コインランドリー市場を拡大したのは小泉政権とユニクロ!?

 コインランドリーが日本に広まったのは、1960年代。米国のコインランドリーチェーン「しゃぼん」が全国展開した初のチェーン店だ。その後、国産のコイン式洗濯機、コイン式ガス乾燥機も開発され、急速に設置台数が増えた。

  「コインランドリー市場が拡大する大きなターニングポイントとなったのは、2005年に第一次小泉内閣が打ち出したクールビズとユニクロの台頭」と振り返るのは、ダイワコーポレーション 東日本営業本部 取締役本部長の長谷川文樹氏。オフィスで夏場のスーツ、ネクタイの着用が減り、全世代的に服装がカジュアル化したことでクリーニング店に出す衣類が減り、家庭で洗える衣類が急増したというわけだ。

 一方で女性の就業率が上がって洗濯にかけられる時間が減少したため、週末に大量のまとめ洗いが短時間で効率的にできるコインランドリーが歓迎されるようになったのだという。またリーマンショック後の不景気で、クリーニング店に出していた布団やカーテンなどを自宅で洗うニーズが増えたことも要因のひとつ。「リーマンショック直後、米国で売り上げが拡大した数少ないビジネスの一つはコインランドリーといわれている」(ダイワコーポレーションの池部氏)そうだ。

 エムアイエスの三原社長は、主婦がコインランドリーを愛用する最大の理由を「家庭用洗濯機とのパワーの差による時短」だと指摘する。洗濯機は洗濯物の重量が大きすぎると、脱水時に動いてしまう。業務用の洗濯機は地面に固定しているため容量が大きくても動かないが、家庭ではそれができず、容量に限界がある。また家庭用乾燥機は熱源が電気なので温度がそれほど上がらず、乾くまでに時間がかかる。一方、コインランドリーの乾燥機は熱源がガスで温度が高いうえ風量も大きいので、短時間で洗濯物が乾くのだ。

 「家庭用洗濯機の容量の主流は5~6kg。4人家族で1日4kgの洗濯物が出るとして、1週間分なら最低5~6回は洗濯機を回さなければならない。また、乾燥機は中で洗濯物が浮きながら回らないと乾かないため、容量の3分の1から半分くらいしか入れられないうえ、家庭用の乾燥機は温度がそれほど上がらず、乾くのに時間がかかる。しかしコインランドリーなら容量が大きいのでまとめ洗いでき、乾燥まで含めても1時間ちょっとで、1週間分の洗濯が終わる」(三原社長)

 清潔志向が高まり、ソファカバー、カーテン、ベッドパットなどの大物も家庭で定期的に洗いたいと考える主婦が増えていることも、コインランドリーの人気が高まっている大きな要因だ。またアトピー性皮膚炎やぜんそくの原因となるダニのふんや死骸の除去に水洗いが効果的なことや、在宅介護が増加している事情も、頻繁にふとんを丸洗いしたいというニーズを増大させている。

 さらに、タオル、毛布、羽根布団などは天日干しより乾燥機のほうがふんわり柔らかく仕上がるという。「梅雨時などに緊急避難的に使って、パワーがあるから時短になることを知ってリピーターになるパターンも多い」(コインランドリー機器国内シェアトップのハイアール アジア)。特にどのコインランドリーでも人気が高いのは、家庭で時間をかけて洗っても汚れが落ちなかったスニーカーが、短時間できれいに洗濯できる「スニーカーランドリー」だそうだ。 

ハイアール アジアの「ふとん乾燥洗濯機」。布や中綿が傷みにくい「循環滝洗い」(ドラムに貼りつけた布団の中を洗浄水が通り抜け、汚れを外に押し出すように洗う)や、中綿までしっかり乾燥させる「高圧吸引乾燥」機能を搭載
ハイアール アジアの「ふとん乾燥洗濯機」。布や中綿が傷みにくい「循環滝洗い」(ドラムに貼りつけた布団の中を洗浄水が通り抜け、汚れを外に押し出すように洗う)や、中綿までしっかり乾燥させる「高圧吸引乾燥」機能を搭載
[画像のクリックで拡大表示]
ハイアール アジア「スニーカーランドリー」。消臭・殺菌効果のある洗剤を自動投入し、臭いや雑菌を取り除き20分でスニーカーを丸洗いした後、低温風で乾燥させる
ハイアール アジア「スニーカーランドリー」。消臭・殺菌効果のある洗剤を自動投入し、臭いや雑菌を取り除き20分でスニーカーを丸洗いした後、低温風で乾燥させる
[画像のクリックで拡大表示]
オープニングの割引キャンペーンでは布団の丸洗いに人気が集中する(写真は愛媛県西条市のランドリーデポ西条店)
オープニングの割引キャンペーンでは布団の丸洗いに人気が集中する(写真は愛媛県西条市のランドリーデポ西条店)
[画像のクリックで拡大表示]