60代女性の約2%が、育児用粉ミルクを愛用

 森永乳業と雪印ビーンスタークが大人のための粉ミルクを開発したのは、「育児用粉ミルクを健康のために取っている大人が意外に多い」という実態が背景にあった。

 「以前からシニアの方が『健康のために育児用ミルクを飲んでいる』という声が寄せられていたが、それが近年増えてきていると感じるようになった。調べてみるとお客さま相談室に届いた件数は、年間約100件に上っていた。『10年間、コーヒーに入れて飲んでいる』『実際に飲んで健康に良い効果があった』という声とともに『飲んでも問題ないのか』『大人用の粉ミルクはないのか』という声も多かった」(森永乳業 営業本部  ウェルネス事業部 マーケティング統括グループ  ヘルスケア食品マーケティンググループの小菱悟マネージャー)。

 そこで同社は「大人のための粉ミルクに関する受容性」を調査。すると商品コンセプトへの肯定率が約90%と非常に高い結果が得られたという(※2015年12月に森永乳業が実施した説明文提示による魅力度調査。対象者は50歳以上女性、n=53)

森永乳業 営業本部  ウェルネス事業部 マーケティング統括グループ  ヘルスケア食品マーケティンググループの小菱悟マネージャー
森永乳業 営業本部  ウェルネス事業部 マーケティング統括グループ  ヘルスケア食品マーケティンググループの小菱悟マネージャー
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 雪印ビーンスタークでも近年、「育児用の粉ミルクを大人が飲んでもいいですか?」という問い合わせが増え、店頭でも同様の質問をよく受けるという報告があったという。そこでアンケート調査を実施したところ、60代の女性でも2%程度の人が、「総合的に栄養が取れるから」「体に良さそうだから」という理由で自分用に粉ミルクを購入している実態が分かった。「大人が自身の栄養補給のために飲む『大人の粉ミルク』のニーズがあるならば、弊社が長年にわたって続けてきたヒトの栄養研究と乳の加工技術を応用し、より大人に適した粉ミルクを作ることができる可能性があると考えた」(雪印ビーンスターク 商品開発部 マーケティンググループの河内慶子氏)。

雪印ビーンスターク 商品開発部 マーケティンググループの河内慶子氏(左)と山本和彦氏(右)
雪印ビーンスターク 商品開発部 マーケティンググループの河内慶子氏(左)と山本和彦氏(右)
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 これに対して救心製薬は「牛乳が苦手だがカルシウム補給のために無理をして飲んでいる人、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロしてしまう人のために、赤ちゃんの栄養源である粉ミルクを大人に転用したらいいのでは」という発想から開発を始めたという。