トレンドより「無印良品がやるなら」を考えて作った

 ターゲットは無印良品のメインユーザーである30~40代の女性。文具や菓子などは若年ユーザーも多いが「特に食品は、『化学調味料などを使っていないので安心』と感じる女性が多いのではないか」と同社食品部 調味加工担当の日向桃子氏。

 この年代の女性は、日常的にキッチンに立つ人も多いだろう。忙しいなかで肉や魚などのメイン料理は用意できても、野菜の副菜を作るのには時間や手間がかかるのではないか。そう考えて、ひじきの煮物や白あえなどをラインアップ。総菜は「京都の『おばんざい』をイメージした」(鈴木課長)。また、メインになるおかずでも煮込みが必要で調理時間がかかるものもある。「じゃがいもは皮をむくのも手間がかかる」(鈴木課長)。そこで、肉じゃがなどの煮込み料理も多くそろえた。

「鶏肉と根菜の京風お煮しめ」(200g、390円)
「鶏肉と根菜の京風お煮しめ」(200g、390円)
[画像のクリックで拡大表示]

 共働き家庭の増加で、ふだんの食事に冷凍食品を活用する家庭も増えている。お弁当用の副菜だけでなく、パスタなどの一品料理、中華丼の具、ボリュームのある肉料理などがスーパーで手軽に購入できる。また、コンビニ各社が扱う冷凍カット野菜を使っているという人も多いだろう。だが、「商品を作るうえでトレンドは特に意識していない」と鈴木課長。「消費動向を見て『売れているのはなぜか』をまず考える。そのうえで『無印良品がやるならどんな商品するか』を考えた」(鈴木課長)。

 例えば、冷凍うどん。「確かにあれば便利だが、スーパーやコンビニなどどこでも買える。家で簡単に作れるものやどこでも買えるものを、洋服や雑貨を選びにきたついでに買うのだろうか」(鈴木課長)。スーパーと無印良品で食品を選ぶ動機は異なるはず。そうした考えからキッシュ、キンパ(韓国風のり巻き)、世界各国の煮込み料理など、「市場にありそうでないもの」をラインアップ。定番メニューに思えるギョーザも、「化学調味料不使用で、国産野菜を使っているということを前面に出せば差異化できると考えた」(日向氏)。

 また、無印良品らしいと感じたのが無駄を省いたパッケージ。透明で中身が分かりやすいだけでなく、トレーを使っていないものも多いので、かさばらず、ストックしやすい。無印良品のヒット商品でもあるレトルトの「バターチキンカレー」などは、主婦の昼食用にまとめ買いされる例も多いという。冷凍食品も同様に、昼食需要としてのまとめ買いが見込めそうだ。

「カスレ(フランス風牛肉と豆の煮込み)」(160g、390円)
「カスレ(フランス風牛肉と豆の煮込み)」(160g、390円)
[画像のクリックで拡大表示]
「ほうれん草とベーコンのトマトクリームリゾット」(190g、390円)
「ほうれん草とベーコンのトマトクリームリゾット」(190g、390円)
[画像のクリックで拡大表示]
ほうれん草とベーコンのトマトクリームリゾットのパッケージ
ほうれん草とベーコンのトマトクリームリゾットのパッケージ
[画像のクリックで拡大表示]