製品を“恋人”にしてほしくてクラウドファンディング

 珪藻土は、昔から高い保温性と吸湿性から壁土に使われており、soilが“呼吸する素材”としてバスマットに使用してヒットした。ヒットが出れば必ず類似品が続く。soil製品は中国産などの類似品と比べると割高だが、すべて国内の珪藻土を使い、梶氏が監修して手作業で製造している。

 「市場には焼いて固めている製品もあるが、soil製品は自然に固まらせている。だから吸水性が高い」(名児耶社長)

アッシュコンセプトの名児耶秀美社長
アッシュコンセプトの名児耶秀美社長
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 格安商品の質の悪さが原因で、珪藻土バスマット自体への信頼度が揺らぎ始めたことに疑念を覚えた名児耶社長は、「そろそろ違いを理解してもらうプロジェクト」としてクラウドファンディングを選んだという。

 「クラウドファンディングの利用者には、ものづくりのストーリーを求める人が多い。そういう人たちにファンになってもらいたくて出品した。利益を出すためではなく、認知を高めるため」と名児耶社長は話す。

 最初の10枚は、10%引きで遅くても年内に届くと設定し、スタート早々に完売した。5%オフの商品も予想を上回る好評さに、「生産計画の練り直しが必要だ」(名児耶社長)と嬉しい悲鳴を上げる。

 梶氏もこの結果に発奮しているといい、「作り手を元気にできたことがうれしい。モノはみんなもう持っている。これからの日本のものづくりは、“恋人”だと言えるくらい思い入れの強い製品を作っていかなければならない」と、名児耶社長はものづくりの未来を見据える。

soil BATH MAT kajiにはすべて、梶氏が手掛けた証に「梶」の一文字が彫られる
soil BATH MAT kajiにはすべて、梶氏が手掛けた証に「梶」の一文字が彫られる
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(文/北川雅恵=日経トレンディネット)