日本一の革どころたつの市で特別なiPadケースを発注してきた

 平成の大改修を終えて真っ白な姿を見られるようになった世界遺産の姫路城。その膝元・JR姫路駅から姫新線各駅停車で20分ほどで本竜野に着く。関西ではおなじみの薄口しょうゆの発祥の地であり、全国に知られる素麺のブランド揖保の糸の生産地でもある。本竜野の駅舎内にあるカフェでは、地元の特産品である革製品も売られている。実はこの姫路・たつの地域は日本の革製品の素材の大半を出荷する革産業の聖地でもある。たつの市だけで国内市場の70%の革材料を算出しているほどだ。当然その素材は有名ブランドの素材にも当たり前のように使われている。

地域の素材を生かして都市生活者の市場を狙う逸品が続々(画像)
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龍野市の革工房のサンプルルーム。さまざまな素材で色や仕上げを変えた革のサンプルが数百種類も(中島皮革にて)

 革はなめしと染色、表面加工や仕上げという工程を経て、バッグや靴などの製品を作るメーカーに納品される。今回訪ねたのは、たつの市の中に3エリアある革生産の集積地の1つ沢田地区。ここに拠点を構える松岡皮革の松岡哲矢市は、地域の若手タンナー(革職人)を束ねるリーダー的存在でもある。

 伝統の技術は踏まえながらも、新しい技術開発にも積極的に取り組んでいる。今回その実力を探るために、一頭の仔牛の背中の中心部分の革を使い、そこからわずか2枚しか取れない革を使ってタブレットのケースを作ってもらった。製牛の厚い革と違い薄くしなやかでしっとりとした手触りの高級皮革である。

 タブレットのケースは様々なデザインや機能のものがあるが、今回は革の素材感を重視して、ただ折り返して収納するシンプルなものにした。

 40代から50代の持ち物にしっかりとしたこだわりのあるビジネスパーソンをターゲットに置いた。

試作中のiPad miniケース。下に敷いているのは柿渋を使って仕上げたエゾシカの革。軽いためジャケットなど衣料品に向く
試作中のiPad miniケース。下に敷いているのは柿渋を使って仕上げたエゾシカの革。軽いためジャケットなど衣料品に向く
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