アイドルを「見つける」フェス、メディア

 こうしたアイドルコンテンツの傾向に合わせて、「TOKYO IDOL FESTIVAL」(TIF)といった大型アイドルフェスやテレビ番組も様変わりし始めた。具体的には、それぞれが「次世代アイドルを見つける」目的に向かい始めたことである。楽曲派の台頭によって、より一般にも認知されやすいアイドルが相次いで現れたため、新規ファンの取り込みに苦労しているアイドル界は、ここに活路を見いだすかたちになった。

 先に紹介した大阪☆春夏秋冬は、2015年のTIFでアイドルファンに「見つかった」。さらに2017年は、同じく楽曲派アイドルで紹介したTask have Funが「見つかった」といわれている。このように、夏フェスが単に「見て楽しむ」イベントから、ファンを巻き込んで「アイドルを発見する」場に変わりつつある。そうであれば、その場をもっと新規アイドルの発見の場に利用できないかという考えから、オーディションイベントが活性化している。

 日本最大のアイドルイベントであるTIFは、2017年より「全国選抜LIVE」と「Road to TIF」という新企画を立ち上げた。全国選抜LIVEは、地方選抜を勝ち抜いてきたアイドルを最終的にTIFのステージに上げるイベント。また、Road to TIFは、ストリーミング配信アプリ「SHOWROOM」を使ったアイドルの勝ち抜きイベントである。さらに2018年のTIFに向けて、新たな企画「アザーレコメンドLIVE」がスタートした。こちらは、「アイドルの有識者」と呼ばれる審査員によって選抜を行っていく仕組みだ。

 こうしたアイドルのオーディションは、夏フェスだけではなく地上波テレビでも展開され始めた。2017年8月に放送が始まったテレビ朝日系列の深夜番組「ラストアイドル」がそれだ。こちらは、AKB48グループや乃木坂46、欅坂46などをプロデュースする秋元康が手掛けたオーディション番組である。選抜されたメンバーが最終的にメジャーデビューできるという、これも1つのアイドルを「見つける」ためのコンテンツといえる。

 こうした新たな取り組みは、現在のアイドル界が、ある意味、「頭打ち」状態になっていることに起因して活発化している。これらアイドルビジネスの全体的な動向については、続編で詳しく見てみたい。

(文/野崎勝弘=メディアリード)