「小売・流通用語集」は、流通業界統一の用語辞典として初めて制作されました。業界関係者のみならず全国の学生や若手社員に本書を使用していただき、業界の最前線で使用されている用語やその意味を理解し、流通業界の発展につなげていただければと思います。

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- 2020.07.30
小売・流通用語集~流通業界で働く方必携~ 「小売・流通用語集」は、流通業界統一の用語辞典として初めて制作されました。業界関係者のみならず全国の学生や若手社員に本書を使用していただき、業界の最前線で使用されている用語やその意味を理解し、流通業界の発展につなげていただければと思います。 -
- 2020.07.02
ワンストップショッピング 1つの店舗ですべての買物をすること。伝統的には、購入対象商品別のそれぞれ専門の小売店を消費者が訪れて買物するのが一般的で、それを補完するために異業種・異業態の商店が商店街や寄り合い店舗のように集団を形成し、1カ所での購買の便宜を図ってきた。小売企業が大規模化し、衣・食・住の全領域にまたがる多種・多系統の商品を取り扱って総合化を実現すれば、1つの小売店舗であらゆる買物をさせることが原理的に可能になる。ただし、ワンストップショッピングが便宜をもたらすのは、消費者の通常の関連購買品の範囲に限られる。 -
- 2020.07.02
ワンウェイコントロール 入店客を店側の計画通りに誘導すること。店内の一部しか通らずに品揃えのすべてを見るチャンスが少ない顧客に対して店内の全通路をくまなく歩いてもらうために築きあげられたもの。 -
- 2020.07.02
ワークスケジュール 作業予定(表)のこと。管理者は月次・週次・日時単位で作業を予定し、作業者へ指示する。この際、具体的な作業内容・手順・時間など、具体的に表として落し込むことが理想である。作業量に合わせた人員配置をすることで無駄な経費を抑え、効率的に業務が推進される。 -
- 2020.07.02
ワーカー 上司から作業を割り当てられた、ルールに沿って作業を実施する役割の人のこと。数値責任は持たず、定まった時間内に定型的な作業(生産効率の向上が図れる)を行う労働者を指す。 -
- 2020.07.02
ロングテールの法則 クリス・アンダーソンが提唱したもので、販売量の少ない品目でもさまざまな商品を幅広く提供する体制を組めば全体として大きな売上げを達成できるという仮説のこと。従来の店舗を構えた販売では、店舗面積や在庫などの経済的理由からより効率的な売れ筋商品中心の販売を提唱する上の「上位20品目で売上げ80%占める」といった法則が強調されたが、在庫費用の掛からないオンラインショップでは、販売数量にかかわらず多品目をそろえることが重要である。店舗型では書店がこれにあてはまる。 -
- 2020.07.02
ロビンソン・パットマン法 アメリカで1936年に制定された価格差別を禁止する法律。1920年代以降のチェーンストアの急速な成長に対してチェーンストアが不当に低価格で仕入れていることに原因があるとして卸売業者と中小小売業者が求めた。メーカーや卸売業者は基本的にはすべての取引相手に同一品質の商品は同一価格で販売しなければならないものとされている。ただし、取引数量や支払い方法、その他取引条件の相違によって販売コストに差が生じる場合には、その差に見合う範囲で価格に差を付けることは認められている。しかし個別の取引にかかるコストの算定が難しく、近年では運用もそれほど活発ではない。 -
- 2020.07.02
ロット 仕入れ・製造などの業務で発生する製品単位のこと。ロットは物品を販売する際の「一山いくら」の一山(ひとやま)に由来する。「ロットサイズ」ともいう。生産管理や販売管理の基礎となる重要な概念で、生産ロット、販売ロット、発注ロットなどに分けられる。ロットは大きくなれば単位当たりの固定的な費用は安くなるが、在庫費用などのコストは増加するため、ロットの利益と在庫費用のバランスが取られた経済的発注量が計算される。近年では多品種少量生産・販売の影響でロットは小さくなる傾向にある。 -
- 2020.07.02
ロス率 期末帳簿在庫高と実地棚卸在庫高との差額を売上高で割ったもの。ロスをゼロにすることはできないが、できるだけ少なくしなければならない。ロス率の上昇は、店舗運営や従業員のモラール、在庫管理などに問題を抱えている場合もあるので注意が必要。 -
- 2020.07.02
