高い収益性で安定した経営状態を継続

 宮本むなしの事業で注目すべきは、収益性の高さだ。田口社長が「売り上げがそこそこでも利益を出せる仕組み」と説明するように、人件費や食材原価を抑え、店舗オペレーションの簡略化で、小商圏でも安定して経営できるビジネスモデルを確立している。

 店舗によって面積や客席数は異なるが、平均20坪で月商450~500万円。客単価は680~700円なのでひと月に約7000人が来店する計算になる。前述の芝田店は、全店平均の2倍の客数と売り上げがあるという。サトレストランシステムズの2016年3月期の売上高営業利益率が3.1%だったのに対し、宮本むなしの営業利益率は10%以上。1ケタ台が大半の飲食店業界では利益率が抜群に高い。

 その要因のひとつが人件費の抑制だ。店舗はパート・アルバイトが運営し、正社員の店長はスタッフのワークスケジュールや配置、採用、出退勤、金銭などの管理業務に集中。ひとりの店長が複数店舗を管理している。

 そのために、調理や料理提供などの店舗業務を簡略化。パート・アルバイトだけでも運営可能なオペレーションシステムが確立されている。最終調理は店内で行うが、業者に依頼する食材の加工度を高めたり、メニュー数を約56品目に絞り込んだりして、調理の熟練度を早めている。

 さらに、店内に自動券売機を設置して省力化し、金銭管理業務をなくした。1店舗のパート・アルバイト数は平均10人でピークタイムは3~4人。田口社長は「店舗オペレーションシステムこそが感心した仕組みであり、そこに成長の可能性を見出した」と振り返る。

 ただ、一時100店舗を超えたものの、地の利を得られない首都圏や福岡から撤退し、店舗を集約。現在は、大阪に31店舗、滋賀に2店舗、京都に3店舗、奈良に1店舗、兵庫に16店舗、岡山に3店舗、名古屋に12店舗、岐阜に1店舗を展開している。

 「強みを生かして投資をすれば、既存店はもっと活性化する。当社では100店舗を超える可能性のある業態しか手がけないが、宮本むなしを成長させる自信はある」と、田口社長は豪語する。その原動力になるのが、サト独自の仕入れ開発力や店舗開発力。それを活用すれば、「今よりもっとおいしく、質の高い料理を安く提供できる」と、M&Aによるシナジー効果を強調する。

自動券売機を導入することで、パート・アルバイト従業員は金銭管理をする必要がない
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パート・アルバイトスタッフが効率良く調理できるように、キッチンの内部もシンプルにシステム化されている
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