2010年にハーバードビジネススクールでMBAを取得したのち、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。データサイエンティストのネットワークを構築し、日本企業に対して最新のAI戦略提案からAI開発まで一貫したAI支援を提供。AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。また、毎日新聞「石角友愛のシリコンバレー通信」、ITmedia「石角友愛とめぐる、米国リテール最前線」など大手メディアでの寄稿連載を多く持ち、最新のIT業界に関する情報を発信している。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。著書に『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。パロアルトインサイトHP:https://www.paloaltoinsight.com

これまで一番達成感を得た仕事は?

 弊社(パロアルトインサイト)で開発している機械学習を使ったモデルなどがクライアント企業で活用され、そしてビジネスインパクトが出たときです。

商品・サービス、事業開発で重要だと思うことを3つ挙げてください

① スピード(開発、フィードバックの速さなど)
② 提案力(ふわふわしたアイデアを具体的なプロダクト要件に落とし込む力)
③ 検証力(効果測定をどのようにするか)

これから仕掛けたいことは?

 データサイエンティストのシェアリングエコノミー化。

最近気になっている言葉や現象、技術は?

 サーバーレス、またはFaaS (Function as a Service)。これらの普及で開発コスト構造が根本から変わり、求められている技術者のスキルが劇的に変わると予想される。

尊敬するマーケター、経営者、研究者…と、その理由は?

Steve Jobs
 アップルの製品で人生が変わったから。リベラルアーツとテクノロジーの交差点にいるというアップルのビジョンを作ったのがSteveであり、弊社も同じビジョンで会社を経営している。つまり、弊社は機械学習とリベラルアーツの交差点におり、問題は技術単体で解決できないと考えている。

Melinda Gates
 女性の社会進出に対して一番真剣に取り組んでいるリーダーの一人。ビル&メリンダ財団でのメリンダ氏の活動は心を揺さぶられるものがある。自身でアフリカの現場に足を運び、医療問題を解決している姿に鼓舞される。

Clayton Christensen
 我が母校、ハーバードビジネススクールの尊敬する教授であり真のイノベーター。業界を超えて大きなコンセプト「イノベーションのジレンマ」を提唱したことの価値は大きく、家族を愛する人柄も尊敬に値する。

David Heinemeier Hansson
 「37signals(後のBasecamp)」というリモートワークでエンジニアを動かしているビジネスの先駆け企業の創設者であり、Ruby on Railsの開発者(DHHの名で知られる)。データサイエンティストのシェアリングエコノミー化を行なっている我々には大きな存在であり、「ReWork: Change the Way You Work Forever」と「Remote: Office Not Required」という著書は数年前に読んだ。Ruby on Railsが開発されていなければ、ツイッターもAirbnbもない。

最近、読んだ本で仕事の参考になったものは?

「Data for the people」 by Andreas Weigend
 日本語では「アマゾノミクス」というタイトル。アマゾンの元チーフサイエンティストが書いた本で、データを精製する会社の今後や、プライバシーに関することなどが網羅されていて、具体的なユースケースも満載で面白かったです。