中高年狙いだったが美容意識の高い女性に受けた

 アーモンド効果について、「健康事業に力を入れたいと考えたのがきっかけで開発した」とグリコ健康事業・新規事業マーケティング部の矢野達也ブランドマネージャーは話す。同社はこれまで菓子など子ども向けの商品に力を入れていたため、「年配の人向けの商品や健康に関する商品はあまり得意ではなかった」(矢野マネージャー)。商品開発に向けて調査を行ったところ、「健康に良いのでサプリ代わりにアーモンドを毎日食べている」という人が多くいることが分かったという。だが、大量に食べるのは難しいし、硬くて歯に挟まるという意見もあった。そこで、欧米ですでに支持を集めていたアーモンドミルクに着目したという。「当時、市場にはすでに輸入のアーモンドミルクがあったが、味や風味が薄く、日本人にはなじみにくいと思った」(矢野マネージャー)ことから、アーモンドの香ばしさやコクを意識しながら約1年かけて開発した。

アーモンドミルクはアメリカで急激に市場が伸びている(資料提供・グリコ)
アーモンドミルクはアメリカで急激に市場が伸びている(資料提供・グリコ)
[画像のクリックで拡大表示]

 発売当初は中高年にターゲットを絞り、新聞折り込み広告を出すなどしていたが、実際には美容意識が高い女性を中心に売れていることが分かった。そこで、若い世代が目にする機会が多いSNSの広告にも力を入れ始めたという。発売から約2年半後には前年比約1.5倍にまで売り上げが伸長。アーモンドミルク市場全体も、2014年から2017年の3年間で240%拡大したという(2014年4〜9月と2017年4〜9月を比較した場合)。

「豆乳のように、どこかで仕掛ける必要がある」

 徐々に認知も売り上げも伸びているが、「調査したところ、認知率は4割だが購入率は1割程度だった。硬いアーモンドの実がドリンクになるのが想像しにくいという意見もあり、なかなか手を伸ばしにくいのではないかと感じた」(矢野ブランドマネージャー)。

グリコ健康事業・新規事業マーケティング部の矢野達也ブランドマネージャー
グリコ健康事業・新規事業マーケティング部の矢野達也ブランドマネージャー
[画像のクリックで拡大表示]

 今回のコラボパスタのように料理にアーモンド効果を使うことで味を知ってもらい、購入者を増やすきっかけを作りたいと矢野ブランドマネージャーは話す。最終的な目標は日常的に飲まれる飲料になること。ライバルとして挙げたのは豆乳だ。「豆乳の市場規模は400億円以上。豆乳を超えられるようになれればいいが、その半分くらいの規模は目指したい」(矢野ブランドマネージャー)。しかし、豆乳は発売から数十年の歴史があり、アーモンドミルクとは認知に大きな差がある。

 「豆乳も過去何回かのブームがあり、売り上げがぐんと伸びた時期があって広がっていた。戦略的にいろいろ仕掛けていたのではないかと思う。アーモンドミルクもじわじわと伸ばすのではなく、客のニーズをつかみつつ、仕掛けながら市場を広げていきたい」と矢野ブランドマネージャーは意気込む。

(文/樋口可奈子)