
ゲーム風のキャラクターに例えて売れた「就職指南本」、ツイッターの投稿で息を吹き返した廃番寸前の崖っぷち「文房具」、ピスタチオやエビフライなど意外な食材とのコラボで大人気の「コッペパン」……。知られざるマイクロトレンドは数多く眠っている。ニッチからメジャーへ。これから大化けするかもしれないヒットの芽を探した。
「RPG風の就職本」がバカ売れ
古代ローマ戦士風の一般事務職に、手から雷を放つ電気工事士─。日本に存在するあまたの職業を、すべてRPGや格闘ゲーム風のキャラクターで表現した『日本の給料&職業図鑑』(宝島社)が売れている。原作は一部で人気を集めていたウェブサイトだが、書籍化されるとたちまちベストセラーに。シリーズ3作目まで刊行され、累計で25万部を突破した。
買ったのは主に、中学生前後の子供を持つ層と、自分の職業がどう描かれたかに興味を持った社会人。キャラクターのイラスト以外は給与水準を紹介するなどまともな内容で、実用書とネタ本の2つのニーズを取り込んだ。すでに4冊目の企画も進んでいる。
意外性でファン層拡大、コンビニにも勢い波及

給食で親しんだコッペパンを扱う専門店が全国で急増している。スイーツから総菜まで、バリエーションが豊富なのが新型コッペパンのトレンド。東京・上野の「iacoupé(イアコッペ)」は、ピスタチオやエビフライなど、意外性のある具を挟むのが特徴で、一躍人気店に。売り上げは最近の3年で倍増した。コンビニ各社もラインアップを強化中だ。
崖っぷちから復活の消しゴム
サクラクレパスの消しゴム「ピュアスリム」は、在庫限りで廃番という運命にあったが、2017年1月に一般ユーザーがTwitterで「めっちゃ消える」とつぶやいた投稿が約2万2800回リツイートされ大きな話題に。2日後にはアマゾンの文具・オフィス用品部門で1位を獲得。1~3月は前年の3倍となる約1万4500個が売れ、再販売が決定した。