複数の商品分野を集め総合化を図り、部門(デパートメント)を明確に区分・管理した店舗を指し、衣類・服飾雑貨の高級品を中心とした対面販売のワンストップショッピングの小売店のこと。通常は多層階である。大都市を前提とした大商圏で発達し、日本では座売り式から陳列販売方式への変換がスタートであるといわれる(三越)。戦後の物不足と高度経済成長期を背景に拡大成長したが、91年(バブル崩壊)をピークに減少傾向が続いた。低成長に加え価値観の多様化や専門店の発展の影響が大きく、家電・家具は撤退し衣料と服飾雑貨が中心である。仕入れは買い取りと委託及び売上げ仕入れがあるが、売上げ仕入れの比率が高く“場所貸し商売”といわれる。母体は呉服、電鉄の2系統に分けることもあるが、2007年頃より統合を繰り返し、大手数社に集約されつつある。近年は食品(デパ地下)の重要性が高くなる一方、大都会の百貨店ではインバウンド需要が多くなる。

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