ホテルより安く飲食店より自由、公民館より設備が充実!?

 レンタルスペースを利用する理由として最も多く挙げられるのが、自由度の高さとコストパフォーマンスの良さ。「その代表的な例が、子連れのママ会。貸し切りスペースは、自宅のセカンドルーム感覚で気楽に使えるのが魅力。また最近の学生は、PCやスマホで好きな音楽を流したりしながら、仲間同士でだらだら飲むスタイルを好む。そのため学生の飲み会でレンタルスペース利用が広がっている」(シープスの舩木社長)。

 飲食の調達の選択肢が増えていることも、レンタルスペースを選ぶ理由のひとつ。「主婦は金銭感覚がシビアだが、デパ地下やデリバリーのほうがカフェより安くておいしいことも多い。また最近の学生は、そもそもあまり飲酒量が多くない。コンビニでお酒を買って来て、レンタルスペースにたこ焼き器と材料を持ち込み、手作りで安上がりに楽しむ飲み会が増えている」(シープスの舩木社長)。「ワイン愛好家のパーティをホテルや飲食店でやる場合、気に入ったワインを持ち込むと持ち込み料をとられる場合が多い。しかしレンタルスペースなら同じ金額かそれ以下で3~4時間と長く借りられるので、二次会に行く費用も節約できる。ケータリングのレベルがあがっているし、要望があれば業務提携しているシェフの派遣も行っている」(スペースマーケットの重松社長)。

 そして意外に大きな理由が「貸し切りだと人の目を気にしなくていい」ということ。「SNSの隆盛で、同じ趣味を持つ個人が集まるイベントの数が増えている。知らない人から見ればマニアックに見える趣味を持つ人が増え、色々な人が小イベントをやりたがる時代になっている。貸し切りのレンタルスペースであれば自由度が高く、まわりの目を気にしなくて済み、プロジェクター、音響設備、Wi-Fiなど設備が整っているというメリットがある」(シープス舩木社長)。従来、イベントに使用されてきた公民館は、料金は安いが、設備が整っていないため敬遠されるようになっているという。

 スペースマーケットで一番人気の物件は古民家で、熊谷など、都心から遠い物件でも人気が高いそうだ。こちらも「古民家ならではの非日常的な雰囲気があることのほかに、貸し切りなので人の目を気にせずに撮影でき、安心なことが大きな理由」(スペースマーケット重松社長)とのこと。同社では新たなイベントの需要を掘り起こすため、サイトでレンタルスペースの使用例を多数アップしている。「予約状況をウオッチしていて、面白そうなイベントだと感じたら、カメラマンを派遣して取材している」(スペースマーケットPR担当の端山愛子氏)という。

 シープスの舩木社長は他人同士が場所を共有しながら独立した仕事を行う“コワーキングスペース”時代から、SNSでつながった人々がイベントを行う“レンタルスペース”時代になったのではないかと指摘する。

シープスのサイトより、レンタルキッチンスペース「Patia(パティア)」。アイランドキッチン付きで子供用のスペースもあり、ママ会に人気(1時間5040円、税込み)
シープスのサイトより、レンタルキッチンスペース「Patia(パティア)」。アイランドキッチン付きで子供用のスペースもあり、ママ会に人気(1時間5040円、税込み)
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シープスに掲載されているスペースの一例。神宮球場が見え、ジャグジーやバーベキュー設備もある屋上スペース「神宮前SORA」(1時間9720円、税込み)
シープスに掲載されているスペースの一例。神宮球場が見え、ジャグジーやバーベキュー設備もある屋上スペース「神宮前SORA」(1時間9720円、税込み)
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渋谷の有名クラブ「CLUB camelot」で行われた日本酒イベント(スペースマーケット)
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300坪の広大な敷地にある庭園古民家「紫栄庵」(しえいあん)で行われたワイン会イベント(スペースマーケット)
300坪の広大な敷地にある庭園古民家「紫栄庵」(しえいあん)で行われたワイン会イベント(スペースマーケット)
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「DIY coworking atelier & cafe ViBAR」で行われた、カカオ豆からチョコを作るワークショップ(スペースマーケット)
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鎌倉市二階堂の築90年古民家で行われた、ヨガの体験イベント(スペースマーケット)
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