1977年生まれ。2007年にガリバーインターナショナル(現IDOM)へ入社。経営企画やマーケティング、新規事業開発などに従事。19年2月、地方のタクシー会社の配車センター業務をクラウド型で提供するスタートアップ、電脳交通に参画。取締役モビリティ事業本部長として、MaaSビジネスの推進を担う。口癖は「殴り合え(裸で議論しろの意)」。二児の父。唯一の趣味は下手ではあるが料理。休みの日は3食とも担当

商品・サービス、事業開発で重要だと思うことを3つ挙げてください

① 自分たちは何者かを定義する
 自分たちが何者かを理解し、どんな世界を作りたくて、そのために何が足りないのかを明確にすることが大事だと思います。そうしなければ、社内・社外問わず、力を貸してと言うことは難しい。

② 持っているものの棚卸し、既存事業の「捉え直し」
 ある規模の既存事業を持っている場合、コアアセットやコアケイパビリティが何であるかを棚卸しして、新たに向き合う市場に対してどれが価値を発揮するのかを見直すことが必要だと思っています。社内では当たり前だと思っている機能や技術が他者にとっては別の価値を持つということは往々にして起きます。

③ 確信犯的妄信
 引き際を条件として設定したら、あとは当該のプロダクトに価値があると信じてあらゆる手を講じることの大切さを痛感します。プロダクトそのものの問題なのか、やり方の問題なのかわからないまま進退を決めることは避けたいといつも思います。その意味で、プロダクトマーケットフィットの達成をどう定義するかが大事だと思います。

最近気になっている言葉や現象、技術は?

 「地方創生」

 最近、意識して地方に足を運んで行政でチャレンジしている方や新たな事業をやっている方に話を聞く機会を持っています。

 自動運転やシェアリング、モビリティなど言葉は大きいですが、本当に大切なのは今困っている方の具体的な声だと思います。例えば、路線バスが補助金頼みで運営していたが限界がきて廃線になってしまった。結果、買い物や通院に困っている高齢者の方がいる。そういった状況に直に触れ、その方に必要な解決策は何なのか、自社の持っているものをどう再編集すればいいのか、足りないものは誰と協力すれば得られるのか。こうした手触りのある思考を産んでくれます。また、モビリティ革命は地方の交通ネットワークのあり方の再定義を促します。そのドライブには、当事者である市民の方や地方自治体の方々と二人三脚でないと進まないと思っており、半官半民の新たな形の模索も最近の興味対象です。

尊敬するマーケター、経営者、研究者…と、その理由は?

 特に誰ということはないですが、色々な形で関わっている周囲の方々からは、何かしら新たな視点や刺激をいただけて、直接的にも間接的にも自分の発想や意思決定に良い影響を与えてくれます。そういう意味では、社内外関係なく友人が尊敬する方々ですし、そういう方に多く触れる努力を自然としている気がします。