面白いのは、ニトリが考えたベタな造語「ハロスマス」

「ハロウィーンからクリスマスまで長い間、楽しめる」とアピールするハロウィーンツリーのPOP
「ハロウィーンからクリスマスまで長い間、楽しめる」とアピールするハロウィーンツリーのPOP
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 ハロウィーンツリーについて、ニトリ商品部の担当バイヤーは「3~4年前から欧米の店舗ディスプレーやネット店で確認しており、特に盛んな米国ではハロウィーン飾りの1ジャンルとして定番化したと考えている」と話す。発祥の背景は不明だそうだが、写真映えするインスタあたりで広まったのではないか。

 面白いのは、そうした「クリスマスツリーを使ったハロウィーン飾り」という海外発のトレンドを販促キャンペーンに取り入れ、2018年にニトリが命名した「ハロスマス」という造語(商標登録済み)だ。

 ベタな造語である。が、子どもにも分かりやすく語感がかわいい。その心は「Halloween+Christmas」「Hello!+Christmas」とのこと。家族で飾り付けを行うようなファミリー層がメインターゲット。「家の中で季節のイベントを楽しみ、ワクワクする年末のクリスマスを待ち遠しく迎えてほしい」との思いを込めたという。

クリスマスツリーを中心にハロウィーングッズを飾り付けた部屋の例 (画像提供:ニトリ)
クリスマスツリーを中心にハロウィーングッズを飾り付けた部屋の例 (画像提供:ニトリ)
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ツリーを中心に部屋全体をクリスマスの雰囲気にコーディネートした例 (画像提供:ニトリ)
ツリーを中心に部屋全体をクリスマスの雰囲気にコーディネートした例 (画像提供:ニトリ)
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飾り付けるツリーが同じでも日本人には違和感がない

 ハロスマスの魅力は何か。売り手側が考えるのは、売りやすさだ。

 「ハロウィーン飾りは市場のニーズとしてまだ定着していませんが、クリスマス装飾をベースにすることで気軽に試しやすい。しかも、ハロウィーンカラーのオレンジは日本の秋の色、紅葉感とマッチし、伝統的に季節の移り変わりを楽しむ日本人の生活に取り入れやすい。最近のSNS普及からインスタ映えを意識し、空間をすてきに演出したいというニーズにも刺さると考えています」(担当バイヤー)

 消費者側から見ると、安価に秋冬の間、毎日楽しめるのもポイント。財布を開くとすれば、ニトリ価格への安心感と庶民的ハードルの低さがある。

 そもそもクリスマスもハロウィーンも、大多数の日本人にとっては「市場が作り出した商業イベント」なので本質的な意味合いを持ち合わせない。なので、たとえ飾り付けるツリーが同じだろうが違和感がない。クリスマスが終わればお正月。クリスマスリースは門松に替わり、季節は巡る。

(写真/佐藤 久)

著 者

赤星千春

「?」と「!」を武器に、トレンドのリアルな姿を取材するジャーナリスト。