社外を徹底的に活用する

 ラボの開設にあたって、同社はリクルートで就職関連情報誌の編集長などを務めた山邊昌太郎氏をクリエイティブディレクターに起用。その理由は、「これまでは味や食感など商品の中身にフォーカスしてきたが、キッコーマンの生しょうゆのように容器を変えるだけで消費者の利用スタイルが一変し、大ヒットした商品もある。食品業界の人だとどうしても経験が邪魔をすることが出てくる。業界の常識にとらわれない、柔軟な発想をもつ人材が欲しかった」(カルビーの江原信上級副社長執行役員)。

 ラボのメンバー7人のうち、山邊氏を含む4人を異業種から招へいした。そこに、カルビーの研究開発部門のメンバーも参加しており、調査や商品開発を行う。オープンイノベーションの重要な要素である他企業との技術的なやりとりは研究開発部門のメンバーが中心になって対応するという。

左がカルビー フューチャー ラボの山邊昌太郎クリエイティブディレクター、右がカルビーの江原信上級副社長執行役員
左がカルビー フューチャー ラボの山邊昌太郎クリエイティブディレクター、右がカルビーの江原信上級副社長執行役員
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 同ラボがまず注力するのが、「多くの人と接点を持つこと」。そのために、県や地元の企業、大学(広島工業大学、県立広島大学)などと連携しながら、商品開発に参加する「サポーター」を増やしていく。

 同ラボではまず2000人にインタビューすることを目標にしており、すでに150人に話を聞いたそうだ。そこで気づいたのは、「最初は食べたいものなど食に関することを聞いていたが、これだとブレークスルーしないと気付いた。今は24時間の行動や日々の生活で大変なこと、困っていることなどを聞き、それぞれの人が大事にしていることを立体的に捉えるようにしている」(山邊氏)。そこからアイデアの素を拾って商品を企画し、外部のサポーターに試してもらいながらさらにブラッシュアップして商品化する、というのが大まかなプロセスだ。

カルビーがオープンイノベーションで100億円目指す(画像)
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フロアの壁を埋め尽くすように設置された棚は全部で200~300程度のスペースがあるといい、ラボ参加者が自分のアイデアの基を置いていく場所だという
フロアの壁を埋め尽くすように設置された棚は全部で200~300程度のスペースがあるといい、ラボ参加者が自分のアイデアの基を置いていく場所だという
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