ロスリーダー 客寄せのために損を覚悟で安く販売する目玉商品のこと。通常は商品の価格は「仕入原価+営業経費+利益」であるが、営業経費をまかなうために赤字となる商品をリーダーといい、仕入原価を割って販売される商品を特にロスリーダーと呼ぶ。 -
- 2020.07.02
ロスチャージ コンビニエンスストア業界では加盟店主は売上高または総利益高に40~70%程度のチャージ率を乗じたロイヤルティを本部に払う契約を締結するが、商品ロスに対してもロイヤルティを課すという制度のこと。この場合、消費期限・賞味期限のある商品の廃棄ロス原価や棚卸しロス原価をチャージの対象とし、廃棄などに伴う費用すべて加盟店の負担となる。コンビニ業界における紛争の大きな原因の1つで、訴訟にまで発展した例もある。 -
- 2020.07.02
ロジスティクス (ロジスティックス) もともとは前線の部隊のために軍事装備・人員などの調達・補給・展開・管理などを行う「兵站(へいたん)」を意味する軍事用語だったが、ビジネスやマーケティングの分野に転用され、原材料や製品などの仕入れから生産、輸送、保管、販売までのものの流れを効率的に行い統制することをいう。戦略的、総合的な物流制御で、チェーンストア経営においては顧客のニーズに対する迅速・的確な対応という観点から特に重要なものとなっている。 -
- 2020.07.02
労働分配率 荒利益高に占める人件費の割合。人件費には従業員給料、賞与、退職金、役員報酬、法定福利費、福利厚生費、教育訓練費、採用費などすべてが含まれる。一般的に45%を超えると危険といわれている。 -
- 2020.07.02
労働生産性 付加価値生産性ともいわれ、ある一定期間における従業員1人当たりの荒利益高のこと。この従業員の中には本部勤務者やパートタイマー、アルバイトなどもすべて含まれる。パートタイマー、アルバイトは1日8時間労働に換算して計算する。1時間当たりの生産性が人時生産性となる。労働生産性=荒利益高/従業員数 -
- 2020.07.02
労働基準法 憲法第27条第2項を根拠とし、1947年4月に交付された法律で、基本的に労働者保護の観点から規定されているものであり、労働者に関わる法律の中で最も基本的で包括的な法律である。従って、規定されている事項は労働者の労働条件の最低限度の内容となっており、労働基準法を下回る労働条件などは労使の合意があろうとも無効となり労働基準法の条件が無条件に適用される。 -
- 2020.07.02
労働契約法 労働者と使用者の間で結ばれる労働契約の基本原則を定めた法律で2008年3月に施行された。就業形態の多様化や個別労働関係紛争の増加などに対応するために制定され、労働契約の締結・変更・継続・終了、有期労働契約などについて規定している。労働契約は労働者と使用者が対等な立場で合意・締結・変更するものとし、懲戒権や解雇権の濫用は無効であること、有期労働契約についてはやむを得ない事由がない限り期間中に解雇できないことなどが明記されている。 -
- 2020.07.02
労働契約書 労働者を雇い入れる際に事業主(雇用者)が主に業務の種類や賃金、雇用期間といった労働基準法により明示が義務付けられた項目などを通知する書面のこと。名称はさまざまで「雇入通知書」「雇用通知書」「雇用条件通知書」と呼ばれることもある。 -
- 2020.07.02
労働協約 労働組合と使用者との間で労働条件などについて締結される集団的協定のこと。協約の内容には、大別して賃金、労働時間などの組合員の労働条件を定める条項とショップ制、争議条項、平和条項など使用者と組合員の権利義務の関係を定める条項がある。就業規則はその他、諸規程ならびに労働契約で協約に抵触する部分は協約が優先する。 -
- 2020.07.02
労働安全衛生法 労働者の安全と健康を確保し快適な職場環境の形成を促進することを目的として1972年に制定された法律。労働災害を防止するため、危害防止基準を確立するとともに安全管理者・衛生管理者などの設置や、資格の取得や技能講習の実施などの総合的な対策を計画的に推進することを事業者に求めている。 -
- 2020.07.02
労働者災害補償保険法 労働者の業務中に発生した傷病、廃疾、死亡についての補償を行う労災保険を規定する法律で、1947年に制定された。労災保険制度はもともとは労働基準法の定める災害補償を確実に行わせることが目的とされたが、その後、給付内容が大きく拡充され、今日では社会保障の一環としての性格が強くなっている。 -
- 2020.07.02
