学校卒業後、大手家電量販店にて販売職・マーケティング職を経験。2013年にカルチュア・コンビニエンス・クラブに入社し企画段階から二子玉川・蔦屋家電の立ち上げに携わる。売場マネージャー、マーチャンダイザー、新規事業等の職を経て2019年に次世代型ショールーム蔦屋家電+(プラス)をプロデュース。元 一般社団法人リビングテック協会理事。現在はバニッシュ・スタンダードに所属。

これまで一番達成感を得た仕事は?

 立ち上げメンバーとして、企画初期から携わってきた二子玉川 蔦屋家電。オープンまでの2年間、毎日朝から晩まで『世界に例を見ない生活提案型の家電店とは何か』を考えていました。このときに企画の考え方や進め方を学ぶことができましたし、業種問わず多くの人に出会えたことが財産です。

商品・サービス、事業開発で重要だと思うことを3つ挙げてください

 一言で言うと『情熱』だと思っていますが、3つに細分化するとしたら、①『一番知っている人間になること』、②『仲間を増やすこと』、③『スピード』です。

これから仕掛けたいことは?

 中・長期的には、家電店のSPAモデルを実現したい。それに伴って短期的には商品開発が目標です。

 同じ商品を多数の異なる店で売るのが家電業界の特徴です。商品は同じなので、主にサービスと価格で競争しています。しかし、いまは品ぞろえや価格ではネットには太刀打ちできない時代です。小売店は『ここでしか買えない商品』と『ここでしかできない体験』の両方を持ち顧客に提供できるものだけが生き残れる時代がきています。

最近気になっている言葉や現象、技術は?

 期待か不安かはわかりませんが『シンギュラリティ』という言葉が凄く敏感に、気になっています。それに関連して、技術であれば『自動運転』『無人店』など人工知能から派生する言葉が特に気になっています。

尊敬するマーケター、経営者、研究者…と、その理由は?

 唯一会ったことがある著名経営者は、直接指導をいただいたこともあるCCCの増田宗昭社長。私にとって憧れであり、とても尊敬しています。

最近、読んだ本で仕事の参考になったものは?

「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」(河合雅司著)
 日本の人口減少問題を正確なデータ分析を基に現実として突きつけられます。
 この本を読んだ人は、あまりの敵の強大さに諦めたり、国外逃亡を考える人も出てくると思いますが、子供たちに未来を残すことが出来るように、そもそものビジネスの領域で、この問題に真向から立ち向かうアクションをしていかなければならないと、多くの人が鼓舞されます。
 私は少なくとも、一つ一つの仕事において『このアクションは先の未来を変えられるのだろうか?』という視点を強く持つようになりました。世代問わずたくさんの人に読んで欲しい一冊です。

AIDMAなどのマーケティング理論や法則で実践、重視しているものは?

 私の仕事の領域においては、ランチェスターの法則『弱者の戦略』を意識して実践しています。

トレンドをウオッチしている他業界は?

 クルマ業界。パナソニックとテスラの提携や、ダイソンがEV参入を表明するなど、家電業界とクルマ業界は今、とても密接な関係にあります。他にも、タクシーのあり方、シェアリングによるクルマ所有のあり方、免許のあり方など、自動車市場の規模が大きいだけあって近い将来とてつもない変革が起きそうで、注視しています。