「日経トレンディ」は、1987年の創刊から30周年を迎えました。特別企画として、創刊時から毎年発表してきた「ヒット商品ベスト30」(1987年のみ「ベスト20」)を7日間連続で振り返ります(内容は掲載当時の文章を再構成したものです)。
1位 | カルピスウォーター |
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2位 | ムーバ(携帯電話) |
3位 | 画王 |
4位 | UX-1(家庭用FAX) |
5位 | ジュリアナ東京 |
6位 | 『ウォーリーをさがせ!』 |
7位 | 『少年アシベ』(ゴマちゃん) |
8位 | 東京都庁 |
9位 | 「東京ラブストーリー」 |
10位 | スーパーファミコン |
11位 | ビート | 21位 | 生カップめん |
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12位 | 紺ブレ | 22位 | ガーラ湯沢 |
13位 | パノラマコンパクトカメラ | 23位 | 高級アイスクリーム |
14位 | 紫外線カット商品 | 24位 | ミニスカート |
15位 | エンドウ豆スナック菓子 | 25位 | モーツァルト商品 |
16位 | MSウィンドウズ3.0 | 26位 | ハンディカム705 |
17位 | 「きかんしゃトーマス(ビデオ)」 | 27位 | 特定小電力トランシーバー |
18位 | ブラック系ダンス | 28位 | スーパーフーパー(スライダープール) |
19位 | フルーツカクテル | 29位 | ヘア写真集 |
20位 | 成田エクスプレス | 30位 | 国産ミュージカル |
カルピスウォーター


味の素の傘下で自販機倍増が貢献
その場で飲めて7月は400万ケース
「初恋の味」のキャッチフレーズで、かつて清涼飲料界をリードしていた「カルピス」。これを水で5倍に薄めて缶入りにした「カルピスウォーター」が91年、売れに売れた。2月の発売以来、9月末までに1250万ケース(1ケース350ml缶で24本)を突破、カルピス食品工業(当時)では年内に1500万ケースを見込んでいる。87年3月に発売されたアサヒビールの「スーパードライ」がこの年1350万ケース(大びん20本換算)だから、その勢いがわかる。
同社もこれほどのヒットになるとは予想していなかった。新製品とはいえ、従来からのカルピスを水割りにして缶に詰めたにすぎない。販売目標は年内で400万ケースだったが、7月初めで500万を突破。1000万も8月25日で達成した。
ヒットの背景は、その場で飲める、ということだろう。実際、全体の8割は外で飲まれている、という。
ムーバ(携帯電話)


世界最小、最軽量で100人分の番号記憶
優勢の新電電2社にNTT巻き返す
91年、NTTが発売した世界最小・最軽量の携帯電話、ムーバはマーケティングの失敗との声まであがった。需要を読み誤り、殺到する注文をさばききれなかったのだ。
当初の月産1万台に対し、5月末時点での予約が約15万台も入った。8月末でほぼ7万台を消化したが、予約量をこなすまでに「年内いっぱいはかかる」(同社)という。
ムーバは、NTTが満を持して発売した2年ぶりの携帯電話。他社が続々と新製品を発表するのをよそに、開発に時間をかけた。91年3月末時点で、携帯電話の契約台数は前年の約3倍の45万台。そのうち、競争相手の新電電2社のシェアが60%、NTTが40%。実にこの1年間で新電電2社に逆転されていた。
なにしろハイテクが詰まっている。部品の小型化を徹底する一方、最新のLSI(大規模集積回路)技術を使い、100人分の電話番号を記憶、3種類の発信音の切り替えなど、付加機能もたっぷり盛り込んだ。
画王


平面ブラウン管で優位に立つ
漢字のブランド名も決め手になった
松下電器産業(当時)が90年10月に発売したBS(衛星放送)チューナー内蔵の大型画面テレビ「画王」が、同社のテレビとしては最大のヒットとなった。8月末の時点で国内出荷台数が60万台に達し、年内には100万台を超す見通しという。昭和50年代前半に人気を呼んだ「クイントリックス」シリーズが持っていた3年間で累計70万台という記録を塗り替えた。89年発売の東芝の大型画面テレビ「バズーカ」も、すでに出荷台数100万台を達成しており、テレビ市場はこの2つでシェア5割という「2強」状態にある。
画王は松下がカラーテレビ事業30周年を記念して企画した商品とあって、当初から意気込みが違った。ブラウン管をフルモデルチェンジし、表面を平面に近付けたのがその一例。画面を平らにすると、視野角が広がって斜めからでも見やすくなり、デザイン上もすっきりする。しかし、コストはかさむ。それを29型で20万円ちょっとという戦略価格に抑えた。
TREND EXPO TOKYO 2017(11月2日・3日)
日経トレンディ30周年記念!
30年間のヒット商品ランキングから見えた、これからの“ものづくり”のヒント
アサヒビール「スーパードライ」ブランドマネージャー&元NTTドコモiモード企画部担当部長 × 水道橋博士
記念すべき第一回目の「ヒット商品ベスト20」(1987年)の第1位は「自動製パン機」! それから30年、「東京ドーム」(1988年1位)や「カルピスウォーター」(1991年1位)、「マルチメディアパソコン」(1995年1位)など、さまざまな商品がヒット商品のランキングを大いに賑わしました。未だにビール市場を牽引し続けるアサヒビール「スーパードライ」(1987年13位)のブランドマネージャー松葉晴彦氏と、今のスマホ時代につながる「iモード」(1999年2位)の開発に携わった平野敦士カール氏が水道橋博士とともに30年のランキングを振り返り、今後のヒット商品作りに役立つヒントを語ります(※講演者変更しました)。■お申し込みは下記から
https://ers.nikkeibp.co.jp/user/contents/2017z1101trend/index.html#S-2441
■TREND EXPO TOKYO 2017総合案内はこちら
http://trendy.nikkeibp.co.jp/expo/2017/?rt=nocnt
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