ロイヤルカスタマー ある企業や商品やサービスに対して忠誠心の高い顧客のこと。このような顧客の存在により、他に競合が現れた場合でも他社を利用することなく自社のみを利用し続けてくれることから安定した収益が期待できる。ただし、常に自社に向き合うので「あばたもえくぼ」状態になる可能性があり、他社との比較や競合の動向を知る上では有力な情報源とはならない場合がある。 -
- 2020.07.02
ロードサイドリテーラー 自動車の普及に伴って発達した都心と郊外を結ぶ生活幹線道路沿いに新店舗を出店している小売業者の総称。主に靴、家具、酒類、玩具、家電品、紳士・婦人・子供服店、書籍などカテゴリーを絞り込んだ専門ディスカウンターが多い。その結果、地方都市では集客力に劣る都心部商店街の衰退や空洞化が問題化している。 -
- 2020.07.02
ローコストオペレーション コストを極力圧縮した店舗運営のことで、消費の伸び悩み、低価格志向の高まり、店舗間競争の激化などの環境下でも収益の確保が可能な仕組みづくりである。そのためには、作業の単純化・標準化などによる人時生産性の向上、情報の共有などによる単品管理・カテゴリー管理を通じ、在庫圧縮、流通コスト削減、店舗の建設・維持費の削減などへの積極的な取り組みが必要になる。 -
- 2020.07.02
ローカルチェーン 1つの都市圏内に限定して出店しているチェーンストアのことで、一般的に11店舗以上の店舗を持つという定義がある。各店舗は互いに商圏を隣接させていることが重要で、店舗の商圏が離れたら力強い商圏を形成することが困難である。1つの商勢圏に集中することで、店舗の運営・管理・商品の配送などのメリットを享受できる。1つの地域に集中して出店するという戦略をドミナント戦略という。 -
- 2020.07.02
連結決算 親会社と国内外の子会社、関連会社などからなる企業グループを単一の組織とみなして、企業グループの財政状態及び経営成績などを把握し報告するために行われる決算方式。企業グループの実態をより正確に財務諸表に反映できるメリットがある。 -
- 2020.07.02
レディトゥイート商品 「RTE」と略される。簡単(すぐ)に使用(食べられる)商品で、手間を掛けずに使用(食することが)できる調理済み食品のこと。米国FMI(Food Marketing Institute)が、1996年のキャッチフレーズ「ミールソリューション(MS)」で「ホームミール・リプレースメント(HMR)」が提唱され4つの解決策を示した。それが「レディ・トゥ・プリペア(RTP)」:食材の下ごしらえを準備している商品、「レディ・トゥ・クック(RTC)」:すぐに加熱したりして料理ができるように味付けや下料理をしている商品、「レディ・トゥ・ヒート(RTH)」:温めるだけで食べられる商品、そして「レディ・トゥ・イート(RTE)」である。RTE、RTHをどう拡大するのかが日本でも課題となる。 -
- 2020.07.02
レギュラーチェーン 単独資本(直営)による中央統制のチェーンストアのこと。複数資本による運営形態と区別する呼び方であり、日本独特のもので、アメリカでは「コーポレートチェーン」と呼ばれる。 -
- 2020.07.02
レイオフ (一時解雇制) 操業短縮時に事業主が労働組合との協定に基づき将来の再雇用を条件として一時的な解雇を行う制度のこと。アメリカでしばしば行われているレイオフ(layoff)であり、職場別などで先任権が定められ、解雇は新参の者、再雇用は古参者から行われる。休職期間中に休業手当が支払われる一時帰休制とは異なる。 -
- 2020.07.02
レイアウト 配置のこと。店舗レイアウトは、売場や設備、通路の配置をさす。分かりやすさ、買いやすさ、関連販売などを重点に置いて決められる。このレイアウトによって、客導線や作業導線が決まる。 -
- 2020.07.02
LSP 作業量を科学的に分析して、その結果として作業量に応じた適正な人時(労働力)で店舗を維持、運営管理していく手法のこと。Labor Scheduling Programの略。人に作業を割り振るのではなく作業に人を割り振るのがポイントである。作業量に応じて過不足なく人員を配置することで、結果として人的効率を高め生産性向上につなげる。ただし、すべての作業が数量化して把握できるわけではないので注意が必要である。また個店対応のオペレーションが困難となり、競合の激しい地区での優位性を保ち難い点がデメリットである。 -
- 2020.07.02
ルーラル 「田舎の」「田舎らしい」の意味で、多くの場合複合語の形で使いられる。アーバンの対語。かつては開発されない田園風景を想像したが、1980年代後半からの郊外開発の進展によって伝統的な意味でのルーラル地域の多くが開発されていった。 -
