e-POWERが目指した4つの目標とは?

 e-POWERの走りの魅力の一つは、エンジン車では実現できない圧倒的な静粛性だ。滑らかな回転を実現できるモーターは、市街地を巡航しているときで、1クラス上の中型車種、発進加速時は2クラス上の高級車種に匹敵する静粛性を実現できる。もう一つ、e-POWERの大きな魅力は、低速から高いトルクを生み出す、モーターならではの力強い走りだ。

 エンジン回転数を上げないと高いトルクが得られないエンジンと異なり、モーターには回転数ゼロで最大のトルクを生み出すことができるという特徴がある。このため、発進からの加速力は2リッターターボ車に匹敵するという。ノート e-POWERは大型高級車並みの加速性能と静粛性を備えたコンパクトカーだといえるだろう。

■EV並みの静粛性の実現
 空気と燃料の混合気が燃焼するエンジンではなく、モーターを駆動に使っているので、発進時の騒音レベルは2クラス上のアッパークラスの車種、市街地巡航時の騒音も1クラス上のミドルクラスの車種並みに抑えている。エンジンは、ロードノイズにエンジン騒音が目立たなくなる速度に達したタイミングで始動する。
発進時もクラスを超えた静かさ
発進時もクラスを超えた静かさ
ノート e-POWERと、上級車種の騒音を比べたデータ。ノート e-POWERは上級車種に匹敵する静粛性を実現した
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■力強く上質な加速性能を実現
 パワフルでスムーズな加速を実現できた大きな理由は、100%モーター駆動であることだ。エンジンの場合は、スロットルバルブを開けて吸入空気を増やすとともに燃料噴射量を増やすことで、燃焼圧力が上がって加速するが、どうしてもメカの遅れ、空気の動きの遅れなどにより、すぐには加速できない。

 一方、モーターの場合は、アクセル操作に対応して電流を増やすことで瞬時にトルクが発生する。つまりアクセル操作に対する加速レスポンスが格段に早くなるのだ。

 またリーフで培ったモーター制御技術も、スムーズな加速に貢献している。モーターは低回転から最大トルクを発生するため、そのままタイヤを回転させるドライブシャフトに伝達すると、シャフトがねじれて振動を起こしてしまう。これを防ぐために緻密な電流制御をおこなうことでトルクを制御し、力強く上質な加速を実現している。
発進加速、中間加速ともにスポーツカーをしのぐ
発進加速、中間加速ともにスポーツカーをしのぐ
アクセル操作に対する反応がよく、スムーズに加速していく。繊細なスピードコントロールは市街地走行では特に便利だ
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 加えてノート e-POWERは、これまでのクルマになかった新しい運転感覚を備えている。それが、アクセルだけで車両の動きを自在にコントロールできる「ワンペダル運転」である。EVではアクセルから足を離すと、モーターを発電機として活用して、車両の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。このとき車両には最大でエンジンブレーキよりも3倍以上強力な制動力を発生させることができる。この特性を利用すれば、アクセルの踏み具合を調節するだけで、加速だけでなく、減速もできる。つまりアクセルペダルをブレーキペダルとしても活用できるわけだ。このため本来のブレーキペダルを踏む頻度が大幅に減少するという。一旦この感覚に慣れると、アクセルだけで自在に速度を調整できる便利さを手放せなくなるだろう。

 もちろん、燃費性能も優れている。エンジンを発電専用に使うe-POWERでは、基本的にエンジンの効率が最も高い2500rpm前後で運転する。このため、日常的によく使う時速70km程度までの領域では、競合する他社のハイブリッド車よりも燃費性能で上回るという。

■EVならではのワクワクする新運転感覚
 ノート e-POWERでは「ノーマル」「ECO」「S」の三つのドライブモードを用意した。「ECO」「S」モードでは、アクセルペダルから足を離すと、従来のガソリン車のエンジンブレーキよりも強い減速力が働き、これを活用するとアクセルだけでクルマの速度を自在にコントロールできる。アクセルを踏み込んだ場合、「ECO」モードでは燃費を重視した穏やかな加速に、「S」モードではより力強い加速が得られる。
モードに応じて、加速・減速特性が変えられる
モードに応じて、加速・減速特性が変えられる
ノート e-POWERは力強い加速の「ノーマル」、さらに力強い加速の「S」、燃費を重視した緩やかな加速の「ECO」の三つのドライブモードを備える
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■トップレベルの省燃費
 e-POWERは、エンジンを発電専用に使い、駆動力はすべてモーターで得るのが特徴だ。通常のエンジン車では、加速時や低速走行時など、エンジンの効率の悪い領域で燃費が悪化するが、e-POWERでは、主に2500rpm程度の効率の高い領域を主に利用することができるので燃費が向上する。

 競合する他社のハイブリッド車と比べても、競合車はエンジンとモーターを協調させて走行する方式なので、モーターだけで走行するノート e-POWERは、特に市街地走行において、競合車を上回る燃費性能を発揮するという。