バルミューダ流レストランで試食体験

 「当社の製品はまだまだ認知度が低いうえに、他社製品よりも高額。実際に体験してもらわないと、その価値は伝わりにくい。ところが、家電量販店などでは、どんな料理をできるのか体験することはできない。そこで、当社の製品で作った料理を体験してもらえる場所を作りたかった」

 バルミューダのマーケティング部PR担当の秦泉寺里美氏は、出店の狙いをこう説明する。例えば、バルミューダ ザ・トースター。同製品の特徴は筐体の上部から水を注ぎ、水蒸気でパンを包み水分を中に閉じ込めることで、外はカリカリ、中はふっくらに焼き上げること。販売価格は一般的なオーブントースターのおよそ10倍だ。言葉でその価値を説明されたとしても、通常の10倍の価格をすぐに払おうという気分にはなりにくいだろう。

 一方で、実際にこのトースターで焼いたパンを食べた人は、その評価が大きく変わる。「顧客の中には、友人にトースターを強く薦めて、5人以上に購入してもらったと報告をくれる人もいる」(秦泉寺氏)。体験さえしてもらえれば、価格にも納得してもらえるはず、そう考えた。また、「キッチンの主要な家電は出そろった」(秦泉寺氏)ことから、包括的にキッチン家電を試してもらえる土壌も整った。こうしたタイミングも合致して店舗の設置を決めたという。

 バルミューダの店舗ではバルミューダ ザ・トースターはもちろん、バルミューダ ザ・レンジや、炊飯器「バルミューダ ザ・ゴハン」、電気ケトル「バルミューダ ザ・ポット」といった、バルミューダのキッチン家電シリーズのすべてを体験できるようにした。トースターではチーズトースターを提供したほか、冷めてしまったパンを温め直すことで、焼きたてに近い風味を味わえる「リベイク」も体験できるようにした。リベイクコーナーでは日替わりでさまざまな種類のパンを用意した。

「バルミューダ ザ・ポット」で淹れたコーヒーを味わえる
「バルミューダ ザ・ポット」で淹れたコーヒーを味わえる
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 そのほか、オーブンレンジを使って作ったポップコーンや電気ケトルで淹れたコーヒー、炊飯器で炊いたご飯を無料で提供しながら、製品の開発者などが使い方や開発コンセプトなどを説明。実際に製品を使ってみたい場合には、トースターでパンを温めたり、電気ケトルを使ってお湯を注いだりできた。こうして製品を試して気に入ったら、その場で購入することも可能だ。「将来的には本当の飲食店にも挑戦してみたい」と秦泉寺氏は語る。

ゼスプリカフェの来店者数は想定の1.6倍

 ゼスプリが今夏に設置したカフェには、最終的に当初想定の1.6倍となる2万1600人が訪れた。「初日から、最終日まで常に行列ができている状態だった」とゼスプリの猪股可奈子マーケティング部長はうれしい悲鳴を上げる。同社はキウイを体験してもらい、味や生の果物のみずみずしさを知ってもらうことで、キウイの消費拡大につなげることを目指した。

ゼスプリが表参道に出店した期間限定店舗には想定の1.6倍の来場者数となった
ゼスプリが表参道に出店した期間限定店舗には想定の1.6倍の来場者数となった
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 カフェの設置に当たっては、20~30代の女性をターゲットに据えた店作りを目指した。スーパーを中心とした既存の販路では、今後顧客になることがが期待できる若者とは接点をもちづらいというマーケティング課題を抱えていたのがその理由。出店場所として選んだのが表参道だ。「ターゲット層の往来が多く、かつ通行者の目に入り広告塔としても活用できる路面店であること」(猪股氏)を条件に選んだのが、表参道沿いにあるカフェ「BAKERY CAFE 426 OMOTESANDO」だ。同店を貸し切って、外装や内装をゼスプリ仕様にした。