- 2020.07.02
ルーチン業務 特別な判断を伴わない定型的に反復継続される業務のこと。中でも人間の判断を伴わない定型業務は急速な技術革新により次第に機械化・自動化されつつある。日々繰り返されるルーチン業務は、慣れによりムダ、ムリ、ムラが発生しやすく、そのため常に効率的な改善を行われなければならない。 -
- 2020.07.02
稟議制度 意思決定に際し、会議の開催を省略して担当部局からの提案書類を関係者が個別に審査し、押印することによって全体の同意を得ることを稟議といい、そのための提案書を稟議書という。最終的決裁者にすべての判断を委ねると判断を延期したり偏る危険があるため、関係部局が事前に審査に加わることによって多方面からのチェックを行いながら、かえって円滑な意思決定が可能になる。決定後も事前の了解が得られていることから執行は円滑に行われる。ただし、多くの関係者が関わることによって責任が曖昧になる恐れも指摘される。 -
- 2020.07.02
量感陳列 (ボリューム陳列) 単品大量陳列とも呼ばれ、直接的に販売に関わり売るための陳列方法のこと。販売する商品全般を効率的に陳列することで活気やボリューム感、安さを演出する。量感陳列は迫力がありアイキャッチになるので集客効果を高められ、また手に取りやすくなるため購入までのハードルが下がる。同じ商品で同じ見せ方が続くと量感陳列の効果は半減するので、テーマを持たせその時々で異なった商品を陳列することが大切である。 -
- 2020.07.02
流通BMS 各業種、各業態の流通事業者が標準化された通信手段及びフォーマットにてデータを交換することにより、複雑な個別対応をなくし、コスト削減を目指して策定された標準規格のこと。BMSとはBusiness Message Standardsの略語。具体的には電子取引文書、通信プロトコル、セキュリティに関するEDIの標準仕様を制定したものであり、これを採用することによって取引コストの節約が期待されている。現在は主に卸業者と小売業者での対応にとどまっているが、将来的にはメーカーや銀行も含めた形を想定している。 -
- 2020.07.02
流通加工 流通の段階において、商品の価値を高める目的で種々の加工を施すこと。大容量の容器から販売に適した大きさの容器に詰め替える小分け、タグ付け、ラベル貼り、複数の商品を箱詰めするなどのセット組み、包装、検品などを総称する。加工作業は主に倉庫や物流センターで行われ、多くの人手を要する作業もある。 -
- 2020.07.02
流通革命 流通業全体のシステムなどが根本から一新されること。メーカーが支配している流通機構を小売業が握り、流通の支配権を確立すること。具体的には、つくる立場からのマーケティングを、生活者が暮らしで使う立場からのマーチャンダイジングに切り替えることで、チェーンストアが材料の集荷から製品加工、運搬・保管から最終消費者の手に渡るまでの過程を設計・統制し、自らのリスクで運営すること。この言葉が定着するきっかけは、1962年に出版された林周二『流通革命』(中公新書)と、田島義博『日本の流通革命』(マネジメント新書)であった。そこでは当時成長しつつあったスーパーマーケットとメーカーによる流通系列化が大きな方向として指摘されていた。 -
- 2020.07.02
リモデル 「つくり替える」「型を直す」「改築する」の意味で、リニューアル、リフレッシュと同義語として使うことが多い。ニュアンスとしては比較的大規模な改革の場合に使われ、リフレッシュは「元気を回復する」「新鮮にする」「気分を新たにする」意味で比較的小規模なものに使われることが多い。 -
- 2020.07.02
リミテッドアソートメントストア 取り扱いアイテム数を限定した安売り業態店のこと。手間のかかる生鮮食品をほとんど扱わず、一般食品と日用消耗品の売れ筋に絞って品揃えされている。単品大量仕入れと大量販売によって猛烈なEDLPを行う。代表的な企業として、ダイエーグループのビッグ・エーやドイツのアルディがある。 -
- 2020.07.02
リベート 目標を達成した卸売業者や小売業者にメーカーが報酬として支払うお金のこと。割戻金、歩戻金、販売報奨金などとさまざまな名称で呼ばれる。また、購入金額や数量、支払方法、目標に対する達成率、特別な期間での取引など、さまざまな取引上の契約に基づく種類のリベートがある。いずれにしても正当な契約に基づく支払いが原則であって、不当な圧力で支払われるものではない。