「インスタ映え」意識した店舗設計

 カフェでは、キウイをふんだんに使った3種類のパフェを800円で販売した。パフェを開発するうえで意識したのは、「フォトジェニックであること」(猪股氏)。TwitterやInstagramなどのSNS利用者が多いと予測される地域への出店だけに、来店者がついつい写真を撮影して投稿したくなる商品作りを目指した。

果物の断面がカップから見える、インパクトのあるパフェ3種類を800円で販売した
果物の断面がカップから見える、インパクトのあるパフェ3種類を800円で販売した
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カフェの店内には撮影専用スペースを設けて、SNSへの写真投稿を促した
カフェの店内には撮影専用スペースを設けて、SNSへの写真投稿を促した
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 提供したパフェはいずれも、透明のカップの側面からは、果物の断面がのぞく。こうした見た目のインパクトで、思わず人に伝えたく気持ちの醸成を狙った。また、店内にはパフェを置いて、ゼスプリのキウイをモチーフにしたキャラクター「キウイ・ブラザーズ」のぬいぐるみなどと一緒に撮影できる専用スペースも用意した。「出店した地域には若者たちの間で人気を集めるインフルエンサーも多い。そうした人たちを通じてキウイの写真を発信することを狙った」(猪股氏)。

 商品や店舗の設計だけではなく、写真の投稿を促す施策にも取り組んだ。それがキウイ・ブラザーズのぬいぐるみのプレゼントキャンペーンだ。キウイ・ブラザーズは2016年に誕生したキャラクターで、スーパーのキウイ売り場などに販促目的でぬいぐるみを置いている。非売品にもかかわらず、どこで購入できるのかといった問い合わせが頻繁に寄せられる人気キャラクターだ。このぬいぐるみを景品に、ハッシュタグ「#ゼスプリキウイハント」を付けて、TwitterかInstagramに投稿すると抽選で当たるキャンペーンを実施した。

登場以来、人気を集めるゼスプリのキャラクター「キウイ・ブラザーズ」のぬいぐるみのプレゼントキャンペーンを実施
登場以来、人気を集めるゼスプリのキャラクター「キウイ・ブラザーズ」のぬいぐるみのプレゼントキャンペーンを実施
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 さらに、もし外れた場合でも、キャンペーン参加後にカフェに来店すると先着30人は漏れなくもらえた。その結果、ぬいぐるみを欲する人がカフェに殺到。店舗の開店前から行列ができる事態につながった。また、狙い通りに情報拡散にもつながり、Instagramの「#ゼスプリキウイハント」には6000件を超える写真が投稿されている。それが呼び水となり、さらなる集客につながった。

 こうした期間限定店を設置したい企業と、場所を貸し出したい店舗をマッチングするサービス「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」を展開するのがCOUNTERWORKS(東京都目黒区)だ。同社の三瓶直樹社長は「アパレル、飲料、消費財などさまざまなメーカーからの問い合わせが増えている。毎月、問い合わせ数は約20%ずつ増加している」と明かす。需要の増加に対応するために、同社は不動産会社のアトリウム(東京都千代田区)と共同でポップアップストア向けのレンタル施設を設置し、10月2日から営業を開始した。支援会社のサービスもより充実している。体験の提供を重視したメーカーによる出店は今後、さらに加速しそうだ。

(文/中村勇介=日経トレンディネット)