お化け屋敷、帆船、書店、野球場もレンタル可能!?

「イベントやパーティ用のスペースを個人向けに貸し出すサービスは当社が初では」と言うのはシープスの舩木芳雄社長。もともとはコワーキングスペースの運営をしており、自分の持っている物件の空室を埋めたいと考えて情報を集めていたとき、自分と同様に空きスペースを収益化したいと考えているオーナーが多いことに気づき、マッチングサイトを立ち上げたそうだ。

 最初はミーティングや打ち合わせ用にオフィスを貸し出す個人事業主がほとんどだった。しかし、カフェや雑貨店、キッチン付きスペース、ダンスフロアなど、オフィス以外の店舗が自然と増えてきた。昼は雑貨店を営業し、店を閉めたあとの夜に貸し出すスタイルも出てきている。隣に人気カフェチェーン店ができたために客足が途絶え、倒産危機に陥ったカフェが「どうせ客がいないのだから」とレンタルスペースとして貸し出したところ申し込みが殺到し、今ではそちらが本業になっているケースもあるそうだ。

 それに伴い、1年ほど前からはママ会や、お誕生日会など、ビジネス利用ではなく一般のイベント利用増えてきた。現在ではママ会、懇親会、バーベキュー、絵本の読み聞かせから、スナックを食べながらの自主上映会、人狼サークルによる人狼ゲーム、コスプレ撮影会など、実に多様な使い方で利用されているそうだ。

 スペースマーケットの重松大輔社長は前職でウェディングの写真事業の立ち上げを行っていた。そのなかで、多くの披露宴会場が平日に遊休スペースとなっていることをもったいないと感じていた。また海外では「LiqiudSpace」「EVENT up 」といった、スペースを貸し出すマッチングサイトが人気を集めており、国内でも貸し会議室のマッチングサイト「TKP」が急成長している。こうしたころから「空きスペースを借りたい」というニーズがあると見て、サイトを立ち上げたという。

 同サイトで取り扱っているレンタルスペースは現在、大小合わせて3800件前後。「ECサイトは品ぞろえが大事、年内に5000件、1年以内に1万件まで増やしたいと考えている」(スペースマーケットの重松社長)。

 また、スペースマーケットはユニークな物件が多いのも特徴。築250年の古民家や、結婚式場(青山迎賓館)、映画館(ユナイテッド・シネマ豊洲)、お寺、お化け屋敷、帆船、書店、家具屋、美容室のほか、貸し切りできる野球場なども同サイトに掲載されている。こうしたユニークな物件をそろえたのは、「ブランド構築を意識したから」とのことで、ウェディングビジネスで得た幅広いコネクションが役立ったそうだ。サイトが軌道に乗るにつれて「貸したい」という申し込みが増え、現在は貸し手の7割がサイトを通じて自発的に登録している状態だという。

 2社とも物件の掲載料は無料だが、マッチングが制約した場合、同社が手数料として店舗から使用料金を徴収する。シープスの場合は25%、例えば2万円で予約が成立したら5000円がサイトに入る。スペースマーケットの場合は物件や条件によって異なり、20~35%とのこと。

 両社が口をそろえて言うのは、ここに来て個人使用の割合が急激に増えているということ。「当初の利用者は、会議室などを求める企業と個人利用が半々だった。しかし現在は8割が個人利用。将来、飲食店を持ちたい人が1日限定の店を開くなど、新しい形の利用の仕方も増えている」(重松社長)。その理由はどこにあるのか。

スペースマーケットで人気が高いのは、古民家。写真は阿佐ヶ谷にある築93年の古民家「シェアサロン古民家asagoro」(1時間3600円~)
スペースマーケットで人気が高いのは、古民家。写真は阿佐ヶ谷にある築93年の古民家「シェアサロン古民家asagoro」(1時間3600円~)
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スペースマーケットで扱っている、築250年の日本家屋。和室、玄関、縁側、神社、テニスコートなど多彩な撮影スポットがある(1時間2万円~)
スペースマーケットで扱っている、築250年の日本家屋。和室、玄関、縁側、神社、テニスコートなど多彩な撮影スポットがある(1時間2万円~)
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お化け屋敷や野球場も貸し切り!? “なんでもシェアスペース”のカラクリ(画像)
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帆船、寺院、お化け屋敷、無人島もレンタル可能(スペースマーケット)