高価格帯商品が想定の3倍の売れ行き

 翌2012年は従来品と並行して綿の比率が95%の「極上ホットコット」も発売した。通常品が税込み990円であるのに対し、極上ホットコットは税込み1990円と2倍の値段だったが、想定の約3倍を売り上げ、「着心地がいい」「こういう製品が欲しかった」という反響があったという。その後、2014年にも綿100%のホットコットを発売。こちらも好評だったことで、従来のホットコットそのものの綿比率をアップさせる方向に至ったという。

「あったかインナー・綿混Vネック長袖メンズ(ホットコット)」(917円)。カラーはアンティークネイビー。リブ袖になっており、風が入り込まない設計
「あったかインナー・綿混Vネック長袖メンズ(ホットコット)」(917円)。カラーはアンティークネイビー。リブ袖になっており、風が入り込まない設計
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 従来品は綿とマイクロアクリル、吸放湿性が高いレーヨンをブレンドして薄さやフィット感を出していたが、2016年モデルは原綿に薬品加工を施したオリジナルの発熱綿糸に、高級綿糸のスーピマ綿とオーガニックコットンを組み合わせ、薄くて柔らかい綿素材に仕上げた。さらに、5%のポリウレタンを加えて伸縮性を高めている。厚みは従来品とほぼ変わらないものの、綿の比率が高まったことで綿が空気を含んだときの保温力が向上し、体感温度が0.8℃上がっているというモニター試験の結果が出たそうだ。

 値段は従来品から変更せず、税込み990円のままで販売する。また、「タグが肌に当たるとチクチクする」という声を受け、2016年モデルからは品質表示タグを廃止。生地に直接プリントしている。

 綿比率45%のホットコットが好調だったのなら、このまま従来品と高級価格帯の商品を並行して販売することもできたのではないだろうか。

 「ホットコットはベルメゾンの定番商品だが、発売から5年を経てマンネリ感を感じるユーザーも多いのではないかと考えた。過去に好評を得た高価格帯商品を低価格で提供できれば、改めてホットコットのよさをアピールできると思い、リニューアルすることにした」(浅川氏)

 2011年からの5年間で、他社からも綿比率が高い商品が発売されるようになった。差異化を図るために、価格は据え置いたままで綿の比率をさらに高める必要があったというわけだ。

 今年はベルメゾン初の試みとして、輸入生活雑貨を扱うPLAZA(プラザ)・MINiPLA(ミニプラ)全87店舗での販売を開始した。店頭では試着もできるので、通販の弱みとされる「直接手に取ることができない」点が解消される。また、プラザ、ミニプラともに利用客は10代から20代の女性が中心。店頭販売をきっかけに、ベルメゾンの新規ユーザー獲得につながるのではないかと見ているようだ。