日本旅館というより、ぜいたくな“オレんち”!?

 最上階には、2014年に湧出した大手町温泉が引かれた大浴場。やや褐色を帯びた湯は、塩分が強くてかなり温まる。内湯のなかを歩いてトンネルを抜けると、視界が開けて縦に長い露天風呂が出現。目まぐるしく人が行き来する世界有数のオフィス街のなかで、温泉につかり、小さく切り取られた東京の空を眺めるというのもまた、新しい非日常の形である。

 東京に初開業した星野リゾートの「日本旅館」というイメージとはやや違う印象を受けた。木といぐさの香りのなか、畳の上を靴下とジャージ素材の着物で歩き回り、好きな場所で横になったり本を読んだりする。時折りおいしいお茶をサーブしてもらい、おなかが空いたら近郊に着物のまま出かける……そんな、すこぶるぜいたくな“オレんち”が手に入る稀有なホテルなのだ。

ジャージ素材のオリジナル着物。簡単に着られて、これで外出も可能
ジャージ素材のオリジナル着物。簡単に着られて、これで外出も可能
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静ひつな空気が漂う露天風呂。内風呂と小さなトンネルでつながる作りが面白い
静ひつな空気が漂う露天風呂。内風呂と小さなトンネルでつながる作りが面白い
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(文/三谷弘美=日経トレンディ、写真/稲垣純也)