レジャー予約データを接客にも活用

 星野リゾートはこのウラカタを活用した。リゾナーレ八ヶ岳と取り引きのあるアウトドア・レジャー事業者に対して、ウラカタに在庫情報を登録してもらう。この在庫情報を、リゾナーレ八ヶ岳のウェブサイト上の「アクティビティ」のページに掲載している。宿泊客はアクティビティのページにあるカレンダーから、宿泊日時を指定すると予約可能なアウトドア・レジャーの一覧が表示される。好みのレジャーを選び、予約可能であればそのまま予約できる。

 ウラカタの利用に併せて、予約システムも既存の会員システムと連携した。宿泊客は星野リゾートの会員IDでアウトドア・レジャーを予約できる。予約するための会員IDが一本化されたことで、宿泊予約とアウトドア・レジャーの予約を一元管理できるようになった。宿泊施設の予約キャンセル時に、システム的にアウトドア・レジャーも自動キャンセルされる仕組みも開発した。

 データの一元管理は施設内での接客にも効力を発揮する。従来は、宿泊客がどんなアウトドア・レジャーを予約・利用しているのかは、施設側では全く把握できていなかった。今回のシステム連携により、宿泊施設側でも過去まで遡って把握可能になった。これにより「フロントで宿泊客に対して、以前利用したアウトドア・レジャーに関連するサービスを案内して利用を促すといった接客もできるようになる」(嶋田氏)。

スキー教室「雪ッズ70」など段階的に学べるアウトドア・レジャーの提案に予約データを活用する
スキー教室「雪ッズ70」など段階的に学べるアウトドア・レジャーの提案に予約データを活用する
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 例えば、段階的に学べるアウトドア・レジャーはその一例だ。星野リゾートは今冬、70のステップでスキーを学ぶ子供向けのスキー教室「雪ッズ70」をリゾナーレ八ヶ岳と「星野リゾート アルツ磐梯」で提供する。このスキー教室でステップ30まで進めた顧客が、次に宿泊予約をしたときに次のステップの利用を促すといった具合だ。

 予約の煩わしさを解消したことで、「アウトドア・レジャーの予約が増加。売り上げが実際に増えている」と嶋田氏は言う。宿泊予約の段階から、周辺での遊びも含めて総合的に提案する。そうした、おもてなしの強化でリピート利用の拡大を狙う。現在、リゾナーレ八ヶ岳への導入を皮切りに、「星野リゾート 青森屋」「星野リゾート 界 加賀」のほか8つの施設のサイトで運用をしており、今後、さらに他の施設のサイトへと対応範囲を広げていく方針だ。

(文/中村勇介=日経トレンディネット)