戦略やプランを考えるようにしています。これまで学んできた理論や法則は、仮説を検証する際に活用するくらいで、あえてほとんど使わないようにしています。

トレンドをウオッチしている他業界は?

 デジタル技術一般、ディープラーニング、ロボティクスなどです。

直近のヒット商品、サービスで気になっているものは?

 「アルファ碁ゼロ」。このプロダクトの進化が意味するところは、私たちの生活とビジネスやマーケティングの大変革です。

 フィルム写真や音楽ビジネスで見られたデジタル化をはるかに超えるスピードで、多くのビジネスやサービスがデジタル化、自動化されると思います。